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MPD-NET CML FAQ(Chronic Myelogenous Leukemia)日本語版
(翻訳中)

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原文のFAQは1997年9月30日に更新されました。
日本語版の最終更新日は2000年10月23日です。
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管理者:Joyce R. Niblack E-Mail Jniblack@aol.com
MPD Research Center
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MPD-NET CML FAQ チーム
Dave Benway   XXLDave@ixnetcom.com (チーム・リーダー)
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Richard Bolson   Follyfoot@aol.com
Alexandre Azevedo, MD
Joyce Niblack   JNiblack@AOL.COM
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Copyright 1996, 1997 by MPD Research Center.  All rights reserved.
このFAQのコピー一部を個人的な用途のために印刷してもかまいませんが、著作権保
有者の明確な文書による承諾なしで複写するかまたは再配布してはいけません。質問
は直接Joyce Niblack Jniblack@aol.com まで。
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この中に含まれる著述は一般的な性質のものであり、内科医または他の適切な専門家による勧告の変わりに個別のアドバイスとして解釈しないでください。
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Copyright 1996,1997 by MPD RESEARCH CENTER. All rights reserved.

Translated by Koichiro Tanaka bear@mxa.nkansai.ne.jp
under permisson by Joyce Niblack


 

   INDEX

1. CML(慢性骨髄性白血病)とは何ですか?

2. 症状は何ですか?

3. CMLの診断方法は?

4. 診断時の検査所見は何ですか?

5. フィラデルフィア染色体、BCR-ABLとは何ですか?

6. CMLの治療法にはどんなものがありますか?

7. 100%の細胞遺伝学的反応があった後の、Ph+陰性、BCR-ABL陰性については?

8. インターフェロンとは何ですか?どのように働くのですか?

9. インターフェロンにはどんな副作用が予想されますか?

10. ハイドレアとは何ですか?どんな副作用が予想されますか?

11. 全員がドナー移植を受けることができますか?

12. 移植には保険が支払われるでしょうか?: WILL INSURANCE PAY FOR MY TRANSPLANT?

13. 同種移植のマッチドナーを見つける方法は?: HOW DO I FIND A MATCHED DONOR FOR AN ALLOGENEIC TRANSPLANT?

14. 同種骨髄移植の間、移植後にどんな問題が予想されますか?: WHAT PROBLEMS COULD BE EXPECTED DURING AND FOLLOWING AN ALLOGENETIC BONE MARROW TRANSPLANT?

15. 骨髄移植をする一番いい時期はいつですか?: WHEN IS THE BEST TIME TO PURSUE A TRANSPLANT?

16. CMLはどのように進行するのですか?予後はどうですか?

17. CMLの原因は何ですか?

18. CMLは遺伝性ですか?: IS CML HEREDITARY?

19. 寛解、治癒とは何ですか?: WHAT IS REMISSION, CURE?

20. 骨髄はどのようにタイピングさせるのですか?: HOW DO PEOPLE GET THEIR BONE MARROW TYPED?

21. 臍帯血とは何ですか?: WHAT IS CORD BLOOD?

22. V.O.D.とは何ですか?: WHAT IS V.O.D.?

23. オレゴン/チバ・ガイギー試験とはどんなものですか?: WHAT IS THE OREGON/CIBY-GEIGY/BCR-ABL TESTING ABOUT?

24. 他の情報はどうしたら得られますか?: HOW CAN I FIND MORE INFORMATION?



