BMW K1100RS インプレッション 
このインプレッションは1994年の購入直後、NiftyServeの会議室、
アウトライダーパティオの【静岡苺狩りオフ】に参加した時の往復
のツーリングレポートを兼ねて書き、 アウトライダーパティオ・
ミーティングの部屋に書き込んだものをそのまま掲載したものです。
比較の対象が"FZR1000"である事また"ZZ-R1100"や"CBR1000F"
の様な国産高速ツアラーには乗った事が全くありません この事を最初
に述べなければならないでしょう。少々長くなりましたが興味のある
方 は御一読ください。m(__)m

 

01591/01592 JAC03010 ア レックス BMW K1100RS インプレ 往路篇(125行)

( 1) 94/03/26 06:34

 

-----ア レックスは雨と共に…(^_^;)

3/12,AM8:20。出発前に夕べ思いついた無線機のセッティング・ステーの改良を行った

為、予定より20分遅れて出発をする事になる。雨は既に降っている、今朝の天気

予報では静岡への道中全線雨の様相、楽しいツーリングになりそう。(ーー;)ユウツ

 

まず、暖機運転だがサイドスタンドを出したのではエンジンが始動できない構造に

なっている。したがって、いちいちメインスタンドを立てないとエンジンを始動して

おく事が出来ない、少し邪魔くさく感じるんだなこれが。(~_~;)

暖機間にパニアケース、タンクバックを着け雨具を着る。

サイドスタンドに国産車でのキルスイッチがある、BMWのキルスイッチはと言うと

これをOFFにするとメインスイッチをOFFにするのと同じ役目をする。

 

メーターを覗き込むとブレーキのランプが点灯、ABSのランプが点滅をしている、

ブレーキランプのチェックとABSのシステムチェックの為で有る。前後のブレーキ

を作動させブレーキランプが正常に点灯すればチェック終了でチェックランプは消え

る。また、ABSチェックランプは前後のタイヤが一回転する間にシステムのチェッ

クを行い異常なければ点滅が消える仕組みになっている。

 

程なく暖機が終了いよいよ発進、クラッチを握りギヤを入れる。クラッチはワイヤー

式で実に軽い以前の油圧式とは格段に軽い、乾式単板と湿式多板との差も有るのだろ

うか、とりあえず軽い、すっごい楽これで渋滞も楽し…くないか。(^_^; ヤッパリ!

ギヤのタッチはどうかと言うと、これは「多少軽いかな」でそうそう変わりはないが

程よいストロークで実に良い感じがする。

 

市街地を抜け京都へ向けてR9に乗る、朝で雨が降っている事もあり交通量は少ない。

走り出しての感想は実にナチュラルでイージーなバイク。国産から乗換ても何の違和

感もなく実にスムーズに乗換が出来る。"K1100RS" をカメラに例えるなら「高級一眼

レフ」、「高価なバカチョン」と言う感じだろうか。それに対して"R1100RS" は「マ

ニュアル重視の一眼レフ」と言った感じになるのかな。この"K1100RS"は立て置き直列

4気筒エンジン、「R」シリーズ特有の空吹かしをした時に「グラッ!」と車体が傾

く事は全く無い、また、シャフトドライブ特有のトルク反動も感じない。

 

走り出して約40分、京都との中間点「須知(シュウチ)」を通過する。雨は相変わらず

降っているが今の所まだ強くなる感じは無い。須知を過ぎると最初の峠「観音峠」に

さしかかる、ハンドリングはどうだろうか?。"FZR1000" よりも30kg重くなっている

がその差は感じない、実に軽く素直である。そして明らかに違うのは"FZR1000" に見

られたリヤステアで無い事。この違いはハッキリと理解できる、バイク全体を使って

コーナーリングしていく感じが伝わってくる。そーいやぁ、初めて乗った"CBX400F"も

こんな感じだった様な気がして、実に懐かしく楽しい気分にさせてくれる。また、

"FZR1000" で感じたウェット路面での不安感が無い、雨が降るとバイクを倒し込むのに

不安を感じたがそれが無い。特にカーブした橋の継ぎ目(鉄の帯)等は非常に緊張を

したものだが、多少の不安は残るもののそれ自体もかなり軽減されている事に気がつ

いた。雨でも走る事を楽しくさせてくれる、こんな気分は久ぶりだなぁ。(^o^)

 

峠を過ぎ園部町(ソノベチョウ)にはいる、時間はAM9:10。この分だと京都へはAM10:00過ぎ

に着くだろう。次第に車の量が増えてきた事に気がつくが流れは順調。園部を抜け

八木町(ヤギチョウ)を過ぎると亀岡市(カメオカシ)にはいる。今回は京都縦貫道は使わず二つ目

の峠「老ノ坂」を走る事にする。次にエンジンのフィーリングはと言うと、"FZR1000"

