1−2−1 そこはビックリハウス!!
「しまったな。なにかおもしろいことがおこりそうだったのになあ。」
と、健次が残念そうにいった。
その時、綾は10メ−トル程前の空き家になにか人影をみたのだった。
「あれ、その家はだれもいないはずよ。だれかいる。」
「どこにいるんだよ。誰もいないはずだよ。綾、それは目の錯覚というものだよ。」
と、慎司がいった。
「おい、慎ちゃん、本当に誰かいるぞ」
と、今度は健次が言った。
三人は、その空き家の前まで来た。
「おい、慎ちゃん、この家は、誰もいないはずだよ。おかしいじゃないか。」
「それもそうだね。このビックリハウスは、だれもすんでいないのね。」
と、綾もうなずく。
このビックリハウスと子どもたちが呼んでいる家は、真っ黒な家である。そして、
窓は一つもなく、ときおり中から奇妙な音が聞こえる家であった。
「なにかおもしろいことが起きそうだな。ヤッホ−!!」
と、健次が胸をわくわくさせている。
「おい慎ちゃん、中にはいってみようぜ。」
と、健次がふざけて、慎司の肩を強くド−ンと押した。
その勢いに、やせた慎司のからだは、ふっとばされドアに向けてぶつけられそうに
なった。慎司が手をだした拍子にドアを押してしまった。
すると、ドアがあき、慎司の体はビックリハウスの中に。いつもは開かないはずの
ビックリハウスが、簡単に開いてしまったのだ。
三人は、おそるおそる中をのぞいてみた。
問題 ビックリハウスはどんな家でしょうか?想像して描いてみよう