町長室つれづれ

1997/12  No.3

はなむけの言葉

久美浜町長 吉岡光義


 結婚式に招待され、スピーチを頼まれた。
 書物を開いてみて勉強してみるが、どうも馴染まない。 五十路を迎えて、自分の上に広がっている天の高さもだいたい分かってきたし、人の世の仕掛けも、おぼろげながらも見えてきた。この間に、学んだり感じたりしたことを、自分の言葉で話すことにした。 一つには、一日一日を大切に過ごしてもらいたいということ。人生は長いようであって、案外短いものであるような気がしてきている。日々の積み重ねが、ひと月であり、一年であり、十年である。今という時を精一杯生きるべきだと思っている。
 二つには、困難にくじけない勇気、困難に立ち向かって行く勇気を持ち続けるべきだということ。人生には、いろんな岐路がある。そんなとき、困難な方を選ぶことのできる勇気が欲しい。
 三つには、「一期一会」ということである。人と人との出会い、触れ合い、つながり、そんなものを大切にする生き方をすべきだと思う。知人、友人、夫婦、子供、孫、この世でふれ合うことのできた、貴重な縁 である。そんな、心と心のふれ合いは、人の世における何ものにも代えがたい宝物であるはずである。
 難題がもう一つあった。カラオケである。「池内道場」に通い、手解きは受けていたが、生来の変調であるので難儀した。祝宴のどさくさに紛れて歌って、堪えてもらった。 三つの所感と、「祝い船」を歌って、若い二人の旅立ちにあたり、はなむけの言葉とした。


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