よりもエンジン回転の上昇が鈍い、そうかと言って決して遅いと言うのではなくレー

シーな敏感さはないものの必要にして充分なフィーリングである。バイクのエンジン

というよりも車のエンジンと言った方が分かりやすいだろうか。単純に速さだけを比

べると断然"FZR1000"の方が速い。

 

峠を抜けると京都の町がにわかに広がる。時間はAM10:10頃だったろうか計算通りに

走ってきている。朝から雨のなか京都まで約2時間走ってきたが、寒さはそう感じな

かった、グリップを握る手にも直接風が当たる事はない、ウィンカーランプとミラー

の一体になったカウルの整流効果なのだろう手が冷たくならないのは非常にありがた

い。グリップヒーターは未装着である。

 

予定ではこのまま京都東ICから名神高速に乗る事になっていたが、京都までの間に

スピードメーターの曇りに気づき、初期不良を訴える為BMWディーラーへ立ち寄る

事にした。ディーラーで状況を説明したところ、「"K-RS" シリーズには寒い時期に

良くある結露現象で、雨が入っているのではなく、しばらくすると解消します。」と

あっさり言われてしまった。その後は説明を受けたとおり出なくなった。

 

AM11:00、予定より約1時間遅れて京都東ICより名神高速に乗る。京都南ICの方が近い

のだが、市街地走行を少しでも多くする為あえて遠回りをした。いよいよ、初めての

高速走行だ、やはりBMWは高速をロングランしてこそ、その良さが現れてくるはず。

ウキウキしながら料金所を過ぎるがやっぱり雨は降っている。いよいよ本線に合流、

何時もここは混んでいる今日も例外では無かった。まず大津SAで休憩をとる事にする。

ここで、狸(MAMAI)氏に電話をいれ浜松方面のお天気を聞く。「だんだん雲行きが怪し

くなってきた。」との事。予想はしていたがガックリ、「午後から晴」の淡い希望は

もろくも崩れさった。暫しの休憩の後本格的な高速走行に入る。

 

AM11:20、大津SAを出発する。加速車線を加速しながら本線へ合流、慣らしの第1段階

でもあり100km/h〜110km/hぐらいで巡航する。関ヶ原付近にさしかかると少し雨が強く

なってきた、京都・名古屋は降っていなくてもここは良く降る所だ仕方がない。高速を

しばらく走って感じたのはやはり「楽」。肉体的にも精神的にもストレスが少ない、

まるで一般道を普通に走っているそんな感覚である。ハンドリングも、エンジンのレス

ポンスも殆ど変化がない、バイクの嫌な振動も無い。直進安定性も抜群どっしりとした

感じで走っていく、しかし重い感覚は無くレーンチェンジも思った時にスムーズに行え

る。「実に普通」かなぁ、なんて自分でどの様に表現したら良いのかあれこれ考える。

 

やがて名古屋を過ぎる、雨は弱まるどころか徐々に強くなっている様だ。上郷SAにて

最初の給油を行う。現在までの走行距離は290km、郊外の幹線国道有、市街地走行有、

高速走行有と一通りを走り抜き、お決まりの走行テストみたい。燃費はハイオク使用で

19.3km/l、なかなか良い数値が出た。満タンで22リッター入るタンクとあいまって約380km

以上の巡行が可能な計算になる、ロングツーリングには大変ありがたい。リッター139円は

ちと痛いが、「BMWはハイオクを使え!」のお達しがある。しかし…(^_^;)!

 

給油を終え休憩もそこそこに先を急ぐ、浜松SAにて再度狸(MAMI)氏に連絡を取らねば

ならない。やがて太平洋上の雨雲が見えてきた、ん〜、すこぶる快調の様である^_^;

だんだん雨が強くなってきている、少し寒く感じる様になってきたが幸い風は無い。

多少ペースを変えてみる、時折120km/h付近まで上げてみる。私はレーダー探知機を着け

ている、機種はOR誌のツーレポの賞品にもなっている「ナポレックスVR-211M」である。

これは内部のスピーカーとイヤーホンのどちらかでアラームを確認するのだがイヤー

ホンを使わずに120km/hでヘルメット越しにアラームが確認出来る。これは驚きだった。

余談だが過去にバイクでもレーダー探知機で2度程助かっている。(^_^)v

 

まもなく浜松SAに到着、早速狸(MAMI)氏に電話をいれる。天気が良ければ浜松ICで高速

を降り、御前崎まで狸(MAMI)氏に御一緒して頂く予定だったがこの天気では話にならな

い。素直に諦め、静岡直行を決める時間は既に14:00を回っている。出発時に雨具を着

たまま一度も脱げない、ゆっくり休憩する事が出来ないため、朝から何も食っていない

そろそろ何か腹に入れておかないと、体力が保ちそうにない。焼きそばとフランクフル

トをとりあえず食べるが味がしない。(T.T)

 

一服を終えスタートするが次止まるのは静岡ICで高速を降りる時、後はノンストップ。

さすがに雨の中6時間近く走ると体が冷えてきた寒い。とりあえず静岡に着いたら銭湯

を捜そう、暖かいお湯に浸かって冷えた体を暖めたい、脳裏にはもうそれしかない!

