バッテリーカー2




無風 無音 真っ白けの景色



30日 気温マイナス5度 晴 10時20分 豊富町はずれより開始。
天気が良くまぶしい。無風で、全く寒くない。
、誰も周りにいない、すごく贅沢な時間。好きな景色の中、静かに移動。
時々、車が「クオーン」と氷の上のタイヤの音をだし手抜き去っていく、 そのあとは、無音。北海道って、こんなに静かだったんだ。
移動がゆっくりなので、目に入ってくる物の密度が濃い。
道に落ちた、タバコの箱を拾ってみたり、車の轍のブロックパターンの模様を見たり、 動物の足跡を追ってみたり、(キタキツネやウサギ とりなど)
そんな景色に浸っていると、対向車のパトカー こっちを見ている、、、。
なにか言いたそうな顔。しばらくして、やっぱり引き返してきた。
赤色灯つけて、、、。「こいつはちょっとかまえないと、、」
前方に車間をあけてパトカーが停止。
でもこっちは、その間も進む。警官が下りてくる。でもこっちはまだ進む。
立ってこっちを見ている。まだ距離がある。まだ進む。
なんか気まずい間のあとやっと警官の所に着いた。
「どこいくの?」「いや、どこと言うことはないんやけど、、」
「これからどうするの?」「車が一緒なんで、どうにでもなるんです、電動カーの実験をしているのですがなにか、、?」
「大学生?」「いや」「研究所かなんか?」「いや、純粋に個人的な興味です」
「この乗り物は、歩道を走る物です」「知ってます」(そういうのだったら歩道の雪も除雪してくれよ!と言いたかったが管轄違いだろうし、、、)その後よく場所を考えて走らせるように、という警告を頂き、パトカーは去っていった。

まあ、仕事がら、一応見てしまった以上、何か言っておかなくては、と言う感じてあった。
その後もゆっくりとした時間が過ぎ、ちょっとした峠を越え咲稚内の集落に着いた。
バッテリーも赤ランプに入っていた。どこかの飼い犬が、かなり遠くから激しく吠える。
「この物体はオレの獲物だ」と言う感じで、、。
ぼけ犬の横をゆっくりと過ぎる。
海が見えた。信号を右折して、昨日のサロベツの道へ。
バッテリーが最後の赤ランプ。
今日はここで終了。
車が迎えに来た。午後1時50分 移動約15キロ。
車で稚内移動。
稚内ビジネスホテル泊 充電。
昨日から来ている、小平から一日で走り抜けた塚ちゃんと合流。すじことアツアツご飯最高!

31日
曇り時々雪 気温0度 風弱
さあ、今日はラストRAN 道路は少しゆるんでいるよう。
出発は、市街地を避けて空港近くからスタート。
11時20分出発。
走行モードは、初めはバッテリー走行のみで。
最初の直線道路、ここは自転車で歩いたときもあったので、見慣れた?風景。
直線の先にある黄色い建物が最初のポイント。
バイクが来た。小樽で会った、DTのライダー。
しばし立ち話。でもなんかうれしいねえ、ライダーとの会話。
この間だけ、僕もじいさんからライダーに、、、?!
ライダーの話によると、海沿いで、写真を撮ってふと足元を見たら、路肩に変なワダチがあり、自転車?でも真ん中にもう一つタイヤの跡が、なんの跡だろうと思って走っていたところだったということで、この3輪を見て納得したと言うことでした。
なんだかとてもうれしい、発見のされかたでした。
その後、ライダーの固まり、スーパーセブンがホーンとともに抜いていく。
なんだか、盛り上がってきましたねえ!
腹が減ってきた。そして集落に。
バッテリーは半分に、ちょっと充電してもいいかなあ?
自力でしてもいいが、できることなら電力会社の100ボルトから。
これに乗っていると、自然とコンセントの差し込みばかり探している。
集落にはいると少し、この乗り物がなじみ、落ちつく。
セイコマートに到着。インスタントラーメンの昼飯。
レジのお姉さんに、「表にあるコンセントちょっと貸してください」
「???」「ちょっと電動カー充電したいので、」
「えーっ?!わからないので店長呼んできます」
「いや、電話の下にコンセント確認したので、ただ差し込ませてもらえればいいのですけど」
「店長!お客さんがぁ〜、、」
そしたら、今度は店長が外に出てどこかに聞きに行った。
そんな大げさになるのなら、勝手に内緒で差し込んでおけば良かったかも。
「隣のガソリンスタンドに、コンセントあるのでそこでどうぞ!」
お言葉に甘えて、ガソリンスタンドで充電。
ガソリンも入れないのに、、、。でもこの姿、よく考えると近い将来の
あるべき姿なのではないでしょうか?、、、と社会派な感想。
そしたら、スクータが燃料入れにやってきた。
荷物にテントマットが入っているから,地元民ではない. 話をすると、ネットつながりのTOBIさんと判り、固い握手。
初対面なのに、ややこしい前ふり抜きで話せるのが、ネットのいいところ、 TOBIさんの前回の納沙布の話を聞いて大笑いしてしまった。ここで公開したいけど、本人曰くここだけの話なので、、。
その後、これまたHPのリンクつながりのDEEさんとも合い、 おしゃべりしているうちに、1時間半は充電できた。
お礼と言ってはなんだけど、ピット周りの雪かきをする。
1時間半で、何A充電できただろう。
僕の働きをワット換算して、何分働ければ恩が返せるのだろう。
うーん今度帰ったらちゃんと電気の勉強しよう。
ゆっくり充電なので、トータルではあまりされてないが、後半分ぐらいはできたかな? 3時頃、出発。他の乗り物はスピードが乗るまで、しばらく時間がかかるけど、 この乗り物は1秒で最高速に、、。
ここからはしばらく集落の中、もう暗くなってきた。
まだ、後発のVFはきていないなあ。
めずらしく家の外に出て、海を見ているおじさんがいる。
その横をじわーっと、電動カーは近づいていく。
正体不明の移動物体におじさんは、動けない、のか?!目を背けてはいけないのか、 どうしていいのかわからない模様。
こっちも、どう言っていいのか?! 今まですれ違う物はほとんど高速で移動する車だけだったので、目が合うだけだったのが、移動スピードがゆっくりなので、こんな場合どうしていい物やら、、、。
近くまで来たら、そしたらおじさんは、「・・・ごくろうさん・・・・」、、、と
こっちはそれになんて言っていいか判らなく、軽く会釈をするだけ、、、。
その前にも、違うところでおじいさんに「こんにちは」と言われたのでこっちも挨拶はしたことあったが、今回おじさんに無心にご苦労さんと言われたら、僕の気持ちはかなりへこたれていまう。気持ちが「ごめんなさい」に、、、。

