お見苦しい点が多々あります。
これから更に充実を
夕陽が落ちる前に
1) 謎の男ロッドマンを追え!! 1の1
学校からの帰り道
いつものように、話しながら学校の坂道を健次、綾、慎司の三人は家に向かって歩
いていた。
三人は、小さい時からの大の仲良し、いつも一緒だ。組は違っていても、毎日一緒
に帰る。先にきたものが校門の所で待っていて、いつも三人で連れ立って帰る。
今日は、綾が放送当番で、下校の放送をしなければいけないので、4時半ぎりぎり
まで待っていたのだった。
三人は、学校の坂道を下って、本通りを西に向かって歩いていた。本当は、三人の
家は南の方なのだが、綾がバトル鉛筆がほしいというので、山岡文具店に、買いに行
こうということになったのだ。
学校下の信号の所にでたとき、チャパツの男が歩いていた。この辺りでは、見かけ
ない男だ。チャパツだけでなく、男は半袖、半ズボンにスニ−カ−、そして、耳にも
鼻にもピアス。さらにやけに身長が高い。200センチはあるように見える。なにか
不思議な印象を与える男だ。
三人は目で合図をした。どうやらその男をつけていこうというのだ。三人は好奇心
の固まりみたいな子どもたちだ。
男は、ネタカ屋の前を通って、西に向かって歩いていたが、突然、道を横切り足速
に歩きだした。三人も同じように道を横切りかかったが、車が何台も通っていくので、
なかなか横切れない。
やっと何台かの車をやり過ごして、道を渡った時には、男の姿は見えなくなっていた。
問題1 謎の男を想像して描いてみよう
1−2−1 そこはビックリハウス!!
「しまったな。なにかおもしろいことがおこりそうだったのになあ。」
と、健次が残念そうにいった。
その時、綾は10メ−トル程前の空き家になにか人影をみたのだった。
「あれ、その家はだれもいないはずよ。だれかいる。」
「どこにいるんだよ。誰もいないはずだよ。綾、それは目の錯覚というものだよ。」
と、慎司がいった。
「おい、慎ちゃん、本当に誰かいるぞ」
と、今度は健次が言った。
三人は、その空き家の前まで来た。
「おい、慎ちゃん、この家は、誰もいないはずだよ。おかしいじゃないか。」
「それもそうだね。このビックリハウスは、だれもすんでいないのね。」
と、綾もうなずく。
このビックリハウスと子どもたちが呼んでいる家は、真っ黒な家である。そして、
窓は一つもなく、ときおり中から奇妙な音が聞こえる家であった。
「なにかおもしろいことが起きそうだな。ヤッホ−!!」
と、健次が胸をわくわくさせている。
「おい慎ちゃん、中にはいってみようぜ。」
と、健次がふざけて、慎司の肩を強くド−ンと押した。
その勢いに、やせた慎司のからだは、ふっとばされドアに向けてぶつけられそうに
なった。慎司が手をだした拍子にドアを押してしまった。
すると、ドアがあき、慎司の体はビックリハウスの中に。いつもは開かないはずの
ビックリハウスが、簡単に開いてしまったのだ。
三人は、おそるおそる中をのぞいてみた。
入ったすぐは大きな玄関らしかったが、中が暗いのであまり中の様子は見えない。
奥の方に、なにか明かりらしいものががついているのが見える。
三人は、その明かりらしいものにひっぱられるようにさらに中に入った。三人が中
に入ったと同時に、「ギ−」という音ともに、なにかがおりて来た。
1−2−2 そこはビックリハウス!!
「しまった。どうやら部屋にとじこめられたぞ。」
と、健次が辺りの壁を押しても動かない。
「恐い、あんたなんとかしてよ。慎ちゃん」
と、綾は少し楽しみながら言っている。
慎司は何やら考えこんでいる。
問題2 綾、慎司、健次の三人、どんな顔をしている想像して描いてみよう
2−1 水だ!!