早く、早く静岡へ…!。途中やけに目の前が見にくい事に気づく、シールドを拭っても

拭っても視界は良くならない?。どうやらシールドの内側が曇ってきている。今回は

オープンフェイスのJ−MAXを使用している、フルフェイスだとシールドを少し開

ける事が出来るが、今回シールドを開けると雨粒が鬼の様に口元を襲ってくる。(・・;)

「う〜、前が見えないよ〜!」と叫びつつ走るがペースは思うように上がらない、雨

はさらに強くなってきている。確か去年のGWへ伊豆へ行ったときも、雨の中高速道路

を走ったのを思い出す、関東東海方面へ向かうのはつくづく付いていない。焼津を過ぎ

日本坂トンネルにさしかかる、これを抜ければ静岡は間もなくだ。

 

「静岡500m」の標識を見付ける「あ〜、やっと着いたぁ!」、本線を離れランプウェイ

を減速しながらゲートへ向かう。ゲートでは係員のおっちゃんに「はいっ、これお願い

します。」と高速チケットとハイウェイカードの入った「食品保存用のジッパー着き

透明ビニール袋(ジップロック見たいなもの)を雨具のポケットから取り出し手渡す。当然

領収書とハイウェイカードが入って戻ってくる、これで濡れた手でチケットを触る事

がない。係員のおっちゃんに静岡駅北口への道を訪ね、集合場所を確認して駅に向かう

程なく駅に到着、ムーングラム氏との待ち合わせ場所である交番を捜す。16:30到着。

約8時間の旅であった、さすがに疲れた。

 

01592/01592 JAC03010 ア レックス BMW K1100RS インプレ 復路篇(68行)

( 1) 94/03/26 06:35

-----今日は晴れ、しかし…

13:30、河原での記念撮影が一通り終わった。さぁ、そろそろ私は帰らねばならない。

参加メンバーに別れを告げ私は一人河原のダートを走り始めた。朝せっかく泥を落とし

たのにまたドロドロだぁ!ダートにあたふたしながら帰路に着いた。(O.O;)(o。o;)

13:40、東名高速に静岡ICから乗る昨日と違って今日は良い天気での高速走行、昨日より

少しエンジンを回してペースを上げてみよう。流れに乗りながら110km/h〜120km/hを

キープ、お巡りさんには十分注意だ。4000rpm手前で少し いやな振動が現れるが4000rpm

越えるとまた振動は消える事に気づく。何度目かの追い 越しの時やけに景色の流れが 速い、

「ちょっと出過ぎかな?」と一息おいてスピードメーターを見ると150km/h出てた (・・;)ゲツ!

慌ててスロットルを戻す、慣らし第一段階では少しやり過ぎ。(~_~;)

慣らしを終えていればもう少し150km/hの巡行を楽しみたかった、この速度域でも実に

「普通」であった。以前なら少々速度に慌てる所だが150km/hという速度を感じさせない

自分自身にまだ余裕がある、「まだ出せる!」。"FZR1000"の時にも出したことのある

速度だが、マシーンは安定していても私自身ものすごく不安で大きなリスクを感じた。

しかし、"K1100RS"ではマシーンもライダーも安定している実に快適なクルージングで

あった。これがBMWのBMWたる所以(ユエン)なのだろーか。

 

高速を走り始めて約30分、牧之原SAにて給油と休憩に入る。213kmで12.4l入った

燃費は17.2km/l、前回より悪かったがまぁこんなものかな。家へ電話を入れ、お土産

を物色しパニアに詰め込む。このパニアケース、既に言い尽くされはいるがやはり便利

でありがたい。往路では、約2泊3日分の着替え・3シーズン用寝袋(1)が片方で収まり

もう片方に、一升瓶1本・缶ビール5本・防寒にスキー用のパンツ1本・雨具一式・他

にゴムネットや無線機の備品少々とA4版の書類ケース(1)が余裕で入った。おまけに、

結構強い雨の中を走ってきた割にケース内に雨が浸入した形跡が無い、防水もほぼ完ぺ

きの様である。復路では一升瓶と缶ビール5本がお土産に化けた。

 

14:20、牧之原SAを出発する。計算によれば次の給油は京都で高速を降りてからで良い

はず、約300kmの高速クルージング。この頃から風が強くなり、何度か風にあおられる

様になる。ペースは相変わらず110km/h〜120km/hをキープ、途中2度パトカーに捕まっ

た自動車を見かける。クワバラクワバラ!(・・;)キヲツケヨット!

