ヘビ年はしつこいのだ!




ぼくは、トヨタ スタウトというあまり知られていないトラックに乗っています。
S53年式、ガソリン2000CC、1750キロ積、コラム4速、エンジン5R
  時々、テレビドラマ「北の国から」のゴローさんの乗っているトラックと間違えられるのですが、確かによく似ています。積載量などは一緒なのですが、あれは日産ジュニア 縦目4灯でライバルです。(もうライバルというより戦友みたいなもんですか?!)
このトラックを手に入れるまで、のエピソードを読んでもらえれば、僕のしつこさが分かっていただけるかもしれません。
いや別に知っていただいてどうこうする訳ではありませんけど、、、、。



今をさかのぼること、7年前の平成4年頃、たまたま地元の通りがりの道で、輪郭が今のとは違う車を発見!
「おおーっ!スタウトやんか!かっこええーっ」
どこのくるまや?ということで車の看板から、某大手繊維会社の車らしいことが分かった。
いやーええもん見せてもらった。とその場は収まったが、あれこそ働く車!かたちも最高と深く記憶に残った。
それから何ヶ月かして、再び近所で、走っているところを発見。
もしかしてここら辺に生息している車なのか?!2度も目撃したのはただの偶然ではない。 こうなれば、居場所を突き止めて、最終的にはは俺の名義にしてやるぅーと誓う


分かっていることは、所有者は某大手繊維会社。由緒正しい大メーカーで、この地元はもちろん、あちこちに工場がありどこの所属か調べるのは難しいが、手がかりがそれだけなので、無理矢理そこの総務部に勤める知り合いを捜し出し、なにかの折りには、その車がどこに置いてあるのか、調べてくれと頼む。
しかしなにぶん大きな会社なのと、頼んだ総務の子が女の子で、そんな古いトラックに対する僕の思いが、伝わらなくてか捜査難航。
しかし、その子から「なんか古そうなトラックが何度かうちのところに来たのを見たことがある」という情報ももらい、確かに今もその会社のどこかで働いていると言うことは、確実だ。
そして1年ぐらいが経った。
ある日のこと、いつも僕は習性のように、なんかいい物おもしろい物がないかあちこちよそ見をしていたところ、小さな自動車修理工場にあのスタウトが入っているではないか!すぐその店に飛び込み、気の良さそうなおじさんにこの所有者の住所氏名年齢職業?!なんかを聞き、こちらの思いを伝えた。
答えは、今修理で入っているだけで、当分車の入れ替えもないと思う。という素っ気ない返事。
ボンネットを見ると、ウオーターポンプが新しくなっていた。
ここぞとばかりに中を見ると、内装もほとんど傷みなし、メーター7万キロで、このトラックは新車からずっとここで面倒見ていて、大阪ナンバーだが、この地元の工場の配属だそうだ。
運転手も大体決まっていて、大事に使っているらしい。 年式は意外と新しく、53年、7万キロは実走だそうだ。
フロントガラスのアール、コラムシフト、そして助手席側の大きな吊り下げクーラー(エアコンではない)頑丈そうなフレーム、シンプルなエンジン。
ボディも錆び腐りなし。毎年の車検の時に1度だけこの店でワックスをかけると言うことだけど。
そしたらこのトラックは53年から今までで15回しかかけてへんのか?
エキセレントコンディション!!
しかしあきらめず、これからもよろしくとお願いしておく。
修理工場と、所属工場がわかっただけでも、大収穫!

数ヶ月後
その自動車修理工場は実は家の近所にあり、しょっちゅうその店をチェックしていた。
また入庫していたため慌てて、情報収集。
すわっ廃車、入れ替えか?!
「いや車検やで」。
記念にと、写真などをとる。 とにかくこの車が欲しいんだ!工場の人にアピールしておく。
最初は変な兄ちゃんと思っていたと思うけど、だんだん工場の人も、わかってもらい、このトラックの検査が9月なので、毎年9月にこの店に、廃車になるかどうか確認に来たらいいよと言ってくれる。
ある期待が一つあった
あの悪名高き、NOX法施行の年、密かに期待をしていた。
というのは、あのスタウトは本社の大阪ナンバーでそうなれば、継続検査は通らない、と言うことは廃車の道へ、
その年がきて、喜び勇んで店に行くと、京都ナンバーを付けたスタウトが待っていた。
店の親父は、「これは当分乗るつもりやで、これは」

まあいずれは、廃車になるのだろうけど、いつになるのやら?
気分転換に、足車にポンコツのサニトラを買い、色を塗って、かっこよくして乗るが、これがまた良くできた車で、いたく気に入り、こんな事ならこんなサビトラを買う前に1台ちゃんとしたやつを生産中止前に買っておけば良かった。
それから、また倉敷で偶然、高所作業車のスタウトを見つけた、
程度は下。
車体はペンキで塗ってある状態。錆び大、機関はすべて可動、2年前までナンバーが付いていたという。 交渉して3万円で売ってくれることに、書類もあると言うこと。
3万は安い!(しかし安いかどうか何も基準にできないけど、まあ気持ち的にということで)
こんな、寄り道しながらひたすら待つ。
このスタウトは結局、書類あることはあったのだが、普通の抹消ではなく持ち主の会社が登記上もう無く、職権抹消したので、ややこしく、岡山の陸事に問い合わせると、再登録することは調停や管財人やなんかがという話になり、色々手を考えたが、登録することはあきらめた。
ということは、ただのはしごつき車が、ドーンと車置き場にのさばり、はっきり言って邪魔。
むりやり、枝の剪定なんかに使ったけど、やっぱり無理がある。
結局、個人売買で長野の人に売った。山荘のオーナーが自分で、屋根の補修をしたいそうだ。

