境谷の切山古墳

昭和26年に境谷の丘陵地で発見された切山古墳は、4世紀末に築かれた舞鶴で最古の大形円墳でした。古墳には凝灰岩製の組合式石棺(くみあわせしきせっかん)が使われ、真赤に彩られた棺内には女性とみられる人骨と共に、鉄剣や銅鏃(どうぞく)が副葬されていました。凝灰岩は丹後半島に求めたと考えられることから、伊佐津川流域を支配していたこの女王は、丹後の巨大古墳の主との間に政治的関係を結んでいたことがうかがえます。

朝来群集墳横穴式石室

舞鶴市域には、300基をこす古墳が知られていますが、なかでも78基からなる朝来群集墳は特徴的で、しかも50基以上が横穴式石室を用いていることは、近隣地域でも珍らしく、朝来谷にいた集団の特殊性を表しています。
  また、三浜・田井・白杉などの海岸部にも横穴式石室を用いた古墳が確認されています が、これらの被葬者たちは、海と深いかかわりをもった一族の長(おさ)と考えてよいでしょう。舞鶴最大の石室が白杉古墳であることから、その勢力の大きさがうかがわれます。