バックミラーのレポートが抜けている事に今気がついた。(^_^;) 御存知の通りこの

バイクのミラーはウィンカーと一体になってカウルにビルトインされている。取付位置

がこれまでよりもかなり下になっている、何しろハンドルの上から下へ移動しているの

だから。したがって視線を下げないとミラーが見えない、どうしても以前の位置にミラ

ーを探してしまうがそこには何も無い。ミラーにハンドルの手とグリップエンド付近が

写り込む、かなり慣れたがまだ少し違和感を感じる、見にくい事は無いのだが。

 

15:30、上郷SAでトイレ休憩、約100kmを1時間で走っている事になる。順調だね(^.^)

早々にSAを出発、風は相変わらず強く気温も少し下がってきた様だ。名古屋に近づく

につれ交通量が増えてきた、一カ所だけ工事中で一車線規制され多少渋滞していたが

その他は順調に流れている。路肩すり抜けもお巡りさんに注意!名古屋市内を抜ける

16:30、養老SAに到着。ここまで、高速に乗って約2時間、約200kmを順調に走った。

うどんを食べエネルギーの補給をする。やっぱりうどんは美味しいねぇ、「ホッ!」と

する。再び家へ電話を入れ帰着予定時間を知らせ17:00再び走り出す。この頃には日が

傾き始めている、流石に気温が下がって少し寒く感じてくる、しかし我慢の出来ない

寒さではない。栗東(リットウ)を過ぎた辺りから渋滞が始まり思う様に走れなくなり、

滋賀草津IC辺りからノロノロ運転に、京都東ICからはとうとう流れが止まってしまう。

またも路肩走行を強いられる。(・・;)

 

18:00、結局京都へ着いたのは予定より約30分遅れだった。名神京都南ICを降り、

1000km点検を受けるためBMWディーラーへと向かう。1000km点検と同時に各オイル

類(エンジンオイル・オイルエレメント・ミッションオイル・ファイナルギヤオイル・フロントフォークオイル)を替えて貰う。点検後説明 を聞く、

今の所特別変わった事は無いようだが「何か注意事項は?」。「10000kmまでは ピストン

リングの馴染みが完ぺきでなく、オイルの消費量が少々多いのでこまめにオイ ルレベルの

チェックをして下さい。」と返ってきた。(゚o゚)フーン

 

19:30、1000km点検が終わった、既に日は沈みすっかり暗くなってしまっている、最後

はナイトランで締めくくりだ。さすがにこの時間になると寒い、防寒の為雨具を着る。

京都を離れる前に燃料補給が必要だ、既にトリップメーターは300kmを越えている。

しかし、残量5リッターで点灯するウォーニングランプはまだ点灯していない。結局京都を

離れる直前に給油、走行距離316kmで15.2l、燃費20.78km/lと言う結果になる。(^_^)

やはり高速を走ると燃費は延びる、でもリッター20を越えるとは思っていなかった。

 

いよいよ京都を離れるのは20:00近くになっていた。京都縦貫道を通り亀岡市内をパス、

これで約20分の短縮が図れる。ここは未だ4輪と2輪が同じ料金(510円)距離が短い

割に高い、有料区間を約5分で走りきってしまう。一般国道に戻ると八木町へ付近へ出

る事になり、八木町を抜けるとこの辺りから民家や街灯が少なくなってくる。ヘッドラ

イトの威力はどうだろうか?、ヘッドライト自体は国産と違ってやたらデカイのだが。

当然ながらワット数は60/55Wが一つ、配光が気になる。以前の"FZR1000"より広範囲に

照らしている様だ、したがって視界が広く感じる。市街地走行では若干光量不足を感じ

たのだが、実際夜道を走ってみるとそうでもない充分な明るさは確保している。視界が

広い分峠でも安心して走る事が出来る、やはりこれもグーだった。

 

21:40、無事に帰宅。雨具を着ていたので寒さは余り感じなかった、それに手がちぎれる

程冷たくならなかったのは非常にありがたかった。これもカウルのおかげ、今回のツー

リングで一番助かったのがきっとこれだろう。さすがBMW。(~_~;)

何はともあれ無事往復約900kmのツーリングは幕を閉じた。

 

総走行距離:908km

使用燃料 :47.7リッター (最後未給油なので想定)

燃費   :19.03km/l(    〃     )

     :19.23km/l(実測・819km/42.5リッター)