Z 650 ザッパー




目指せ! 10万キロ 現在8万9千キロ


Z650B 52年式 
こいつとの出会いは、僕が二十歳ずぎの頃、だから20年ほど前、
ナンバープレートの都道府県の漢字が2文字に統一された年。
それまで大事に乗っていたZ400FXエフペケ(まさしく死語)が、ある日突然(盗まれるのはいつも突然なのだろうけど、)
ほんとに「えっ?!」という感じで、なくなり、何週間かして、むちゃくちゃになって見つかり(その時は、盗んだ奴ぶっ殺してもいい)とほんまに頭にきた。
エフペケは直して乗るつもりだったけど、エンジンまでもいってしまっていて、その頃限定解除したこともあり、行きつけのバイク屋に半ばやけくそで、こいつの代わりに何でもいいから、ナナハンと交換してくれと頼んだ。
その頃は、CB400Fはプレミアがついていた頃だったが、このFXはまだそんな注目はされていない時だった。
何でもいいからナナハンと言ったけど、CB750Kだったら良いなあと漠然と思っていたら、店の親父がザッパーがあるけど?なんて聞いてくる。
「ザッパー?650? ナナハンと違うやんか!と思ったけれど、一方で面白そうとも思い、その場でOKしました。
しばらくして、連絡があり見に行くと、タンクも日焼けした、なんだかぱっとしないバイクがあり、それが僕のザッパーでした。
ナンバープレートが京ではなく、少し細い文字で京都になっていたのが印象的でした。
Z650に跨ってみると、トリップメーターは、24000キロ?!「何だこれは!もう終わってるやんか」
とその時は思いました。その頃はバイクブーム全盛期、ぴかぴかのFZやCBR、GXRなんかがぶんぶん走り回っている中、こんな2万キロ台のバイクなんて、、、。
でも乗ってみると、腰高感はあるものの、トルクのあるエンジンで意外にも楽ちん。
見かけは少し格好悪いけど、もしかしていけるかも。
その数ヶ月後には、念願の北海道にオール下道で、ノントラブルの約1ヶ月間のツーリング。
帰ってから、毎日通勤、遊びへとトリップメータはどんどん増えていく。
この頃バイクブーム全盛期、ついでにバイク屋でバイトで雇ってもらい、仕事中にバイクいじる環境もばっちり。
この中途半端な排気量やゼッツーの陰に隠れたこのマイナーな存在が、自分とだぶりいつしか、壊れるまでは乗り続けようかなあと思う。
それには、このはんぱなメッキの2本出しマフラーを何とかしたかったので、集合マフラーを探すが、これがなかなか見つからない。
こいつのエンジンはZ750FXの3型の流れからきているエンジンで、こいつ自体が稀少車。
簡単には、こいつの集合なんかは出てこない。休みの日は解体屋に行くのが日課になって、京都大阪の解体屋はほとんど回った。
2年ほどして、大阪南部の解体屋でまだ手つかずのZ750の3型を見つけた。
あまり期待せずに排気管を見るとなんと集合管!「ビンゴー!」
いまでこそ、同型エンジンのゼファー750が出てくれて、集合管やガスケットの心配から解き放たれたけど、当時は部品頼んでもすでにない物もあり、現在はエンジン部品に関してはこのゼファーのおかげで、少しましになったのでは?
この頃、こいつの将来に危機感を感じ、個人売買や人づてにザッパーの、部品取りを集め始めました。
しばらくして運良く、エンジン2機、外装1台分の部品があつまり、部品に関しては一安心。
今まで日焼けしてツートンカラーだったタンクやテールなども、知り合いから輸出用を安く譲ってもらい、 何とか様になってきました。
このバイクを手に入れてからも、こいつを取り巻く環境はいろいろ変わりました。
10年落ちの車歴になり、車検も一年車検に、そして規制緩和で、うれしいことに再び2年車検に。
それまで、社外品のマフラーなどは基本的にだめでしたが、JMCAと言うものが出来、合法的に社外品でもパスできるようになりました。
僕にとっては、いい方に変わりました。
ここ10年のザッパーのトラブルとメンテの具合は、電装系の支障で、一度走っている最中に、もくもく煙が出てきて、ケーブル全部だめになったことがありました。
前触れは、バッテリーチャージしなくなり、レギュレータを代えたり、ごそごそいじっていた矢先でした。
5年ほど前、エンジンの音が大きくなったので、SHOPで6万キロの頃、エンジンオーバーホール、カムチェンのテンショナーが殆どなくなっていた他は、不具合なしということで、ガスケット、パッキン、ピストンリングのみ交換。
シリンダブロックの中には、スラッジが一杯たまってました。 事故の方は、深夜、タクシーにオカマほり、中破、フロント周りは部品取りから移植。
また、スリップ転倒で、ダイナモカバー割る。新品は欠品で、アルミ溶接屋で単品補修してもらう。
ハンドルも曲がったので、今までのアップハン気味から、ストレートに近い物に交換。
アップハンもこれはこれで、堂々とした70年代ポジションで気にいっていたことはいたのですが。
主な現在の仕様は、マフラーだけは交換してありますが、基本的にはノーマルが一番だと思っています。
細かいところでは、ヘッドランプをハロゲンに、ウインカーを小さい物に、 サスがKONI製に交換してあります。これはオーストラリアの解体屋で買いました。
オーストラリアではZ650は結構走っていて、もっと探せば面白い社外品があったかもしれません。
電装系も、ポイントからフルトラに変えようかなと考えたこともりますが、僕自身めんどくさがり屋で 現状維持な性格なので、このままできてしまいました。
走った場所は、沖縄を除く全国各地ですが、普段の足にもこいつは欠かせません。
使いやすさで、オールラウンド こいつは使えます。
こいつの乗り始めたときは、ボロバイクか?それとも貧乏人が乗る珍しいバイク?
今では、なんなんでしょう?
じっさいこの10年で、他に走っているザッパーを2回しか見たことがありません。
バイクの中古雑誌を見ると、無意識にZ650の売り物の値段を見てしまいます。
こいつは世間ではどういう評価なのかなあという気持ちで、、、。
Z2RSなどは、なかなか今もいい値段が付いていますが、ザッパーは、海の物と山の物とも、 つかない感じがします。
オーナーとしては、このまま隠れた存在でいて欲しいと思う反面、ZRSみたいにメジャーになり、 あとあと、アフターパーツがより取りみどり、という環境はやはりうらやましいです。
メンテは、それほどたいしたことはしていません。
オイル交換は、3−4000キロごとめどに、後は時々ポイントのギャップなど、
他のバイクはだいたいいじり倒すのですが、こいつに限って、エンジン、キャブ関係はいじっていません。
いじる必要がないというか、いじらないから調子がいいのか?!
あと約1万キロで一回転ですが、まだまだ走りそうです。
この当時のこの手のバイクは、オーバークオリティに作ってあり、頑丈なエンジンだよ!と誰かいっていたけど、 確かにそのとうりだと思う。
ガラゴロエンジンはうるさいけれど、少々の事では、何ともありません。
このバイクでいろいろと勉強させてもらいました、機械いじりは好きだけども、プロでもない僕が、 果たしてそれが正しいかどうか分からないやり方で、いろいろいじっても、ここまで生き延びてきたのだから。
キリのいいところとして、一回転して車検が切れたら、どうしようか考えようかな?