そのうちになにか音がしだした。水が流れるような音だ。そして、足が何やら冷た
くなってきた。
「水だ!!」
どうやら三人は、大きな水槽みたいなものの中に入れられてしまったのだ。
水はどんどん入ってくる。足首、膝と順々につかっていく。
「おい、慎ちゃん、どうすりゃいいのさ。」
と、健次はあくまでも明るい。それでもなんとかなると思っているのだ。
「水は、一分間に、・・・・ だから5分で、それで・・・」
と、慎司は、自分の時計のストップウオッチの機能を使いながら、なにかぶつぶつ
といっている。
「慎司くん。どうでもいいから助けてよ。」
と、綾が泣きそうな声でいっている。
それでも慎司は、なにかぶつぶつと言っている。
水はどんどん入ってき、もう腰までになった。
「ひらめいた!!」
慎司はいろいろ考えて、水の深さと、時間の関係を次のように頭のなかに思い浮べ
たのだ。
時 間 (分) |
1 | 2 | 3 | |
5 | 6 | | 8 | 9 |
水の深さ(p) |
2 | 4 | 6 | 8 | |
| 14 | | |
問題 3 慎司君がまだ入れていない所に数字を入れて完成させよう。
補充問題 123
まだ入れていない所に数字を入れて完成させよう。
時 間 (分) | 1 | 2 | 3 |
4 | 5 | 6 | 7 |
水の深さ(p) | 2 | 4 | 6 |
8 | 10 | 12 | 14 |
2−2 水だ!!
水は徐々に入ってくる。もう腰の辺りになろうとしていた。けれども、慎司は冷静
だった。
「水と時間の関係はこうだ。」
と、慎司は言い出した。そして、
「これがはっきりとわかると、ここから抜け出せるかもしれないぞ。」
と、ぽつっといった。
「その関係てなんだ。水と時間にどんな関係があるのさ」
と、健次は、尋ねた。
「そうよ、そうよ。そんなことを考えて水がとまるの。それよりも、どっか弱いとこ
ろを見つけて、足でみんなでけった方がいいよ」
と、綾も言う。
「よく考えてみて、時間が1分ふえると、水の深さは2センチふえるだろ。だから2
分では4センチ、3分では6センチ、4分ではでは8センチになるだろ。」
と、慎司は説明していく。
「わかった!!水の深さは、いつも時間の2倍になっているんだ!!」
と、綾が大声をあげた。
「そうか、時間が2倍になると、水の深さも2倍になるんだ。同じようにふえていく
んだ。」
と、健次もようやくわかったようだ。
「つまり、ここでは決まった数だけふえているんだ。その決まった数はなんだ。」
と、慎司は冷静だ。
「決まった数?その数いくつなんだ。はっきりといえよ。ふ−ん、そんなのがある
のか。」
と、健次は尋ねていく。
「ほら、1分の時2センチ、2分で4センチ、3分で6センチとなっていくだろう。
それで、2÷1= 4÷2= 6÷3= と、みていくと、その商
(割算のこたえ)はいくつになっていくんだ。考えてみてよ」
と、説明していく。
「そうか、わかった。」
と、二人の話をきいていた。綾がうなずいた。
「時間と水が決まった数で変わっていく時、それは、比例しているという言葉で言う
んだよ。」
と、慎司は難しく言った。
「ヒレイ?それはヒデエ−?ヒノレイ?恐いだろうな。なんかわからんけど、同じよ
うに決まった数、変わっていくということだろう。」
「そしたら、決まった数かわらなかったら、それは比例とはいわないいんか」
「うんそうだ。変わり方が一つのほうが規則的に変わっているのに、もうひとつの方
は無茶苦茶に変わっていっとたらあかんのだよ。」
「どっちも規則的にかわらんとあかんのか。ふんそんなことあるんか。」
健次はめんどくさそうに言った。
「健ちゃん、問題どっちが比例している?」
と、慎司はからかってきた。
時 間 (分) |
1 | 2 | 3 |
4 | 5 | 6 |
水の深さ(p) |
2 | 9 | 10 |
12 | 13 | 15 |
時 間 (分) |
1 | 2 | 3 |
4 | 5 | 6 |
水の深さ(p) |
4 | 8 | 12 |
16 | 20 | 24 |
問題 4 比例しているものは、どれでしょう。
「決まった数が見つかれば、どれくらいで水がいっぱいになるかわかっていって焦ら
なくてもいいんだよ。」
「つまり、 決まった数 × 一方の値 = 他方の値 ということに
他方の値 ÷ 一方の値 =決まった数 になるんだよ。」
