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北海道旅行のポイント



 この夏休み、思い切って北海道に旅行してきました。女房と子ども3人、そして愛犬をつれてのドライブ旅行です。しかし、まともにこれだけの家族が北海道を旅行してしまうと、とんでもない費用がかかってしまいます。そこで、いろいろな人の話を聞きながら、通常かかる費用の半額を目指して、計画してやってみました。そして、実際にそれに近い費用でやれたわけですが、そう不満なくできたのでそのポイントをまとめてみました。
 しかし、旅にはいろいろなスタイルや考え方があります。もし、家計が許すなら飛行機で移動して、ゆったりとホテルで過ごすというのもいいと思います。単に安くあげるのでなく、そこに何か目的を持たなければ、不満が残ってしまうと思います。もし、本当に何も考えずゆったりしようと思ったら、金をかけるしかないでしょう。
 私にとって金をかけない意味は、キャンプをして、子どもにいろいろなことを手伝わせ、そこからコミュニケ−ションをとりたかったからです。ですから、親のほうは情報収集やら何やらで、けっこうたいへんでした。そして、いくつかわかったことが以下のようなことです。



1,情報収集は多様な方法で

 北海道は広く、どこへ行こうかは迷うものです。そこで、最初に旅行社へ行き、北海道旅行のパンフレットをもらってきました。旅行社のパンフレットは短期間に効率よく回るよう計画されていますし、どこがお勧めかもよくわかります。それで、計画の骨子をつくりました。
 さて、問題は宿とキャンプ場探しです。安く上げるにはここが一番のポイントとなります。
宿はまず素泊まり可能な公共の宿を使うことです。というのは、ビジネスホテルは安いですが、5人だと部屋が分かれてしまいます。
また、北海道はライダ−のために一泊1500円という宿も多くありますが、家族旅行という性格上なじみません。それで、公共の宿の和室を探すわけです。
 また、貧乏旅行といっても、宿の質を下げすぎると疲れが残り、旅行がつまらなくなってしまいます。その点、公共の宿はけっこうしっかりした設備のところが多く、また北海道という土地柄、温泉を持っているところが多いのも利点です。
 今回よかったのは釧路の「エスカル釧路」です。釧路の町中ですから、温泉はありませんが、何より立地条件が最高。駅のすぐ近くにあり、名所「和商市場」もすぐそばです。
公共の宿を見つける方法は、書店に多くの本が出ていますから、1冊買っておけば北海道旅行に限らず、何かと便利です。
本で意外と調べられなかったのはキャンプ場です。北海道のキャンプ場の本はまったくといってほどなく、近所に大きな書店もなく、本ではまったく調べられませんでした。
 ここで大活躍したのはインタ−ネットです。キャンプ場情報は多くあり、かなり細かく資料が掲載してありました。私が一番重宝したのはチャネル北海道というサイトです。ここでは、細かくキャンプ場が紹介してあり、また地図や連絡方法などもあって、ここから連絡をして決めました。

2,キャンプをしよう

 チャネル北海道を見てわかったことだけれど、北海道はキャンプ場が多く、温度もこの時期だと涼しいくらいでちょうどいいのです。
最初、寒いくらいかと思っていたけれどちょうどいい気温でした。しかも、湿度も低く過ごしやすく、また蚊などにも比較的悩まされなかったと思います。ただ、一度犬を散歩させているとき、蜂の巣に近づいたらしく、蜂に襲われたのには参りました。幸い、刺されてもそう痛い蜂ではなかったので助かりましたが、注意書きがあったのに気がつかなかったゆえの失敗です。
 利用料金は、家族で1000円から2000円と格安です。しかも国営から民営までいろいろあります。インタ−ネットで情報を仕入れておけば、いいキャンプができるでしょう。
 キャンプ場を使うとき注意したいのは、できるだけ早い時間に行って、いい場所を確保することです。夕方暗くなってからのテントの設営というのも大変ですし、最悪の場合、いっぱいで入れない場合もあるからです。まあ盆の時期でなければそこまでなることはないでしょうが、この時間を計画の中に入れておかないと、北海道は広く、移動の時間がかなりかかりますから、ゆとりがなくなっていらいらしなければならなくなってきます。
 意外だったのは、キャンプ用品の値段が安かったことです。旭川で別の用事で立ち寄ったdiy店では、前日に9800円で買っていたコ−ルマンのガスコンロが6800円で出ていました。それで、シュラフを一つ予備に買ったのですが、これもとてもいいものでした。しかし、買い物というのはあっという間に時間が経つものです。ですから、現地で用具をそろえるようなことはあまり考えるべきではないでしょうが・・・。

