まず、立地条件をよく調べ、知ることがポイントです。
建物は、限定された土地に建てられます。この土地の状況をよく知っておく
必要があります。これは、計画の基本的チェック事項です。
しかし、パンフレットやモデルハウスのデザインや性能の良さに目を奪われて、
ややもすると、自分の土地の様子が、なおざりになる事があります。
建物が立地する場所は、全て異なります。
それぞれの土地の様子をよく知って、その対策を設計に入れることが、
長持ちする家づくりのポイントです。
以下、おおまかな事例を紹介します。
海岸に近い場所→塩害、強風が予測される。
〇金属等の屋根材や、外壁材、瓦、樋は避ける。
〇水切板などは、カラーステンレスなど防錆性能の良い物を使う。
〇雨水のかかりにくい軒下の錆発生に注意する。
〇風向きや強さに配慮して、雨水や雪の浸入を防ぐ。
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雨がかからない軒下部に錆発生
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低地や川の近い場所→湿気、浸水が予測される。
〇地盤面からの水蒸気を、床下で押える。
〇周囲の湿気が、床下や物置に留らぬ様に通気させる。
〇床下浸水しない様、基礎通気口を土台下通気に変える。
河川 |
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山地
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湿気が上がる |
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造成地や軟弱地盤の場合→地盤沈が予測される。
〇地盤調査や試掘を行ない、基礎を地盤に適した構造にする。
検討方法
盛土
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地山ライン
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沈下しやすい |
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市街地の場合→交通騒音、日照、通風不良、プライバシー侵害が、予測される。
〇開口部は防音サッシ、外壁材には防火、防音材を採用する。
〇室内空気の計画換気や、防塵対策を計画する。
〇限られた空間からの採光や、通風を立体的に検討する。
〇隣接する建物からのプライバシー保護や、防犯処理を配慮して
窓の形状や、開閉を工夫する。
立地の事前調査事項は、下記の条件が考えられます。
〇自然条件:山地・平地・海岸地・地盤地質・高低差・温度・湿度・日照・雨・風・雪
〇社会条件:道路・電気・電話・ガス・上下水道・雨水排水・近隣建物・交通
〇法令条件:都市計画・建築基準法・市町村条例・地目・所有形態
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