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チヌ、すなわち黒鯛、真鯛が赤色に対して、薄黒い色であるから黒鯛と言う何故チヌなのか、昔、大阪湾を、和泉灘と言っていたが、さらに昔、神武天皇の兄・五瀬命(いつせのみこと)が奈良県生駒の豪族である長髄彦(ながすねひこ)との戦いで負傷したとき、手についた血を洗った海と言うことで、その辺りを血沼の海、それがなまり茅渟海(ちぬうみ)と言い、その茅渟海で多く漁獲されたので茅渟(チヌ)の名が出たという、和歌山から関東にかけ20cm内外の大ききをカイズ、カエズと呼ばれる、これは三重県の海津付近で昔、多く漁獲されたからこの名が出たと言われる。
クロダイ タイ科クロダイ属
分布 形 生態 利用
北海道;朝鮮から台湾・中国に分布する。体側に6〜7条の横帯があり、幼魚は鮮明。生後1年で体長12cm、2年で20cm、3年で23cmになり、全長60cm位に達する。水深およそ50m迄の岩礁域に生息するが、冬期には深所に移動する。定置網、延縄、刺網で春〜秋期に漁獲される他、筏・磯釣り等遊魚の対象魚としても人気がある。産卵期は5〜7月。幼魚期はすべて雄で、3〜4歳で多くは雌に分化することが知られている。甲殻類、貝類、多毛類等を捕食する。美味で、刺身や塩焼等にされる。
グレと並んで磯釣りの代表魚種にあげられる。ウキ釣り、落とし込み釣り、筏釣り、投げ釣りなど様々な釣り方がある。ウキ釣り、筏釣り中にもその釣り方は地方や釣人により、多岐にわたる。エサも、オキアミ、活きエビ、ボケ、アケミ貝、イガイ、カニなどいろんなものが状況に応じて使用される。ウキ釣りによるのが一般的といえるが、警戒心が極めて強い魚であるため、仕掛け〜釣り方には繊細さが要求される。
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地 方 呼び名 幼 魚 呼 び 名 東 京 タロダイ 当歳をチンチン ニ歳からカイズ 大 阪 チ ヌ 二歳以下をチヌ、パパタレ 名古屋 カイズ チンタ 愛 知 シラダイ 三 重 カイズ マナジ 香 川 シオチヌ 高 知 タロチヌ 全体に白く黄色帯びたのをキビレナヌと区別 四国、中国、九州の一部 チヌタイ ダイ 日本海北陸方面 タロダイ 幼魚をチンタイ、二・三歳以上をタロダイ
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幼魚は主に河口で育ち、海水、淡水の混じる汽水域に多く、海藻の繁茂する磯や防波提のように捨て石の多い場所、導流杭やカキの養殖棚などカカリの多い所に集まる。幼魚時は潮入りの河口付近に集団をなすが、成魚に成るにつれ海に落ちて行き群生せず、四〜五匹ぐらいで遊泳する。海魚の中でチヌほど警戒心、好奇心の強い魚は少なくない。
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早春 4月頃の抱卵したのを、ハラミチヌ。産卵に湾外から、湾内に入り込んで来る、乗つ込チヌ。初夏から、初秋にかけ夜明けと共に朝凪をタ凪見つつ夜釣り、秋深まると共に次第に下火となり11月末から12月初旬には釣り期も終わる。産卵は、生息環境や水温の関係で多少の差はあるものの、早い所では4月〜6月、全体的には、5月〜8月にかけて行われる。抱卵数は、約15万粒熟卵の大きさ約1_球形で、分離して水面に浮く。水温19度で約2日間20度で、1日半ぐらいで、フ化する。1ケ月で約1.5a、3〜4ケ月で約4a余りになる。この頃に体に3〜5本の薄黒い横縞が、微かに現れると共に薄い縦縞も見える。
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満1年 10〜15p 満2年 20〜25p 満3年 25〜30p 成魚 30〜50p以上60pを超すものもあるが希である。
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岩着き 湾外の岩場 地面着き (イツキ) 湾内の駆け上がり 外洋性 湾外の岩場 流れ着き (ノッコミ) 産卵のため他の場所から来るチヌ
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水温が10度以下になれば目の回りに油脂皮膜が出来て食欲も低下する。又、急激な水温の低下では、4度まで下がると死ぬ場合があると言われている。又、真鯛は黒鯛より強く3度までと言われる。黒鯛の生息水深は、30bが限界とされている。平均的に16度以上、25度以下が釣りには適温と言われる。