3,フェリ−を使おう

 北海道へ行くとき、フェリ−を使う人は多いと思います。このフェリ−は、1日半も乗っているので、ここをどう過ごすかはけっこう大事です。私は、このフェリ−についてあまり重視してなかったので、ただ長いなあくらいにしか思っていませんでした。
 けれど、結論から言えば、フェリ−は揺れなければ楽しい乗り物だということです。
 知人によれば、小樽と舞鶴を結ぶこのフェリ−は、何隻かがロ−テ−ションを組んで順番に航海しているとのことで、いい船旅にするには新しい船に乗るようにすることだと言っていました。
 その船は「らべんだ−号」です。私は、かなり遅くなってから申し込みをしたので、この船の予約は取れないものと思っていました。
ところが、ここしか空いてませんと言われて取れたのが、行きも帰りもこの「らべんだ−号」でした。みんな、船で予約するのではなく自分の日程の都合で予約するからでしょう。ラッキ−でした。実際、帰りは台風11号の近くを通過したのですが、だれも船酔いした人はいませんでした。
 フェリ−の中では、サウナ、プ−ル、スポ−ツジム、大浴場、ゲ−ムセンタ−、子ども部屋などの施設、そしてゲ−ム大会、クイズ大会、カラオケ大会、ビデオ、映画、そしてラウンジや喫茶コ−ナ−、売店、休憩室などの部屋やフロアなど、そうあきることはありません。むしろこどもなどは観光より、こんなフェリ−の方が楽しかったようです。
 売店やレストランも良心的な値段で、営業をしてくれています。
 しかし、だからといってここで外食ばかりしていると、食事の回数が多いだけにその金額は大きなものになります。
 そこで、カップラ−メンとク−ラ−ボックスが大活躍することになります。
 行きはよくわかりませんでしたから、帰りはカップラ−メンやらパンやらをたくさん買い込み、ク−ラ−ボックスには新鮮な魚や野菜類を入れ乗り込みました。
 船内の湯沸かし室で使えるお湯は本当に熱く、2等船室の客などはそうするのが当たり前くらいの感覚で時間になると湯沸かし室ではカップラ−メンにお湯を入れる人でごったがえしていたのです。船内ではカップラ−メンなどの販売はしていませんし、おやつやパンもあるにはありますが、船の中ということで種類は多くありません。事前に買っておくべきです。

 ほかにいくつかフェリ−で快適に過ごすにはいくつかこつがあります。

まず、出港すると車に戻ることができません。あらかじめ客室に持っていくものは、要領よくまとめておくことが必要です。
ドライバ−は車に乗って乗船しますが、他の家族などは別の入り口から乗船します。ペットはその家族といっしょに行動することになります。私の犬はゴ−ルデンレトリ−バ−で比較的辛抱強い犬ですから、おとなしく並んで待てますが、そうでなければそこはちょっとたいへんでしょう。そして、改札を通って船にすぐの場所がペット室で、そこに入れておくことになります。排泄物の世話は、係りの人がやってくれます。食事や水は飼い主が時間になれば、受付で鍵を借りてペット室に行き世話をします。ですから、そこには食器などを持っていっておくことが必要です。
 客室に持っていくものは、出港までのしばらくの時間は車のところへ行けますから、乗船してから取りに行っても間に合います。

