丹後の久美浜”まちづくり”協議会



「久美浜一区まちづくり協議会」はどんな”まち”を目指しているのですか?













T 計画の策定にあたって


1 計画の趣旨
 久美浜町の中心市街地を形成する久美浜一区は、古くは江戸時代に幕府の直轄地として代官所が置かれ、明治時代には「久美浜縣」の設置により県庁所在地として、丹後、但馬、丹波、播磨及び美作の五国を管轄するなど、政治・経済の中心として発展してきました。

 現在でも久美浜一区は当時の繁栄の面影を各所に残し、商店、工場、公共施設、行政機関等が集積する本町の中心地としての役割を担っていますが、時代の変遷とともにかつての「賑わい」と「活力」は徐々に失われつつあります。

 このような状況において、地域の活力を取り戻すとともに地域の特性を活かした、美しく住みよいまちづくりを進めるため、久美浜一区が目指す将来発展像を区民共有の目標として掲げるとともに、これを実現するための基本方針や具体的方策を定めていきます。

2 計画の構成と計画期間
 この計画の構成は、基本構想、基本計画としています。

【基本構想】

 基本構想は、久美浜一区の目指すべき将来像を示し、今後何をしなければならないかその基本方針を定めています。

 計画期間は、平成15年から平成24年度までの10年間を目標としています。

【基本計画】

 基本計画は、久美浜一区の目指すべき将来方向や各種の方策を具体的に示すとともに、京都府及び久美浜町が実施する各種事業を視野に入れた計画としています。

 計画期間は、基本構想と同じく10年間としていますが、社会経済及び地域の事業に応じて基本構想の枠内で柔軟に変更、修正を行います。

3 計画の役割
この計画は、久美浜一区のまちづくりを進める上で、長期的視点に立った総合的かつ計画的な運営を行なうための指針となるものです。

 しかし、この計画は法的根拠を有するものではなく、これによって個人または団体等の活動を規制する効力をもつものではありませんが、地域住民及び集落はもとより事業所または関係団体においてはこれを尊重し、この計画の実現に努めなければなりません。

4 久美浜一区の現状と課題
4−1 久美浜一区の歴史と概況

久美浜町は、江戸時代には宮津藩領、幕府直轄領をへて、明治元年に久美浜縣が置かれました。その後、豊岡縣の管下に置かれ、明治9年に京都府に編入されました。

明治27年に町政を施行し、昭和26年、昭和30年、昭和33年の町村合併により現在に至っています。

 このような変遷のなかで、久美浜町一区には久美浜代官所、久美浜縣庁、久美浜町役場が置かれ、いつの時代にも本町の中心地として発展を続けてきました。

 区域は、山陰海岸国立公園に指定された久美浜湾に面し、波静かな水面とかぶと山の雄姿が自然豊かで風光明媚な景観を形成しています。また、近年では、水際を利用したマリンスポーツやイベントが開催され、交流とふれあいのゾーンとして賑わいをみせています。

4−2 久美浜一区の人口 

 久美浜町の人口は11,857人(平成12年国調)で、昭和22年をピークに減少が続いており、高齢者比率は30.2%と全国の17.3%を大きく上回っています。

 久美浜一区の人口は、2,095人で、町全体の18%を済める本町最大の人口集積地でありますが、高齢者比率は33.7%を示し、町平均を上回る高齢地域となっています。

 このような状況から推測されるように、少子化も進んでおり、久美浜小学校の児童数は1学年で2学級を編成する人数で推移してきましたが、平成3年からは2学級編成が困難な児童数まで減少しています。

 年齢別人口では、20〜24歳が極端に減少に減少していますが、これは進学、就職のために若者が町外に転出している状況を映しだしているものです。その後、その転出者の一部のUターンによって、現在の人口構造が維持されていますが、その人口の増減は減少が増加を上回っており、少子高齢化が進んでいます。

4−3 久美浜一区の産業構造

久美浜一区の産業構造を就業人口(平成7年国調)で見ると、第1次産業3.9%、第2次産業30.1%、第3次産業66.%となっています。もともと久美浜一区は、政治経済の中心地としての歴史とともに発展してきた商業地域です。

 現在、久美浜一区の商業は、一部に観光対応店舗やロードサイド型店舗がみられますが、基本的には、地域内消費に依存しています。広域商業圏を持つ大型店舗は豊岡市などに立地していて、町内には立地していませんが、歴史的にも豊岡市とかかわりが深く、経済圏は豊岡市に組み込まれていて、モータリゼーションと道路整備により、豊岡市などに進出した大型店舗が商店街の売上を大きく圧迫しています。

4−4 久美浜一区の課題

(1) 自然環境、景観の保全

自然環境や景観が久美浜一区の優れた地域資源として認識されていることがアンケートの結果から確認でます。しかし、地域の状況を見てみると、排水不良から生じる悪臭や害虫の発生、久美浜湾や河川の水質低下やゴミなどの問題が指摘されており、今後の課題となっています。また、周囲の景観との調和を欠いた開発や空き屋の増加が自然景観や街並み景観を阻害しつつあります。