と、慎司が説明してくれているが、健次の頭は混乱してきた。
「一方の値とか、他方の値とかいうからややこしくなるんだよ。答えと、かける数で
は、だめか。水の時は、慎ちゃんの言う一方の値は時間だろ、他方の値というのは水
の深さのことだろ。簡単なことを難しくいいすぎだ。それは君の悪いくせだよ。」
と、健次は口をとがらせている。
水は、どんどん入ってくる。
「この天井の高さが、180センチ、今、水は、100センチ、あと10分で、
え−と、○○○センチか。」
と、ぶつぶつ慎司は言いながらなにか計算している。
「ふせろ」
と、慎司が叫んだ。三人は水の中に、もぐった。その時、大きな鉄のかたまりみたい
なものが「ドシ−ン」と落ちてきた。
その力で、水がどっと流れだした。三人も流された。
三人は、必死でその水の中を泳いでいる。しかし、なにかに向かって吸い込まれて
いるようだ。その勢いはぐんぐん速くなっていく。
綾は、意識がだんだん消えていこうとするのをこらえた。そして、何やら高いとこ
ろにどんどん吸い上げられていくような、からだ浮いているような感じがしていく。
一番上の方にいったような感じがしたと思うと、「ド−ン」と、今度は、まっさかさ
まに下の方に落ちていく感じ。
そして、そのまま意識がなくなっていた。
気がつくと、健次、慎司も自分の横にたおれていた。
「ここは、どこ?」
なにか、おかしなことがおこったらしい。倒れている二人を見た。
補充問題 空いているところをいれ、表を完成させ、決まった数を求めましょう。
|
1 |
時 間 (分) 一方の値 |
1 | 2 | |
4 | |
水の深さ(p) 他方の値 |
2 | | 6 |
8 | 10 |
|
[決まった数] |
|
2 |
時 間 (分) 一方の値 |
1 | 2 | |
| 5 |
水の深さ(p) 他方の値 |
8 | | 24 |
| 40 |
|
[決まった数] |
|
3 |
時 間 (分) 一方の値 |
1 | 3 | |
7 | |
水の深さ(p) 他方の値 |
3 | 9 | 15 |
| 27 |
|
[決まった数] |
|
4 |
時 間 (分) 一方の値 |
1 | 5 | 10 |
| 20 |
水の深さ(p) 他方の値 |
5 | | 50 |
75 | |
|
[決まった数] |
2)ロッドマンの笑い声
突然、笑い声が聞こえだした。
「ヒイヒイッヒイッヒヒ・・・・・」
その声は、いままで聞いたこともないような不気味な声だった。
「慎ちゃん起きてよ−」,「健ちゃんおきてよ−」
と、二人を揺り動かすが、二人ともなかなか気がつかない。どうやら相当なダメ−ジを
うけているらしい。
その不気味な声は、次第に大きくなってきた。
「ヒイヒイッツヒヒヒッ・・・・・」と、大きくなっていく。そして、耳をつんざくよ
うな音になった。そして、・・・・・
しかし、その次には、何もしなくなった。
綾は、一層不安になってきた。そして、頭ががんがんしだした。その声の大きさは、
時間がたつにつれて大きくなっていき、消え、そしてまた聞こえだすのだ。
今度は、突然闇のなかに、何か、光った点みたいなものが現われると、少しずつ大き
くなってきた。
2秒、3秒、時間がとても長く感じられる。しかし、確実に大きくなっていく。何や
ら、時間と比例して大きくなってくるようだ。
5秒、6秒、7秒、その姿も大きくなっていく。
そして、「ヒヒッツヒッツ・・」という笑い声も大きくなっていく。
「ロッドマンだ」,「ロッドマンがいる」
と、綾は思った。その姿がはっきりしてきた。ロッドマンが登場したのだ。
茶色の髪の毛、首には、金のネックレスをし、はなひげを薄くのばし、腕には刺青を
し、ランニングシャツには大きくUSA、スカイブル−の短パン、足にはブレスレット
をして、そして、エア−マックスをはいてる姿はロッドマンだった。
ロッドマンがなにやら叫んでいる。しかし、聞こえない。
突然その下に何やらメッセ−ジが現われた。どうやらスクリ−ンにロッドマンの映像
が映っているらしいのだ。
さて、ここで、問題をしてみよう。
ロッドマンの姿がだんだんと大きくなってきました。
その身長を図にしてみると次のように変わっています。
ロッドマンの身長と時間
時間 | 0秒 |
1秒 | 2秒 |
3秒 | 4秒 |
5秒 | 6秒 |
身長(p) | 0 |
20 | 40 |
