働け!ブルペット




道ばたで、気になっていた物の一つ、放置作業機、基本はブルドーザー、後ろはバックホーという一台で2台分の働き!というキャッチコピーだかどうか分かりませんが、形としては便利そうな形をしています。
20年ほど前までは、ドーザーショベルというキャタピラで土砂の積み込みが出来る機械をよく見かけたもんですが、欲張りな?オーナーはその後ろにバックホーを付けてあらゆる状況に対応している、個人商店という風景がありましたが。
子供心に、何でも出来る機械!と気になる存在でした。


愛車コロナを止めて、道ばたで立ちション中、ふとみると畑でおばさんが作業中
ここには以前から気になっていた、バックホー付のブルドーザーが10年近く放置してあるところなのです。
物は試し、だめモトで聞いてやれ!「こんちはー」「、、、はあ?」「このずっーとおいてあるこの機械、これ誰のですかねえ」「、、、、、」(やべえっ機械が邪魔でいちゃもんつけてるみたいな奴かと思われたか?)「いやこれいらないのなら欲しいなと思って、、、」「ああ、うちのですけど、、、」「これ売ってもらえませんか?」「主人がねえ前に使うつもりでねえ、でもいらないと思うけどねえ、、」「じゃあおうちへ電話しますので、番号教えて下さい」
と言うやりとりで、その晩には、電話で簡単に譲ってもらうことになりました。
もちろんこちらが運ぶと言うことで、
電話を切ってからよく考えた。
話はトントン拍子に進んだけど、まてよ、少し勇み足だったか?
よくよく考えると、これはギャンブルだ。こいつが動かなかったらただの重量粗大ゴミだ。
この機械はクボタ製でどちらかというと、農業系、型は古く放置してあるものの、雨の直接当たるシリンダーにはトタンがかぶせてあったり、なにやらいけそうな感じではあった。
一応、重機のディーラーの整備の仕事を3年ほどしていた事があったので、なんとかしてしまいましょう。
次の日から、仕事帰りにまずエンジンをかけることが日課に。
こいつのエンジンは、汎用性のあるクボタの単気筒エンジン。
2日目に燃料を新しいのに変え元気なバッテリーを付けるが、セルスターターが死んでいる。
こいつには、手動ハンドルもついているので、デコンプかけて、ハンドル付けてフライホイールを全力で回す。
こんな簡単にエンジンかかったら、何か拍子ぬけだなあ、と考えながらやるけど、やっぱりかかるわけない。
軽く10年はほったらかしだそうだから。
3日目、やっぱり手動でエンジンかけるしかない。ひたすらパワーで回す。
ボム!と時々燃焼したような排気ガスが出る。
「ん、んー?」もしかして!
がぜん力が出る!そして、「ぼ・・・ぼ・・ぼ・ぼ・ぼぼぼぼぼぼぼわー!」かかった!
感動!そして10年間マフラーの中に住み着いていた虫やなんやかんやが、黒い煙と共に、 飛び出してくる!さぞかしびっくりしたことだろうなあ。
走行の方は、旋回がうまく作動しない時があるけれど、あとはひととうり動いた。 後日友人の4トンユニックを借りて運ぶ。 こっちに運び込めば、こっちのもの。
改めてよく見てみると、ブームのシリンダー部分が錆びて、全ての部分は使えない、 言い出したらきりがないけど、だましだましなら使えそう。
ゆうても、タダやもん。
セルモーターも、ブラシを掃除したら動くようになった。
これで汗かき、ハンドル回さなくてもスイッチでエンジン始動できるようになった。
早速、意味もなく周りの畑を掘り起こす。
それからは、なにかと事あるごとに、畑の草刈りなどや、植木を掘り起こすときなんか、 手でした方が早いと思う場面でもブルペットを出動させ、家の者にもこいつの存在を、 アピールしておく。
しばらくすると、案の定というか、ちょとした坂を上らなくなった。
原因はクラッチが滑ってしまうのでした。
しばらくは、平地のみで使用するように心がけたりしたけれど、やっぱりこれじゃ ただの置物だもんなぁ。
このブルとはあんまり深く関わりになりたくなかったけれども、クラッチの分解は、 免れそうもない。
わざわざこのために、大きなプーラーを買ってきて、クラッチばらす。
独立したクラッチで、中の構造も簡単で、一安心。
ブルのわりには、乾式多板の、樹脂で作ったような貧弱な物。
ペーパーで表面を荒らして、再使用する。なんとか使えるまでには戻るが、 気持ち的に、十分こいつを動かせないことが不満だ。
こんなクラッチの修正が何度も続き、やっぱり新品のクラッチ板をあればだけど、注文することに。
こんな古い型の部品があるだけでもマシとしなくては。
10日ほどして部品がきた。対策品になっていて、金属製になっていた。
ねだんが1万5千円ぐらい。しゃあないなあと思ったら、それが一枚の値段!
結局6枚なので、10万円近くのの出費!
わおー、わお、わおー!店の人は、キャンセルしてもいいよと言ってくれたが、
このままなら我が家の産業廃棄物もう仕方ない。
タダより高い物はない。つくづく思う。
という訳で、今は時々整地に使ったりしています。いずれ不具合が出てきたら処分する事になるのだろうけど、このタイミングが難しいなあ。


 おわり



再 見!



もとへもどります。