尾鰭で泥砂底を掘って管虫類、小甲殻類、貝類、又は、海藻類を食べる。
1 ゴカイ、岩虫、袋イソメ、コウジ虫など、環形勤物 2 ヤドカリ、カニ、エビ、舟虫、ボケ、オキアミなど、節虫動物・甲殻類 3 ウニなど、刺皮動物 4 イカ、タコなど軟体動物の頭足類 5 カキ、アサリ、アケミ、サザエ、アワビなど、貝類 6 日本海側、特に山陰地方舞鶴では、昔からサナギが使用されている。 7 特例で、牛肉、鶏肉やその内蔵、コーン、イナゴ、ミノムシ、舞鶴の成生で釣れたチヌの腹には椎の実が入っていた。貪欲である、その習性を、利用すれば意外なエサで釣れるかもしれかしれない。
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春 4月〜5月外洋から産卵のために入り込んだチヌ、俗にノッコミ、卵をお腹に持っているのを、ハラミと言う。この時期を狙うのが一番良型が出る。潮通しが良く藻場のある所、ハラミチヌなので動きが鈍い為に、鈎掛かりすれば慌てず落ち着いて行えば捕り込める。
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チヌは、潮通の良い所を好み、潮の流れ境目、潮目になる所が狙い場になる。開放的な湾や港には回遊性のチヌが多く、潮に乗ってエサを求めて、回遊をするので釣果にムラが多くなるが、 天然の良港や湾内には、居着きのチヌが多く、釣れ出すと安定した釣果が期待出来る。水深のある、特に駆け上がりの急なドン深状になっている所は、大型のチヌが居着いて、越冬のチヌも多い、このような所では、駆け上がりの上から底までの問にエサを、海底に着かせて釣る。泥砂底では、チヌは底に居着いてあまり浮き上がらず尾鰭で、管虫類を掘り出し食うので岩虫、貝、エビ類が良い岩場や玉石、栗石など底が堅い所では、海藻が生えるためにエビ、カニ、 稚魚などが多く生息している。このような所を多餌域と呼んでいる。多餌域では、チヌは底を切って浮上ずることがあり底から半尋〜半尋半位い上げて釣ると良い。(1尋=1.5m)地合い悪い時は、根掛かり覚悟で底に付けないと、釣れないときもある。
大型チヌの場合は、甲殻類が良くサナギ・丸貝でも良く釣れる。
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地球上の気圧は、1010ヘストパスカル(以後hpa)が標準になっている。
1010hpa以下は、低気圧。
1010hpa以上は、高気圧。
冬には、1020hpa以上の低気圧もあり天気図には、高気圧より、高い気圧の低気圧が現れたりする。これは周囲の状況(高気圧との比較)から超きる現象である。
気圧が1hpa低くなると、海面は1cm吸い上げられ高くなる。
気圧が1hpa高くなると、海面は1cm押し下げられ低くなる。
それだけ魚が圧力に左右されるため、非常に強い高気圧のときは、エサの食いが悪いようである。日本海を低気圧が通って南から、湿った暖かい空気が吹き込んだ時に降る雨は、良く釣れる事が多い、風も魚に影響を与える。ベタ凪の日より少々波のある日に良く釣れる。チヌ、グレのように、シケ気味の時に良く釣れるのは、波立って空気中から、酸素が補給されるからである。
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地震、雷、火事、おやじと、言われ、地震が起きる前に、良く釣れる事が多く地震の後は食いが悪、雷鳴と稲妻も、魚に悪い影響を与え、夜間に強い雷光のある時は、翌日の磯釣りや、筏のカカリ釣りも良くない事が多いようである。
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一般に魚は、潮の良く動く所、良く流れるときに釣れる。余り流れを好まない魚でも、流れの緩い所や流れの脇に住んでいるが、やはり潮の動く時が食いも良くなる。通常、一日のうちの満潮が二回、干潮が二回(どちらかが一回しかない日もある)ありますが、先にも書いたように、潮回りによって、その時間帯は異なってきます。防波堤のような水深のある場所は、大きな影響をうける事は少ないのですが、磯場などは、満潮の時には水没して渡礁できなかったり、干潮のときにはすっかり水が引いていて、釣りにならない・・・などという事もありますので、注意しなくてはなりません。特に、太平洋側は干潮の時に渡礁したのはよいが、満潮になって帰って来れなくなった・・・などという事があっては非常に危険です。日本海側はその恐れはありません。