1. CML(慢性骨髄性白血病)とは何ですか?

CMLとはChronic Myeloid Luekemia, Chronic Myelocytic Leukemia, Chronic Myelogenous Leukemiaの頭文字で(日本語ではいずれも「慢性骨髄性白血病」:訳者注)、CGL: Chronic Granylocytic Leukemia(同じく「慢性顆粒球性白血病」) という名でも知られています。CMLは白血病の一種で、顆粒球(バクテリアを食べる数種の細胞)と血小板(血を固めるのを促進する小さな細胞)を作る細胞が冒されます。初期には顆粒球と血小板の数が増えていますが、これらの細胞はまだ正常に働くので患者は無症状のことがあります。この状態3〜4年続く(慢性期と言います。)ので、健康診断や麻酔前の検査で偶然にこの病気が明らかになることがあります。し
かしながら、最終的にこの病気の性質は変わり、CMLは他の白血病のように振る舞い始めます。こういった変化を移行(transformation)といい、最初は軽微なことが多いですが(移行期)、たいていは約6カ月以内に完全な白血病状態(急性転化期)に進みます。急性転化期が始まってからの生存期間はふつう数ヶ月です。CMLは骨髄増殖性疾患のひとつです。


2. 症状は何ですか?

患者は疲労、虚弱、食欲不振、体重減少などの不特定の症状がある場合が多く、他の理由で行われた血液検査から診断されることもあります。初回の診察では、脾臓はたいてい少し腫れていて、上腹部の痛みや張った感じを引き起こします。軽度のリンパ節症(軽度のリンパ腺の障害)が起きることがありますが、これはCLL(慢性リンパ性白血病:訳者注)にくらべかなり不明確です。急性転化が起きるまで、または、治療や病気の進行が血小板減少症を引き越すまでは止血しにくくなることは稀です。血小板増多症(100万以上の血小板数)を起こした患者では、止血の障害は不完全な血小板機能によるものかも知れません。


3.CMLの診断方法は?

白血球の増加が、感染や炎症で説明できない場合、通常CMLが疑われます。鑑別診断には、他の骨髄増殖性疾患、骨髄線維症、真性多血症、他の原因による白血球増多(感染、炎症)があります。鑑別の際に、脾腫の有無、典型的な血液像、骨髄穿刺、白血球アルカリフォスファターゼ測定、フィラデルフィア染色体(Ph)の有無が有用です。


4.診断時の検査所見は何ですか?

正常に成熟した白血球を含む、30,000以上の白血球数(正常域4,000〜8,000)。40万以上の血小板数(正常域15万〜35万)。骨髄は、数多くの成熟した白血球と成熟中の白血球であふれていて、染色体を調べてみると特定の遺伝子異常が見つかる。これはフィラデルフィア染色体(Ph chromosome)として知られていて、その存在はCMLの診断には欠かせません(ごくまれに他のタイプの白血病でも見つかることがある)。しかしながら、少数のCML患者はPhネガティブです。Ph染色体か、bcr/ablが見つからなければ、CMLとは診断できず、別のタイプのMPDであることになります。


5. フィラデルフィア染色体、BCR-ABLとは何ですか?

BCR-ABLは、2つの染色体(9番と22番)の一部が融合した結果としてできる異常遺伝子の頭文字です。実際、CMLとフィラデルフィア染色体はすべてBCR-ABLにあります。このフィラデルフィア染色体(Ph)は22番染色体と9番染色体のDNAが入れ替わってしまうことによっておこる染色体異常で、CML患者の90%以上に見られます。

9番染色体にはc-abl( Abelson の略)という遺伝子があります。この遺伝子のそばで断裂がおきて、22番染色体のbcr( breakpoint cluster region )という場所に転座します。その際に、これら2つのDNAの融合が起き、一つの融合遺伝子( bcr-abl )ができるのです。

この融合遺伝子はCMLの原因であるばかりでなく、ALL(急性リンパ性白血病)などとも関係があるのではないかと考えられています。BCR-ABLはPh陽性細胞の遺伝子マーカーであるだけでなく、現在では骨髄移植後もPCR法で検査されています。

大変、興味深いことに、BCR-ABLはそれだけに作用する抗体を使った治療が有効であることが実証されつつあります。実現したあかつきには、正常な細胞にもダメージを与える化学療法をせずに、白血病細胞だけを攻撃することが可能になります。
(訳者注:Novartisという製薬会社のSTI-571は、現在、各国で治験が進められており、その予想以上の効果から、医学界のみならず、各マスコミも報道するほどの、世界的な注目を集めています。)


6.CMLの治療法にはどんなものがありますか?