 問題は、どのランクの部屋を予約するかです。結論から言えば、安く家族で行くなら2等寝台(9220円)です。さらに安くいくなら2等和室(6710円)があります。2等和室は客の数が少なければ広々と使えることもあります。しかし、いっぱいだと寝返りもできないほどの中で寝なければいけません。若い学生などは体力もあり、見知らぬ友人もできてむしろお勧めですが、悲しいかな家族を抱えた父親は翌日からの運転のことも考えると、寝台を確保しゆっくり寝ることも考えなければならないでしょう。
 注意が必要なのは、この寝台の指定は乗船後、船内の受付で行われることです。つまり、早く終わりのころになると、家族がかたまって寝台を確保することができなくなるばあいがあることです。寝台は、いろいろな施設が近いところから埋まっていきますから、そうとびとびにもならないでしょうが、私の場合、出港90分前には乗船手続きをしに港に来てくださいと言われ、実際に学校の都合で早く出られなかった関係でぎりぎり90分前に到着したときにはもう一番終わりの方でした。早めに港に着いておくことが必要ですね。そして、おまけですが船内はよくあっちこっち移動しますから、できればスリッパで入ったほうが楽だと思います。また、船内のサウナは水着着用ですから、水着も一応用意しておくといいでしょう。

1等とかは、値段に応じてよくなりますが、安く上げることがここでは目的なのではぶきます。


4,食料は市場で調達

 北海道といえば、誰でも新鮮で安い魚介類や乳製品を楽しみにしているはずです。それを目いっぱい楽しむには市場やス−パ−を利用することです。残念ながら、どこでもそうですが,観光化が進んだところでは観光客相手の値段になっている地区があり、意外と高いと感じることがありました。たとえば、釧路といえば有名な和商市場がありますが、正直なところ高いと思いました。
 
 私はメロンが好きで、いくつかあっちこっちで買いましたが、一番よかったのはその和商市場の近くのス−パ−の長崎屋です。ここは当然地元の人が買うところですから、贈答用の高いメロンもありますが、普通に食べるものもあります。一番驚いたのは地元の大きなメロンがなんと398円。だまされたと思って買いましたが、これが和商市場の最高級品と言われて試食したものよりおいしかったのです。また、途中よった弟子屈のス−パ−では聞いたこともないような魚まで安く売られていて、近くのレストランに入るのをやめて、いろいろな魚を買って、ご飯は電子レンジでチンするものを買ってチンして、弁当を作り食べましたが、これもいい味でした。
 というのも、北海道は本当に自転車やバイクで観光する若者が多く、彼らのためにそうした安く食事できるようにしたス−パ−やコンビニが多くあり、そうした自分で弁当を作ることができるようになっているところが多く、それもけっこうおいしいものがあるのです。

 一番のお勧めの市場は小樽の友鱗(ゆうりん)市場です。小樽運河の一番奥にあり、魚介類を売っていますが、本当に新鮮なものが本当に安く売っています。まぐろやうに、いくら、いかそうめんなど絶品の味と言っていいでしょう。舞鶴からフェリ−が到着するのは午前4時ですが、これはちょうど市場が開いた時間ですから、港を出たすぐにコンビニありますから、そこでご飯を調達し、小樽運河を一番奥までいけば市場がありますから、おかずを手に入れ、もう一度港に戻ると、港にくっついて公園がありますから、海を見ながら最高の朝食をしてください。また、小樽から舞鶴へ帰るときは、ク−ラ−ボックスを用意して市場へいけば土産によし、食べてよしの魚介類が安く手に入ります。