60 | 80 |
100 | 120 |
比例しているかどうか ( している していない )
している場合は, 決まった数はいくら? ( )
問題1 | 身長と時間は比例しているでしょうか。比例しているときは、
決まった数がいくつになるか見つけましょう。 |
補充問題
1 正方形の一辺の長さとまわりの長さ
一辺 | 0 |
1 | 2 |
3 | 4 |
5 | 6 |
周りのながさ | | | |
| | | |
比例しているかどうか ( している していない )
している場合は, 決まった数はいくら? ( )
2 正方形の一辺の長さと面積
一辺 | 0 |
1 | 2 |
3 | 4 |
5 | 6 |
面積 | | | |
| | | |
比例しているかどうか ( している していない )
している場合は, 決まった数はいくら? ( )
3 1本60円の鉛筆を買うときの本数と代金
本数 | 0 |
1 | 2 |
3 | 4 |
5 | 6 |
代金 | | | |
| | | |
比例しているかどうか ( している していない )
している場合は, 決まった数はいくら? ( )
4 分速70メートルで歩くとき、歩いた時間と距離
時間 | 0 |
1 | 2 |
3 | 4 |
5 | 6 |
距離 | | | |
| | | |
比例しているかどうか ( している していない )
している場合は, 決まった数はいくら? ( )
綾だけが意識が回復がしていたのでなく、慎司も健二も、実は気がついていたのだ
った。
うっすらと目をあけて、その様子を観察していたのだった。健二が突然立ち上がり、
「いくぞロッドマン」
と、叫びポケットにもっていた石をロッドマンめがけて投げた。
その石はロッドマンの顔面に的中する。
すると、ロッドマンの顔に少しずつひびが広がっていき、そしてそれが全身へと拡大し
ていった。
「ザザ−ザザ−」という音ともに、ロッドマンの姿は見えなくなった。
「綾ちゃん、大丈夫だったか」と、慎司も、健二も声をかけた。
「何よ、あんたたち知らん顔して、わたしが起こしてやったのに」
と、綾は怒っているようだ。けれどもその顔は笑っている。
あそびだよ。ロッドマンの顔、姿を想像して描いてみよう。
|
ずっと遠方に何か見える、どうやら今度は本当に光らしい。
「あそこまでいってみようか。」と健二がいうが、
「どうやら、僕らはビックリハウスに入ってしまったらしい。慎重に行動をし
なければ、これから何がおこるかわからないぞ」
と、慎司は押しとどめた。
パッと点の辺りが明るくなると、全体も明るくなってきた。
光が見えていたのは、どうやら長い廊下、通路の先らしいのだ。
「通路の中に何かしかけがあるかもしれない」
と、慎司は感じた。
3)ロッドマンの攻撃
しかし、通路の中を通らなければでれそうもない。このままいると、ロッドマンの
第2の攻撃が来そうな気がしていた。
ゆっくりしている余裕はない。3人は決断をした。3人みんな一度にいくのでなく、
一人一人行こうと。そうすれば、3人のうち誰かが、通過できるのではないかと考え
た。
まず第1にいく役は、健二に決定した。
「よ−し、まずおれがかけぬけてやるぜ。」
と、健二が通路の中に飛び込んでいった。
健二が、走っていく。通路の高さは2mほど、同じように高さも2mほどだった。
通路の中に入った途端、何か冷たいものが足にかかってきた。
「水だ。また水が入ってくる。どうやらトンネルの中に水を入れてきたらしいのだ」
その水は、もうれつな勢いで増えている。
「早く。早くかけぬけなければおぼれてしまう。」
と、健二は必死に走る。
水の深さと時間は次のようになっているらしい。
1 時間と深さの関係の表
時間 (秒) |
1 | 2
| | 4 |
| 6 |
水の深さ(p) |
20 |
| 60 | |
100 | 120 |
@まずは、あいているところに数字を入れてみよう。
健二は、走りながら必死に考えた。
時間を秒、水の深さをpとして、比例する関係を式に表わしていくと水の深さ
=20×時間ということになる。
それを と を使った式であらわすと、
水の深さが で、え−と時間が で それで
=20× になる。
と、健二は考えた。
「ひらめいた。 = 決まった数× だ。これでどんな問題も解いて
いけるぞ。これが比例する関係を表わす式なんだ。」