長年にわたって、唯一の治療法はブスルファン(マイエラン)による緩和療法しかありまりませんでした。ブスルファンは白血球数と血小板数を減らし、脾腫を縮小させますが、病気の進行を止めるものではなく、生存年数を伸ばすものでもありません。さらに、最近の研究によると、ブスルファンの長期投与は、後に骨髄移植を行う際、危険性が高まり、二次性白血病を引き起こす可能性があることが明らかにされています。10年ほど前からは、ブスルファンから、より安全でより効果が高いとされるハイドロキシウレア(ハイドレア)に徐々に切り替わってきています。最近の研究では、ハイドレアは移行を送らせ、生存年数を伸ばすことがあるかもしれないと言われています。

文献には、インターフェロンαは、新しく診断を受けた患者の80%で、高い白血球数と血小板数をコントロールすることができるとされています。インターフェロンの驚くべき点は、約40%の患者で、Ph染色体の数が減り、約20%の患者ではPh染色体が探知できないレベルにまで減るという点です。インターフェロンが生存年数を伸ばすことに疑問の余地はありません。しかしながら、インターフェロンがCMLの治癒をもたらすという証拠はまだなく、患者はおそらく一生、治療を続けることになるでしょう。また、費用も高いです(年間、おそらく2万ドル以上。しかし、この問題はほぼ確実に解消されることでしょう。)

さらに厄介な問題は、多くの患者さんにインターフェロンの副作用があらわれるということです。副作用はインフルエンザのような症状から、さらに深刻な合併症まで多岐にわたります。これらの副作用は治療を続けていくうちに軽くなっていくことが多いのですが、インターフェロンを続けることができなくなる患者もいます。

インターフェロンとARA-Cの併用について調査している研究もあります。MDアンダーソンがんセンターは、ずっとこの組み合わせの研究をしてきました。最近になって、インターフェロンとARA-Cの併用が、インターフェロンのみの治療よりも優れているかどうかを判定する組織的な治験が進んでいます。詳細についてはDr. Harriet S. Gilbert (電話 米;212-535-4200)またはDr. Richard Silver (電話 米;212-327-2700)まで。

フランスのCML研究グループは、今年(1997)はじめ、New England Journal of Medicineに彼らの研究成果を発表しました。この研究では、インターフェロンにARA-Cを加えた方が、インターフェロン単体よりも成績がよいとしています。私たちのメーリングリストに参加している、13歳のCML患者の父親は、「娘は、高容量のインターフェロン、ARA-C、インターフェロンの療法で、調子よくしている。」と最近、報告しています。


7. 100%の細胞遺伝学的反応があった後のPh1+陰性またはBCR-ABL陰性については?

血液中のPh+細胞、またはBCR-ABL再配列が見られない患者は、CMLの再発をかならずしも恐れる必要はありません。実際、何年間も再発の兆候もなく、BCR-ABL遺伝子も出てきていない患者たちがいます。重要なのは、陽性細胞の有無だけでなく、細胞遺伝学的効果判定における陽性細胞の数と陽性率です。これは微小残存病変(minimal residual disease)の分野の研究者が質的PCR法と呼ぶもので、定期的に行われます。いくつかの医療センターでは、これを再発を予見する方法として使っており、一定の増加パターンが明らかになったら、できるだけ早く造血幹細胞の注入をすることを勧めています。そうすれば悪性細胞の割合が少ないままで、治療に対しての反応がよりよくなります。


8. インターフェロンとは何ですか?どのように働くのですか?