その後のザッパー


平成15年頃、以前よりエンジンの音が雑なのが気になっていましたが、ザッパーミーティングで10台程のz650が集まった時、客観的に自分のエンジンの音を聞き比べる事ができました。
自分のだけ違う音がしている!
走行は一番多いけれど、種類が違う音だ。
今まで同じバイクを見た事がなかっただけに、音を聞き比べる事が出来なかったのですが、これはショックな現実でした。
具体的には、カムや、テンショナーの音ではなく、「ガー」と言う様な音。これからも乗り続けたいので、 予備のエンジン手に入れたのをきっかけに、ザッパーのエンジンに詳しい人にオーバーホール お願いしました。
シリンダまで開けた結果、11万キロ走ったそのエンジンは、ピストン、カム系、には問題なく、不具合は、カムチェーンのガイドスプロケのシャフトが一緒に回ってクランクケースを削っていた時の音でした。
ショックな事でした。
これならもっと丁寧にエンジンに関わっていれば、もっと早く異変に気がついたかもしれない。
長く乗っているという、自負が逆にトラブルを大きくした事になった。
素直に人の話も聞いとくものだ。
それにしても、何故、スプロケがシャフトと共に、共舞していたのか? パーツリストには、共舞しないように、シャフトの先端部は半月状なのに、今回トラブル起こしたのは、一緒に回りやすい丸い形でした。