(2)地域経済と商店街の活性化

久美浜一区には町役場をはじめとする公共機関や金融機関、各種事業所、商店等が集まり、都市機能によるにぎわいを基盤として地域経済が発展してきました。しかし、事業所の縮小や商店街の衰退などにより、消費生活の不便さのみならず地域活力の低下が危惧され、新たなにぎわいの創出による地域経済の活性化が課題となっています。

(3)若者の定住促進

久美浜一区では中心市街地と周辺の住宅地との間で住民の年齢構成に大きな格差が生じています。これは、住宅空間や道路、公園整備など安全で快適な住環境が若者定住の条件の一つであることの現れであり、全域的に住環境を整備する必要があります。

(4)高齢化対策

久美浜一区の高齢者比率は33.7%でありますが、40%を越える集落も見られます。また、アンケートからは高齢者だけの世帯や後継者に不安のある世帯が相当数あることなどが、確認され、地域の高齢化は福祉の問題だけではなく、産業振興や地域の自治活動においても深刻な課題となっています。

4−5 久美浜一区の新たな局面と課題

町村合併問題が急浮上し、丹後地域の6町が法定の合併協議会を設置し、平成16年3月に合併することを目指しています。合併問題はまちづくりを考える絶好の機会とはいえ、合併が行われることになれば、久美浜町は周辺部のまちとなり、今までの町の中心地としての役割は外れることになります。

 久美浜一区としては、地域の自立、地域が生き残るためにどうすべきか真剣に考えざるを得ない状況になっているといえます。

また、久美浜一区に関わる歴史文化の保存・継承をあわせて考えなければなりません。

5 まちづくり計画へのアプローチ
○第4次久美浜町総合計画の策定

 ・稲葉邸の修復活用計画

 ・久美浜町街普請構想の提案など

○まちづくり組織〔「久美浜一区まちづくり協議会」〕の立ち上げ

 ・平成13年10月

○「まちづくり計画」の策定作業

 ・区民によるまちづくり計画

 ・平成16年3月

 ・「久美浜一区まちづくり基本計画」の完成、一区に全戸配布

○住民一体となった“まちづくり”の活動がはじまる

 

【参考】平成16年3月、町役場は国の補助事業である「街なみ環境整備事業」を府・国に対して申請しています〔別途報告します〕

U 基本構想
久美浜一区の将来像

   ゆとりへの挑戦!笑顔できばる、久美浜一区

   〜みんなのがんばりを応援するまち〜

久美浜一区の挑戦

 ・ 「水と緑への挑戦」

 ・ 「にぎわいへの挑戦」

 ・ 「感動への挑戦」


「水と緑への挑戦」

 久美浜一区は、久美浜湾とかぶと山、周辺の山河などすぐれた自然景観の中に位置しています。しかし、周辺の景観があまりに美しいため、わたしたちは身近な環境に気づかず、自然に負荷を与えるような生活や景観を壊すようなことを見過ごしてきました。自然環境と調和した、美しく、やすらぎのあるまちを子供たちに残すため、このすばらしい水と緑の景観に負けないような生活環境や街並みのまちづくりに挑戦します。

「にぎわいへの挑戦」

 商店街の繁栄が、久美浜一区の発展の歴史であり、商店街の活力が久美浜一区の活力であると考えます。しかし、商店街の状況は極めて厳しく、商店自身の相当ながんばりと意識改革が必要であり、また区民もこれを応援しなければなりません。

地域の資源を生かした新た可能性を見出し、「見て歩いて楽しい商店街」を育成していくことがこれからの目標のひとつです。商店街のかつての活気を取り戻し、にぎわいのあるまちづくりに挑戦します。

「感動への挑戦」

 久美浜一区に住むわたしたちは、誇りある歴史に裏打ちされ伝統を重んじるあまり、新しいことや大きな変化に臆病でありました。そのため常に自らを改革し、現状を変えていくことに消極的なことが多く、新しいことに挑戦する経験や達成したときの「感動」が薄らいでいます。失敗した時の悔しさや成し遂げられた時の達成感は、新たな目標への大きな躍進力になるものと考えます。