「つまりこの水は、10秒でいっぱいになるのだ。」
もう胸の辺りまで水が来ている。健二の手が出口に届いた。そこに手をかけよじ登
って、向こう側にはいりこんだ。
補充問題
1) 1本60円の鉛筆を買うときの本数と代金
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
本数(本) |
1 | 2 |
| 4 |
| 6 |
代金(円) |
| |
180 | |
300 | |
式 =
2) 分速70mで歩くとき、歩いた時間と道のり
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
時間 (分) |
1 | 2 |
3 | |
5 | 6 |
道のり(m) |
70 | |
| 280 |
| |
式 =
3) 1mあたり120グラムの針金の長さと重さ
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
針金の長さ (m) |
1 | 1.5 |
2 | |
3 | 3.5 |
重さ(グラム) |
120 | |
240 | |
360 | |
式 =
4) 鉄の体積と重さ
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
鉄の体積( ) |
2 | 3 |
4 | 5 |
重さ(グラム) |
15.6 | |
31.2 | |
式 =
次は、綾だ。
「綾ちゃん。水に気をつけろ。水で攻めてくるぞ。」
と、健二の声が遠くから響きながら聞こえる。
「わたしは大丈夫よ、スイミングに今でもいっているよ。水の中なんか平気よ」
と、綾も通路のむかってとびだしていった。
「シュウ−・シュウ−・シュウ−・・・・」、音がしだした。
「そらきたわよ。水がきたね。何さこんなもの」
しかし、どうも足もとが冷たくなってこない。それよりも、首のあたりが暖かくなっ
てくる。
「おかしい。水ではないぞ。どうやら、これは熱だ。熱の攻撃だ。」
「熱い!!熱い!!急いでここを駆け抜けなければ。」と、綾は思った。
「時間があまりない、この勢いで、熱を吹き込まれると、息ができなくなっ
てしまう。」
「何かいい解決策をみつけなければ、そのためには、まず第1に熱と時間の関係を
見抜くことだ。どれくらいの量が1秒間でているのか考えていくのだ」と、綾はすぐ
に考えた。
綾が見つけた時間と温度の関係は比例していた。それは次のように表に表わされ
る。
時間と温度の関係
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
時間(秒) |
1 | |
3 | 4 |
| 6 |
温度 |
5 | 10 |
| 20 |
25 | |
式 =
綾はその表をみていて気がついた。
「そうだこれはグラフにしたらよくわかるわ。でも今はできないけどね。むこうにた
どりついてからにしていこう。」
綾は、口にハンカチをあてながら進んでいった。温度がだいぶあがってきている。も
う40度をこえているようだ。熱い。でも出口までいかなければ。
「綾ちゃん、頑張れ」という声が聞こえてくる。どうやら慎司の声らしい。
「しんちゃん。熱いよ。これでは、丸焼きにされてしまうよ。」
と、綾も応答しながら進んでいく。
「頑張れ綾」と、健二のこえも聞こえてきた。どうもそっちのほうがずいぶん近い。
「もうすぐだ。もうずぐででれる」と、綾は気力をだしていった。
向こうに健二の姿が見えた。綾はそこ飛び込んでいこうとした。しかし、入れない。
透けているが壁がある。最後の力を振り絞り、その透けている壁を目がけて飛び込んだ。
「やった−、あやちゃん。よかった!!よかった!!」と、健二が抱きついてきた。
「何よあんた。エッチ。」綾は健二をにらみつけた。
それから、さっき思いついたことを考えはじめた。
「健ちゃん、さっき思いついたんだけど、比例の関係を表わすやり方でいい方法がある
の思いついたのよ。」
「それはどんなことだ。どうせ綾ちゃんの考えることだ。たいしたことないよな。」
「しっかり聞いてよ。グラフをつくったらわかるじゃないかな。」
「ふ−ん、グラフね。」と、健二も少しのってきた。
時間(秒) |
1 | 2 |
3 | 4 |
5 | 6 |
温度 |
5 | 10 |
15 | 20 |
25 | 30 |