干満の差が大きく良く潮が流れる大潮時(満月・新月)が最も良く、大潮に変わる前の中潮、大潮の後の中潮、次に潮が大きく変わって行く時の小潮の順で小潮から潮変わりの長潮→若潮→大潮と、潮が大きく変わって行く時の方が大潮から、次第に小さく変わって行くときより地合いが良いのは普通である。満潮や干潮の時間帯というのは潮の動きが無くなるため、魚の活性が下がり急に釣れなくなる事がままあります。
俗に「上げ7分、下げ3分(あげしちぶ、さげさんぶ)」などと言われるように、満潮の少し手前、満潮の少し後くらいが一番よく釣れる・・・と言われています。月令十五夜の満月前後、つまり月夜回りは夜間の地合いが悪くて、一日の新月前後つまり暗夜回りは夜間活動する為に殆どの魚が良く釣れる。
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初めて行く磯の場合、暗いときは仕方ないが、明るければその付近で一番高い所から、偏向グラス(サングラスは駄目)で、磯の形・シモリ・潮流・潮目払い出しの状態を見て、目指すポイントが決まれば撒き餌で、チヌを如何に誘い出すかを考える。二点以上シモリがある場合は一点に絞って攻めて行くことが大切である。
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サナギのミンチ、集魚材(赤土は、磯荒れの原因になるから絶対に使用してはならない)サナギは、布バケツに水を入れてその中にあける。浮いたサナギは、磯の上に、海に捨てるとカモメが飛んできてその姿が水面に映り魚の寄りが悪い。刺し餌はサナギのお尻が大きく太った堅い物が良い。オキアミは、陽があたれば黒く変色するために、タオルを上から被せて置けばよい。夜釣りは、岩虫でも良く夜光虫が、鈍い光を出して餌を取り巻き魚によく見える。
若狭湾磯釣りは、昔からサナギを使用しいてチヌ釣りが盛んに行われている。昔から丹後は養蚕が盛んで川や、海に繭殻らのサナギを捨てていた、チヌが食学習をして餌となり現在に至っている。(現在市販サナギは殆ど韓国産)サナギが年中手に入りやすく戦前はサナギを 数珠刺しにして投げ込み釣り。戦後はウキ釣りの方が、多くなってきた。
現在は、サナギ、オキアミ、アケミ貝が共に使用されている。
サナギにも雄と雌がある。お尻の尖っているのを雄
お尻の丸いのが雌と言われている。
鈎に刺すのは雌の方が刺しやすく鈎がスッポリと隠
れるように刺すのが良い。二つ掛けは互い違いに刺
すのが好ましい。
ウキ止め糸は絹糸又はナイロン糸で@からAへ4〜5回巻き BとCを矢印の方向にゆっくり最後に強く引き締める 瞬間接着剤で止めた後に切る
瞬間接着剤て止めて、素早く@Aと左右に数回、移動させる。
これは、ウキ止め糸と、道糸が固定されない為である。@ウキ止めセル玉は、ウキ止め糸の方向へ、細い穴から通す。
Aサルカン(スナップ)を入れて、太い穴から通す。
B最後に、ヨリモドシを結ぶ。
道糸3〜4号 ハリス1.5〜3号 鈎 春は5号 夏秋3〜4号
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@〜Aへ コッコッと前触れ。
A〜Bへ ジワジワ入る。
B〜Cへ 上がり出す。
C〜Dへ ここで、五〜十数える。
E〜Fへ ここで初めて合わす。
@ 利き手の親指と人差し指でハリスと鈎を同時につまむ。ハリスの端は5〜6センチ位
A ハリスと本線を交差させハリスをきれいな輪になるようにする
B 鈎と本線をハリスの端で5〜6回巻く
C ハリスの端を向こう側の輪の部分に通す
D 本線ハリスを押さえ短い端を引っ張り締めてEの部分を切る本線は鈎の外に向くように。他の説明では内側にとあるが敢えて外向きである。
チモトとはハリスを結びつける部分で平たくやや膨らみのある部分のこと。魚が掛かると内側にハリスが向いているとAの→の部分が擦れて傷がつきやすく鈎が切れる原因になる。@の↓の部分を見れば解るようにハリスとチモトに隙間が出来るからハリスは傷が付かない。
ポイントが遠い場合
尾から通して胸へ鈎を出す。
ポイントが近い場合
尾から通して背へ鈎を出す。大きい爪はきる
@ハナ掛け 頭部の先端をすくうように刺す。目玉より下に鈎を刺すとエビは死ぬから注意
A尾チョン掛け 尾の切った部分から鈎を通して刺す。鈎先は背・腹側どちらに向いても良い
尾はハリスに縒りが掛からないように切り取る。
@ 尾刺し 尾から胴体に添って鈎を通す。鈎先は、背・腹側どちらに向いても良い
A二匹掛け
二匹を抱き合わせるように鈎に刺す。頭部を上にする場合は目から通せばよい