平成8年9月
おかしい。今年はまだ修理工場に入ってきてない。
店に聞くと、今年の車検は受けてないという。
ということは、もう終わりか?
なんだか不安だ。
こうなれば、直接会社に乗り込むしかない。 このトラックのある会社にたまたま給食を納品している友人がいるので、この車の置き場がどこにあるか聞く。
門番の守衛さんに、トラックを探している旨を説明するが、守衛さんは怪訝そうな顔する。
入場理由は、車輌点検ということにして、中に入れてもらう。
トラックはすぐ見つかり、とりあえず安心する。
エンジンキーも付いていて、運転席に紙が貼ってあり、車検切れに付き、使用禁止とある。
とりあえずこのままスクラップになるのをおそれて、譲って欲しい旨や、行きつけの修理工場にも通っていることなど、自分の電話番号を書きメモにはさんでおく。
年が明けてもなにも連絡がない。

平成9年
しびれを切らして、修理工場に行く。
店の人が「あんたを待っていたんやでー」と言う。すでに車は引き上げていると言うことだった。この工場のほかに置き場所があったのだ。
早速見に行く。少しサビが回っているが、たしかにあった。
ついにこの時が来た
数日後板金や手直しのため自分の基地に持っていくために、 初めて運転。おおざっぱな乗り味。いきなりガス欠。それも狭い道で。
「やばいすよー検査ないのにー」でも感動。

サニトラを車検まで乗って処分する関係で、約半年間かけてゆっくり、パテ塗ったり色塗ったりサビ取ったりして、軽く手直し。
再び検査のため修理工場へ持っていく、数日後店の人が、ナンやら変な顔。
なんでも、今,譲度証の書類が大阪の本社に行って、某会社のはんこが、簡単にはだせないと担当の人が言っているという。
こういう訳だからと、店の人が頼んでいる最中で、車検は書類が揃うまでお預けになった。
もうここまで来たら、全てお任せするしかない。

そもそも何でこんな働く車が好きになったのかは、自分でもよくわからないが、かっこいい速い車は昔から、あんまり興味ない。車も僕の中では人間化して見ているからなのかも。たとえるとスポーツカーはキザ男で、働く車は、その脇役。
実はその脇役がかっこいいのだ。
アメリカ映画で「ゲッタウエイ」マックイーンがしていたり、確か知っている限り同名の映画が2本作られたと思うけど。そのラスト近くで、主人公が追いつめられ万事休すと言うとき、偶然ボロボロトラックの爺さんが現れ、まんまと国境を越えて主人公を逃がしてやるシーンなどはいつ見てもかっこいい。
あと、子供の絵本で、「消防自動車ジプタ」は、いつもは出番が無く、寂しく消防署の隅にいたジプタが、山火事の時に、小さい体が役に立ち大活躍して、人気者になると言う物話。
ディズニーの絵本で、「青い自動車」これは、トラックではないけれど、一度捨てられたポンコツの車が、再度新しく生まれ変わるという話。
まあ、ありがちな話だけど、小さい頃見たこういう物が少なからず影響しているんだろうなあ。
10日ぐらいして車屋から電話がかかってきた、
書類が揃い検査も終わったという。
急いで店へ!
新しいナンバーがついている!
今までお世話になった修理屋の親父が、「マイナンバーやな」と言った
ほんとマイナンバー。長かったけど、待った甲斐があった。

と言う平成4年から9年までのヘビ年生まれのエピソードでした。
この対象物が車ではなく、人間だったら危ないストーカーの話。
車でよかった。
今では、ほとんど毎日通勤に使っています。
吉見自動車さん、ありがとう。

そして、次で3回目の車検となる、今の状況です。
手抜きの全塗装で、オリジナルの色のまま綺麗になりました。一応。
近くでよく見ると、失敗がたくさんありますが、、。
分厚い鉄板に守られ、お陰さんで錆にはあまり悩まされてはいません。
あまり硬いサスペンションで、うちの子が泣いてしまい、前後2枚ずつリーフ板抜きました。
ついでに、リアは2インチのブロックと、自作ブロックで、3インチほど車高を下げました。
オリジナルは、15-7,50のサイズですが、15ー60 215を履いています。これでだいぶ車高も下がり、バイクの積み卸しがしやすくなりました。
ハンドルは激重ですが、、、
ラジオは車にあわせて、ロンサムカーボーイのアンプ、チューナー、イコライザーと大げさ!の3段カーオーディオ!
しかしこれだけの装備で音源はFMラジオのみ、でも最近、 これだけではちょっと寂しいので、シートの下にCDチェンジャーのトランスミッターを付けて、FMラジオでこっそりCDが聞けるようにしてあります。
今の使い方が、働く車として使っているので、ほんとはもっとスタイル重視でいじりる予定だったのですが、バイクの他にも、ガレージの整地などで、砂利や、ミニユンボ、粗大ゴミなど積むので、荷台はあちこち剥げ、なんとなく中途半端な仕上げとなっていますが、こういうのもいいかなと最近は思うようになってきました。
けっこう、毎日に近く乗っていますが、運転席は狭く、ポジションは軽トラに近い感じです、ハンドルがかなり前にせり出しているので、大きなおなかの人には辛いかもしれません。
燃費も悪く、町乗り6-7ぐらいで、タンクのキャパも30リットルぐらい、すぐスタンドに行きます。
まあ、これからも手放すことは考えられず、長いつきあいになると思います。
もうすぐ、10万�です。
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