これは対策前のようなことだたのでしょうか。
クランクケースの一部までダメージは来ていたので、このエンジンの修理は諦めました。 エンジンぶっ壊れるまでこのバイクとは付き合おうと思っていましたが、約20年、10万キロ乗ったバイクだけれど、エンジン乗せ替えて乗るバイクはもう自分の物ではない様な気がして、どうも乗せ替えは気が進まない。
エンジン、やっぱり心臓部のエンジンを乗せ変えるってことにだいぶ悩みました。
別の物になるようで、ちょっと思い入れ過ぎかな。
オークションでエンジンを落札した。
出所は個人からで、レストア中ガレージ荒らしに合い、フレームとエンジンのみ残ったそうです。可哀想な事です。
とりあえず届いたので、エンジン乗せ替えました。タペット音がやや大きい所以外は、状態は良好で、ヘッドのガスケットと、、オートテンショナーを交換しました。
詳しい人によるとカムクリアランス気にするよりも、こっちの方が有効だということでした。
オークションでの中古エンジンの売り買いは、ある意味博打です。しかし、オークションのお陰で、 あまり多くないz650のエンジンも簡単に見つけられ買う事が出来ます。
もし、トラブル起こしたエンジンを越下からまともにオーバーホールすれば出費は10万以上でしょう、 これが数万円で手に入れられる中古エンジンはやはり魅力です。
実際今回エンジン気に入ったの手に入れられたのは2個目でした。
現在23年目、走行10万+1万7千キロです。q 積み替えて5千キロ以上走りました。また新しい道のりです。 2008年夏には高知へツーリングに出かけたり、それでも年に1、2度は長距離走ります。
人間がくたびれそうな、灼熱のアスファルトの上を何時間も走っても調子崩さずに走ってくれてます。 2年前頃から、走り始めの10−20分ぐらい、2−3番の気筒が失火することが起こるようになりました。ポイントと、点火コイル、コンデンサーを疑っていたのですが、交換しても一向に良くならない。
エンジン暖まると症状は直ってしまいます。
読めない配線図を見て、疑う所を絞ると、ブラックボックスとなっている、パーツリストでは、カレントリミッターという、箱に行き着きます。なんの働きをする物かよくわかりません。そのパーツを他の中古に交換しても、症状は変わりません、やはりポイントかと、何度もすりあわせし直したり、進角ガバナーなど点検しました。 ここ2年程、そんな状態のまま我慢して乗っていましたが、やはり不調のバイクに乗ってるというのは、 かなりのストレスになります。調子の悪いときは1時間走っても2気筒のまま、「ブ、ブ、ボォーン」と 生ガス臭い排気臭嗅ぎながら調子の悪い2、3気筒に悩みました。 ある時サイドカバー内にある。、カレントリミッターという4つある配線の1つを外してみました。 濁っていたマルチの音が「パァーン」と弾けました! 原因はやはりカレントリミッターなるものです。予備で持っていたものも偶然悪かったようです。
外して調子が戻る事は分りましたが、そもそもこいつはどういう働きをする物かよくわかりません。
ネットでも、パーツリストにある「カレントリミッター」ではバイク部品としてはヒットしません。 カワサキの店で相談すると、当時の法律の問題で、いらない物も付いているから外しても大丈夫ではないか、ということになりました。

今度のエンジンはやはり走行も少ないようで、セル周りの調子もいいです。
客観的に見ると、かなりボロいです。
このバイクも旧車の部類に入ったようで、フルオリジナルのままキレイに乗る方もおられるようです。私の場合もう見た目は2の次になりました。快調に動いたらオーケーですが、社外品の指示器も色あせて、ホワイト仕様になっています。 キーの山がすり減って、走行中に抜け落ちる事が何度もあり、抜けてもいいようにようにハンドルにワイヤーでつなげる事にしました。
保管場所が悪いので、日焼けしてしまい、タンク、サイドカバーなど、色が変わっています。
こんなの平気で乗れる自分が、「年とったかなあ」と思ってしまいます。
現在の調子、100点とは言いません。気になるところ、ハーネス類、ライトの暗さ、社外品の取り付けの甘さ、ショックのへたりなど、上げればキリがありません。
なぜかスピードメーターケーブルがよく切れます。
おまけにタイヤ側の取り付けネジの大きさが何故か違うので、毎回加工してつけなければなりません。
最近のトラブルは、整流器の配線が溶けていた事に気がつきました。
かなり酷使していたしょうで、緊急の課題となりました。
最近はなんでも自分でやってやろう精神が薄れ、苦手な事はお店に頼むようになりました。
ここまできたら、とことん乗り続けるつもりです。

2009年夏。 お金と時間かければ、まだまだいけます。目指せ13万キロ。(20万は無理そう)

 おわり



再 見!



もとへもどります。