「この表をグラフにしてみようか。そしたらよくわかるよ」
「グラフはね、まず
| @ |
横軸、縦軸をかく(人間でも軸がなかったらダメだもんね) |
| A |
横軸と縦軸の交わった点を0としていく。(0からの出発) |
| B |
横軸に の値(数字)を、縦軸に の値(数字)を、
1、2、3・・・・とめもっていく。 |
| C |
対応する 、 の値の組を表わす点をとる。(点を書く)
グラフのなかに。 |
「ヘ−、難しいことをいったね。そんなややこしいことができるんか。」
と、健二は、いっている。横軸だ、縦軸だ。値だ。対応する。ということばがややこ
しくくてそれだけでまいってしまうのだ。
「頭のなかで考えていても、わからないじゃありませんか。わたしは、じっさい手
をうごかしてやってみたほうがよくわかるのであります。」
と、健二は少しふざけていっている。
「そうね、最初から難しいことはできないわね。健ちゃんにはもう少しやさしい所
から出発したほうがよさそうね。」
綾は、全部自分がわかっているかのようにいっている。
(まず次のペ−ジでやさしくグラフをかくことをやってみよう。)
問題
時間(秒) |
1 | 2 |
3 | 4 |
5 | 6 |
温度 |
5 | 10 |
15 | 20 |
25 | 30 |
グラフ
補充問題
1) 時間と水の深さ
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
式 =
グラフ
2)時間と道のり
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
時間(分) |
1 | 2 |
3 | |
5 | |
道のり(分) |
20 | 40 |
| 60 |
| 120 |
式 =
グラフ
3)長さと重さ
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
式 =
グラフ
4)時間と温度
@ あいているところに数字を入れましょう。
A 比例する関係を式で表わしましょう。
時間(秒) |
1 | 2 |
3 | 4 |
5 | 6 |
温度 |
3.5 | 7 |
| |
17.5 | |
式 =
グラフ
綾もどうやら抜け出せた。残ったのは慎司だけになった。
遠くのほうから
「しんちゃん、早く来い。待っているぞ」
と、健二や綾の声が聞こえる。
「ぼくは、秒速8mで走れる。あのトンネルをぬけるのには、ほぼ8秒もあれば通り
ぬけていける。」
慎司は前方のトンネルをみすえた。
「あれ!目の錯覚?少しずつ縮んだり、のびたりしているのではないかな。おかしい
ぞ」
慎司は、じっとトンネルを見つめた。
確かに、そのトンネルは動いているのだ。ギシギシギシと音をたて、だんだん小さ
くなっていく。そして、その穴の入り口が点みたいになった時、「バ−ン」という音
をたてて、赤い光とともに大きくなっていくのだ。
「なんていうことだ。こんなことがあるのか。」
「もう一回じっくりみてみよう。何かわかることがあるかもしれない。」
何回も何回も繰り返されることを慎司はみていた。
穴が開いたときに、遠くから綾や健二の
「しんちゃん、早く来いよ。どうしたんだ」
と、少しイライラした声が聞こえる。
「そんなこと言ったって、こんなの通れる筈がないよ。」
「途中でするめどころか。うえから下から横から挟まれて、鹿のふんにされてしま
うよ。どうしたらいいんだろう。」
途方にくれていた慎司だが、幾度も幾度もその穴の「縮み、そして元通りになる」
という繰り返しをみていると、あることがわかってきた。
それは、同じようなサイクルで運動しているようだ。
「縮んでいく。1秒、2秒、3秒、4秒・・・・・・・・10秒・・25秒
バ−ン!!そして、元どおりだ。」
「これがわかればしめたものだ。ぼくの足でも駆け抜けることができる。」
「1秒で8m,2秒で16mそして、3秒で・・・・」
と、頭のなかで計算していった。どうやら通れなくなる前に抜けれることができるら
しい。穴の長さは100mを少しこえた程度だ。
慎司は決心をして、穴が大きくなったと同時に飛び込んでいった。
慎司は無事に向こうまでいくことができるでしょうか。
表、式、グラフでみてみよう。つくってみよう。
秒速8mの慎司の走りと距離
式 =
グラフ
補充問題 1 2 3 4