5,ただの温泉に入ろう

 北海道といえば、自然、魚介類の次は温泉です。
 ホテルや旅館では泊まらなくても、お風呂だけでも有料で入れてくれます。しかし、その料金は安くても300円。数百円のところがざらです。けれど、北海道は露天風呂ならぬ野天風呂がいくつもあります。ここを利用すればいいのです。
 中でも有名なのは、羅臼の熊の湯です。脱衣場はありますが、周りは一部を仕切っただけです。
そこに入っていると、塀の向こうはどうなっていると覗いた女性のライダ−がいて、私はすっぽんぽんですから、覗かれてしまいましたが、大自然の中の気安さでしょうか、何も気になりません。
 ここは、女風呂の仕切りはきちんとしているらしく、珍しく女房も入っていました。
 屈斜路湖のほとりは、そうした野天風呂がいくつもあります。砂湯というのは、ほとりの砂地を掘ればお湯が出てきます。しかし、どうもきれいではないので、入ってもあまり気持ちよくはありません。
そこで近くにコタン温泉という野天風呂があります。ここは、脱衣場はあるのですが、そこから湯船までは何もなし、駐車場から見えるのです。
 夜に入りに行ったら、やっぱり今の時代、女性もいるんですねえ。というのも、ここは水着可のお風呂なので、水着できゃっきゃっ言って女性たちも入っていました。すると、当然のごとくそれを目指してやってくる男たちもいて、もうナンパの名所という感じでした。そこは、男湯と女湯というのは、一応あるのですが、大きな石が置いてあるだけで、ほとんど混浴と言っていいでしょう。もちろん管理人がいるわけでもありませんし、24時間完全フリ−なわけです。けれど、昼間まったく何もつけずに女性が入るというのは絶対にないなと思っていました。
 そうしてあくる日、雨に降られて少し体が冷えた私は、もう一度コタン温泉に入ってから、移動するつもりで朝の9時に温泉にいきました。駐車場に車を止め、外に出て温泉の方を見ると雨に向こうに見えるのは女湯です。すると、人影があります。そして、いきなり立ち上がりました。するとびっくり。女性です。しかも、どこも隠さずそのままの姿です。距離は20mくらいはなれていますから、はっきりは見えませんが間違いありません。思わず見間違いではないかと、目をこらして見ましたが、外人さんでした。
 さすがは開放的なものですね。
 まあ、女性がいるから入らないというのも変なので、私は近づいて普通にお風呂に入りました。
というのも女性は、湯船に入ってあとは男湯からは見えない位置に移動していたからです。彼女は、風呂から上がるとき、ちらっと彼女の方をみましたが、30代前半というところでしょうか。まあびっくりしました。
 こんな具合で、野天風呂というのはハプニングもあって楽しいものです。
それから、知床へ行ったら必ずカムイワッカの滝に行ってください。湧き出た温泉が川になり、滝となってオホ−ツク海へそそいでいます。この湯が流れる川を裸足で20分くらいさかのぼると、滝壷がそのまま温泉になっています。これは、本当に不思議な気分になれます。



まとめ

 日本の中でも、意外と北海道は安く旅行できるところではないでしょうか。。それは、多くの若者が自転車やバイクで回っていることによってもよくわかりますし、またそういうライダ−をできるだけ受け入れようとしている施設が多くあることからもわかります。
 実際今回の旅行でも、かなり安く行けましたし、だからといってそう不満があったわけでもありません。
 しかし、何でもそうですが、やってみて初めてわかることも多く、もう一回行けばもっといい旅行ができるだろうとも思います。
 課題は、あの北海道の広さです。移動にすごく時間がかかり、ゆったりと見て回るにはかなりの時間が必要です。ここをもう少し工夫すれば、さらにいい旅行ができるのでは思います。
 ただこうした旅行をすることで、修学旅行方式の大人数で、いたれりつくせりの旅行スタイルが崩せればと思います。日本人のそうした頭を使わず金を使う旅行のスタイルは、観光化した地域を荒らしてしまう一面をもっていますし、日本人が持っていた旅の伝統を失うことになるのでは思います。
 一人旅をしている若者が多くいた北海道はそうした点で、日本の若者のはまだ捨てたもんじゃないとおもえました。