あと、岬まで10キロ切ったところで、バッテリーのパワーは赤に。
そろそろ、ハイブリッド走行かぁ〜?!
ここでビックリドッキリメカ ハッシーン!!(ヤッターマン ボヤッキー風に)
発電器エンジン始動よし!充電器24ボルトスイッチオン!(ヤマト 波動砲風に)
「おっ!スピードが少し速くなった」
充電器のアンペアメーター針は赤の、要注意、電流が流れすぎ。
路面に抵抗があり、ライトもつけているからだと思うが様子を見ながら走行。
でもバッテリーパワーメーターフル表示!今回発のハイブリット走行!
辺りは真っ暗、集落も過ぎ、最後の岬への道のりへ。
向かい風の雪で目が開けられない。
エンジン音がするとやっぱり心強い。さっきまで静かがいいと言っていた僕の心もどこへやら、、、 勝手なものです。

あと数キロの所で吹雪かれた。今年初。
それも前からの風で、前方が見えない。
反対車線からDEEさんや、こまこまさんにも、すれ違い時に 「大丈夫?」
ホントに大丈夫、これ端から見ると、かなり悲惨に見えると思うけど、 やってる本人は、気分は最高に盛り上がっているのです。
これがないと、北海道ではないですよ!(ちょっとやせ我慢も入っていますが) しかし、今回ネットという、文明のお陰で、地元の方とも知り合いになれ、走行中にこうして声をかけてもらい、なんと心強いことか!
そうこうしているうちにやっとVFが来た。かなり遅い。
目が痛いので目をつぶって走っていたら、いつの間にか反対車線へ。
目を開けると前から車が来て止まっていた。
どーもすみません。
でも車も吹雪いて止まっていたみたい。
もうほんとに岬はそこなのに、なかなか進めない。
VFも同じように、てこずっている。
でも、電動カーよりかは早いが、、、。
吹き溜まりで、雪の上に乗り上げたりして、引っぱり出し、路面の雪もかなり 厚くなってきた。タイヤとボディの間に雪が重なったためか、急に止まり エラーのようなLEDの表示!
ここまできて、だめかあ!
電動カーに積もった雪を取り除き、 何度も試すと、再び走行モードになり、再出発。
駐車場まであと100メートルもないところで、また大きな吹き溜まり。
引っ張ったり、押したり、脱出!思わず声が出る「くっそー」
雪まみれの電動カーはやっと、ゴールの岬の駐車場に。
6時半頃到着。もう夜だ。
この瞬間って毎年何とも言えない達成感がある。
岬の天気はいつもの強風。
バイク仲間は15台くらい、スパイクタイヤ以外の人はいなかった。
車が、それより多く30台前後は来ていた。
屋外での調理は風のため断念。
バス停は例のごとく、一杯で入られない
仕方ないので車内でカニ鍋。(カニくさ〜)でも車があるだけマシ。
子供ミドは、寒いと言って一歩も外に出たがらない。
まあいい今回も、目標達成。
つづく!




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