願 い




直さん、あの日、二人で行った清水寺。
楽しかったです。

あなたは熱心に祈っていましたね。

「総司様といつまでもいっしょにいられますように」

あなたの願いを知ったとき、私は何と答えればよかったろう。

「私も同じ気持ちです」

だけど、それは無理なことと私にはわかっていました。


ねえ、直さん、この人形、あなたに似ている。

あなたは無垢な笑顔でいつも私を見てくれました。

私はあなたに価するほど清らかな男ではないというのに。

今、あなたの手元には、これと対になった男の子の人形がありますね。

私だと思って大事にするとあなたは嬉しそうだった。

そんな人形しかあなたの元に残していけない私を許して下さい。

だから私の願いはあなたが幸せになること。

できれば私自身の手で叶えたい願いだった…。

                     沖田総司


イラスト・nao&文・磯宮



[鴨川の散歩道]