自ら進んで困難に立ち向かい、新たなる可能性を切り開く人を応援し,(感動)を実感できるまちづくりに挑戦します。

V まちづくり基本計画
1「水と緑への挑戦」

○ 自然との調和と魅力ある景観によるやすらぎのあるまちづくり

・久美浜湾及び河川の環境保全・水質浄化

 @ ゴミ等の不法投棄防止や堤防草刈後の除草処理を行う。

 A 事業所や住宅等からの排水による汚染防止に努める。

 B 上流住民等への協力依頼や、区民及び全町民への意識啓発と住民運動の展開
   を図る。


・水辺を生かした憩いとやすらぎの空間の整備

 @ 自然環境を生かした景観になるよう、河川護岸や海岸を改修する。

 A 水に親しむ散策路(歩道)の整備や水辺施設を新設する。


○ 個性と魅力あふれた街並みの整備

 @ 歩道・橋・水路・公園・駐車場等の整備をはかり、住民の生活環境に配慮し
   て、伝統的な街並みの形成を進める。


 A 空家・空店舗の活用を行って、街並み景観の向上と商店街を活性化し、住宅
   環境を良好なものにする。


 B 街の魅力づくりに努め、サイン整備や公衆便所整備を行い、住民や来客者が
   楽しめ、自慢できる街にする。



○ 安全・安心で快適に暮らせるまちづくり

・楽しいふれあいのある空間整備

 @ 小公園・広場・緑地の整備を図る。


・いつでも快適な空間整備

 @ ゴミ集積場や排水路の整備を図り、衛生的環境を向上させる。

 A 植え込み等による緑化・美化運動を行い、美しい街にする。


・安全で楽しく歩ける歩道や交通渋滞や事故が無い車道の整備

 @ 歩道の整備や美装化を図り、歩行者が安全で楽しい道にする。

 A 幹線道路(国道・府道)の交通量増加や交通安全に配慮して、歩道併設の道
   路をまちづくりに併せ整備する。


 B 道路・歩道は、融雪及び除雪に配慮した構造とする。


・安心して暮らせる住環境整備

 @ 消防防災施設(消火栓・消火器・防火水槽等)の整備を図り、安心して暮ら
   せる街にする。


 A 河川の増水や高潮による被害地区の護岸整備を早急に進める。

 B 急傾斜地に隣接する住宅地区の防災整備を進める。

 C 災害(水害・震災等)の緊急避難計画や防災意識の向上に努める。

 D 子供やお年よりを街ぐるみで守り、防犯意識の向上に努める。  


2「にぎわいへの挑戦」

○ 見て歩いて楽しいまち並みと商店街づくり

・住民・商店・諸団体が協力して、にぎわいと個性あるまち並み・商店街づくりを進める。

 @ 久美浜商店街協同組合、久美浜町商工会、久美浜町観光協会、久美浜町観光
   振興会、行政などと連携の強化


 A 百珍運動と連携し、その具体化をはかる。

 B 特産品や新商品の掘り起こし、開発に努める。

 C 空店舗・空き屋活用により、多様な集客をめざす。


・景観的にも魅力ある商店街づくりを進める。

 @ 店舗・看板等の修景・デザイン化をはかる。

 A 商店街の緑化・美化・修景につとめる。

 B 文化的・歴史的資源を活かした味わいのあるまち並みづくりをめざす。


・笑顔とあいさつ、ぬくもりの商店街づくりを進める

 @ あらゆる機会・場所において、対話や交流、また「もてなしの心」を大切に
   し、お互いの理解を深める。


 A 安心・元気・便利の販売

地元商店街の利点を活かしたまちづくり

 B くらしを支えるサービスの充実

高齢者等買い物支援サービス、他


○ 交流拠点の整備

 @ 稲葉本家を有効活用するとともに、他の交流拠点や商店街とのネットワーク
   化をはかる。


 A 駐車場の整備を行うとともに、浜公園・アメニティ久美浜の有効活用を追求
   する。



3「感動への挑戦」

○ 「自立の気質!」文化・歴史・芸術を学び後世に残せるまちづくり


*自ら考え、そして行動し創造する人を育むまちづくりを実行する。

・久美浜「ふるさと学習」を推進する。

 @ 一区出身の著名人による講演会、展示会を開催する。                                                                                               


・地域リーダー・まちづくりグループを育成し、支援する。

 @ 研修会、交流会を開催する。


・歴史・文化の保存継承と創造を行う。

 @ 歴史学習会、歴史展の開催をする。

 A 文化活動を支援する。


○ 「やる気と感動!」一区に帰りたい、住んでいて良かったと思えるまちづくり


*支えあう絆を育むまちづくりを実行する。

・交流やふれあいの機会を充実させる。

 @ スポーツ・文化交流、世代間交流に取り組む。    


・「あいさつ運動」を展開する。

 A PTA・公民館・商店街等と連携する。


・コミュニティケアを構築する。

 @ 福祉施設、民生委員、公民館等と連携した「地域介護」の意識付けと実行を
   行う。


 A 研修会及びボランティアネットワークを構築していくとともに、積極的に活
   動するグループ等を支援する。



・子供たちがたくましく、すくすくと育つ環境を築く。

 @ 子供と家庭が共に参加でき、生きる力と豊な心を育む学習機会を充実させ
   る。



○ 「住民が主人公!」物語の中に位置づけたまちづくり


*「既存の施設」「空き屋」等を活用し、歴史・文化・芸術を収集、発信する拠点とする。

・まちづくりと連動した住民活動を展開する。

 @ 情報発信の中心として位置づける。広報、ホームページ、マップ、掲示板等
   を作成する。



・文化人・サークルその他様々な人(いわゆる「匠」)と連携し、「文化的な味わいのあるまち」を演出する。


・珍しいもの、伝統工芸などの実演、展示を行う。


・ものづくり体験工房・趣味の作品展等の「住民参加型事業」を展開する。


(※ ただし、これは理想的な将来像を描いたものなので、実際の状況を見ながら、
可能なことから優先順序を考えて進まなければなりません。)
みなさんのご意見、アイデアなど、何でもお気軽にお寄せください。