摂津、播磨、丹波、但馬、淡路。兵庫県はこの古代以来の区分による五つの国々がその独自の表情をいまなお明確にたずさえ主張している。
その中の但馬は兵庫県の北部に位置し、古事記に「多遅麻」、日本書紀に「但馬」と記され、今では3市2町からなる古くから開けた歴史ある地である。全国的にも有数の景勝地、温泉場として知られ、志賀直哉をはじめ数多くの文人墨客が訪れ、名作の舞台となっているところが多い。