還らない季節(とき)
作・ちゃちゃ
(序) (一) (二) (三) (四) (五) (六) (七) (八) (九)
(序)
半分の月が見てる、私たちの恋を。
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微かに秋の虫の声のする河原に立った千耶は、そっとかがむと手に持った花火に火をつけた。チリチリと音を立てるかのように小さな光が闇の中を舞う。
『袂に気をつけて。花火は一瞬の美しさだな。永遠に続くものではない』
誕生日のお祝いだ、そう言って花火をした夜の沖田の言葉が蘇る。
目ににじんだ涙が花火の小さな光りをぼんやりとした輪郭に変える。
『泣いたら、この一年、ずっと泣き暮らすことになるぞ』
17になった日、沖田は千耶にそう言った。
「総司さん、あなたいつだって私に笑えっていったわね」
火の消えた花火を見つめ続ける千耶の姿が闇の中に融けていった。
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[鴨川の散歩道]