教習所体験


趣味か実用か大型2種の免許を、教習所で取りに行くことにしました。
大型2種の教習生は、普通2種に比べ、意外なことに年齢は低めです。
普通2種はタクシーがメインとなるために、卒業すればすぐに仕事と言う方が 多かったですが、バスの方は僕も含めて、とりあえず取っておくという人が多いように感じられました。
ま、どのみちこのプロドライバー業界、どこもぎりぎりのコストでやっているだけに、時間で割ればとても安い賃金になります。
実際、この仕事、経験ありますが、運転の仕事は、完璧、無事故、であたりまえ、責任重大、時間拘束は長く、自分の貴重な時間を量り売りしているように感じられ、すぐこの業界に就職というのも二の足踏みます。
私の場合、他に仕事を持っているので、なんでこの免許取りにきたのか?「フルビット」か?と聞かれました。フルビットとは、免許証の免種が全て「1」になっている人のことを言うらしいです。
私の場合は、普通免許から取ったので、小型特殊や原付は「0」なので、すでにだめだそうです。

その時のネタです。
いすゞのバスです。これでも平成元年のバスですが、当時は教習仕様のバスが無いために、 路線バス改となっていたそうです。見た目よりは意外に新しいと思います。
床は木ですが、ブレーキはエアーでした。シフトノブはやっぱりブルブル震えそれをつかんで、ギアを入れるのが、旧車好きの私には、エー感じです。
全体的に見切りが悪いので、細かなコース走るのには苦手ですが、路上に出ると田舎の路線バスの運転という気分が味わえます。
いすゞの車は、なにかちょっとあか抜けないところが、自分のツボにはまることが多いのですが、こいつも、なにか通じるところがありました。
こいつは、エアコンの効きが悪く、 教習生、特に教官には、夏場だったこともあり人気がありませんでした。
最初はこのバスに乗せてくれと、お願いしていましたが、検定だけは最新のバスの方がいいと思いました。

自分の場合、1種から2種へのアップとなるので、法令や応急の手当など学科が追加されます。
同じ教習生の中には、普通車のオートマからのステップアップという人もあり、いきなりでかいバスでの教習という離れ業の人もいました。
どんな感じなのでしょうねえ。料金もそれなりに跳ね上がりますが、僕のように一段ずつ上がっていくよりも、時間とお金は、一気に取る方が割安ではあります。
学科は、少ないときは教官と一対一で受けるために疲れることもありました。
その中で3時間シュミレーターに乗る?時間があります。
公安試験、一般に言う一発試験で、受かってもこのシュミレーションと、応急手当の2本は、2種の必須科目となっており、この部分だけ有料で受けにくる人もいました。
このあたりが、教習所と、公安委員会との、あうんの関係になるのではないでしょうか。
時間の割り振りでは、これは講座ではなく実技扱いです。
夜間、悪条件走行など、実際教習の実技だけでは、体験できない部分を機械によって安全に体験し、大まかな知識と技術を身につける、ということでしょうか。ちなみに内容はバスではなく、タクシー乗務中、道で拾った客を乗せて物語り?が進みます。
マニュアル、オートマどちらでも選べます。

このシュミレーターはホンダ製、完全なバーチャル3Dで、最高におもしろい業務ゲームって言ったら失礼か。
機械自体は浮動式となっており、油圧で装置全体が画面に合わせて動きます。リヤのコンビネーションランプはキャノピーの流用ですね。
画面が平面だけの画面の物もあるらしい中、この教習所の装置はお金をかけた装置で、視界が180度以上あり、各ミラーもそれぞれ画面を映し出します。
オフィス街、歓楽街、海沿いの道、など条件がそれぞれ異なるところで、時限に合わせて「仕込み」の車が出てきます。
面白いのは、車が全部ホンダ製、ステップワゴンに、CR−V、NSXが結構多く走っているのが笑えます。
ガソリンスタンドはホンダ石油。一番大通りの突き当たりにホンダの本社?ビルが目立ってあります、たぶんここは青山通りではないと思うので、ここはTHE HONDA CITYです。

最初にある「先急ぎ」という時限では、女性の客を乗せるのですが、とにかく「早くしてょ!」「早くぅ」後ろの座席からお願いされます。
ホンダの制作者の好みか、若いかわいい子ですが、口調は生意気です。
考えようによっては、ちょっと変な気分になります。
とにかく最初はこの町を安全走行や速度制限無視して、客に言われるまま目的地めがけ突っ走ります。
市販のカーレースゲームに慣れている人は、80キロぐらいのスピードでも物足らないかもしれませんが、この町の車達は無法者の集まりで、すぐに事故を起こしてしまいます。
しばらく走るとスピード感を楽しむゲームではなく、出てくる人、車の動き、など制作した側の仕掛けをじっくりと楽しむロールプレイングゲームのような種類に近いかもしれません。
とにかく言われるまま急いで運転し目的地に行きます。
運転が終わると、それを画面上でリプレイしながら危険な部分を検証します。バーチャルなのでどの方向角度からでも再現できます。
続いて法律を遵守し同じコースを走ってそれぞれタイムを計ります。
なにを勉強するかというと、焦って運転しても、あんまり時間の短縮はできないよということをシュミレーターで学ぶ時間なのです。

さてさて、次の講義は悪条件下での運転です。
そろそろこのホンダシティ?の地理にも慣れてきた頃、雪が降ってきて、雪景色となります。
路面はシャーベット、圧雪、など色々条件は変えられるようです。僕は雪国在住と言うことで、FRのノーマルタイヤと言う難易度の高い設定で、コース走りました。
駐車場の影から出てきた車に当たりそうになり、追突事故を起こしてしまいました。
次は大雨になり、冠水した道路に入ったのですが、エンジン止まってしまいました。
対向車の10トントラックが同じ水たまりに入ったのですが、前輪丸ごと浸かってしまっている深さがあったようで、これも町中でこんなジャングルのような道あるのかよ!という 突っ込み入れたくなるものでした。
教本にある悪条件をこのホンダシティに入れるとやっぱり無理がある、苦肉の場面でした。
この場合、危険が予測される中では、進まずに停止し、回避しなければならないというのが正解なのでした。
その後、海沿いを走っていると横風でハンドル取られたりと、悪条件のオンパレードです。すごいなと思うことは、画面が途切れず、風景がきれいに変化していくことです。
このシュミレーターとても面白かったのですが、人により酔ってしまい、あまり万人に向いている装置ではないようです。
僕とペアで受けていた教習生は、すぐに気持ち悪くなり、 ぐったりしていました。
画面はリアルで座席はそれに合わせて動いているのに、加速や減速のGがないところで、人間の感覚とのずれが、気持ち悪くなるのだと思います。

こういう大がかりな装置を購入しないと、公安委員会から2種の指定を受けられない仕組でなかなか教習所の運営も大変そうです。これもウン千万?とか。
学校に通っていて、感じたのは、今まで癖などないと思っていた、自分の運転を見直すきっかけになってよかったと思う事。
、実技でも車庫入れの10センチ単位で、バックしたり、適性検査では、深視力でシビアと感じる部分があり、目の健康状態が良くないとだめだなあと思いました。
自動車学校はいかに公安委員会の枠の中で、縛りをかけられている、弱い存在だということも、感じました。
この体験は平成15年で、19年度には中型枠と言うのが出来ました、取るの大変になってきてますね。大型2種と言う存在は自分で思うに、「オセロの角」そこさえ取っとけば、どう転んでも大丈夫なポジションだと思います。
乗り物オタクな自分は、これで一安心て感じです。
2種の教習は自動車の乗り方から始まるのではなく、既にトラックなどドライバー経験のある人を前に講義をする訳で、教則本そのままに、きれいごとばかり言っていてられません、おのずと本音?!が出たりして、教官との時間もより親密になり、講義の端々に、その人のお人柄が出て興味深かったです。安全運転に情熱をもって取り組んでおられる人と接すると、次第に一人一人の運転者の心がけ1つで、交通社会がほんとによくなるのではと、真剣に思ったりしました。金と時間かけて取った免許、大事にしないとと思うと同時に、日常、乗用車運転していても、技、気持ち共に、少しだけ幅が出てきた様な気がします。
せっかく高い授業料払って行ったのだから、今後自分自身が運転に関してスキルアップできたと感じるよう、この思いを持続しなくてはならないと思いました。

自画自賛ネタか?!(笑)尚これは平成17年の話ですので、今はまた教習内容が変わっている可能性があります。
なかなかこの免許まで取る事は余裕がないとできない事だと思いますが、自分にとって長年の夢だったので、お金を貯めていましたが、いい経験になりました。
いつかはフルサイズの観光バスに乗って、混んだパークングエリアの駐車場をバック一発で決めてみたいものです。
次は牽引を通り越し、牽引2種か?大特2種とか?!

もとへもどります。