インターフェロンは細胞が作り出す物質です。ウイルスやある種のがん細胞に対してリンパ球の免疫機能を高めるはたらきをします。CMLの治療に用いられるインターフェロンは、人工的に作り出されたインターフェロンαです。

インターフェロンαはCMLの腫瘍細胞に対して強力に作用することは明らかです。しかし、そのメカニズムはまだわかっていません。インターフェロンは現存する免疫反応を高めることで悪性細胞に対抗するので、効果が現れるのだという考え方があります。他に、インターフェロンが転写(核酸が別の核酸やたんぱく質を作り出すプロセス)を妨げるのではないかとも考えられます。


9. インターフェロンにはどんな副作用が予想されますか?

最初の数週間、かなり強いインフルエンザの様な症状(熱、痛み、関節痛、疲労、不眠、鮮明な夢、不安に満ちた夢など)が予想されます。時間はかかりますが、体がIFNに慣れてくれば、これらの症状は軽くなるでしょう。

不快感を減らすためには、インターフェロンの注射を床につく前に打つのがよいでしょう。タイレノールやエクテンド・リリーフ・タイレノール(訳者注:どちらも米国では代表的な市販の解熱鎮痛剤で、成分はアセトアミノフェン)をインターフェロン注射の30分前に飲むことで、ほとんどの人は副作用から免れることができます。また、アンビエン(訳者注:日本での製品名はマイスリー。成分はゾルピデム。藤沢薬品が申請中。)などの抗不安系の睡眠薬を寝る前に飲むのもよいかも知れません。

数ヶ月後に、インターフェロンの副作用が軽くなってきても、痛みや熱感のためにタイレノールが必要になるかもしれません。また、疲労を常に感じるようですし、なかには集中力の低下や失見当識を訴える人もいます。

強い副作用は、主治医に相談する必要があるのは言うまでもありません。インターフェロンの量が調整されることもあります。


10. ハイドレアとは何ですか?どんな副作用が予想されますか?

ハイドレアは、ハイドロキシウレアの商品名でCML治療に使われる代謝拮抗剤です。経口投与で、血液の組成を変え、白血球数を正常域まで減らします。

他のどの薬でも同じですが、ハイドレアにも副作用があります。一般内科医が驚くような副作用も少なくありません。ハイドレアを服用している間は、主治医の定期的診察が大切です。免疫系が弱くなっている場合がありますので、感染症や軽傷の人のそばにいないのが賢明です。


11. 全員がドナー移植を受けることができますか?

いいえ。適合するドナーが必要です。ほとんどの移植センターでは、55歳以上の患者の移植は行いません。あるセンター(シアトル)では65歳までの患者を受け入れていますが、別のセンター(MDアンダーソン)では45歳以上の患者には、移植を第一選択としていません。

健康な骨髄を移植する前に、化学療法や放射線療法で骨髄を破壊する必要があります。また、GHVD( Graft Virsus Host Disease:移植片対宿主病 )と闘うために使われる薬剤は、心臓、肺、肝臓にただならぬ負荷をかけます。骨髄移植を成功させるには、その治療に耐えうるだけの心機能、肺機能、肝機能が必要です。

他人からの骨髄を使う移植に対する年齢制限を越えた患者に自己移植( Autologus Transplant )をしたり、年齢の高い患者に造血幹細胞移植をおこなう移植センターもあります。


16. CMLはどのように進行するのですか?予後はどうですか?

インターフェロンか移植でなければ、平均余命は診断後3〜5年と言われています。インターフェロンは平均余命を明らかに延ばすことが明らかになっています。自己骨髄移植や造血幹細胞移植も同様に、移植片が生着すれば余命を延ばすことができます。しかしドナー移植と異なり、免疫系は入れ替わっていないので、現在の時点では、治癒をもたらすものでありません。


17. CMLの原因は何ですか?

白血病は、男女双方、全年齢で起こります。ほとんどの症例の原因は不明です。ダウン症候群や他の特定の遺伝子異常を持っている人の白血病の発症率は高いです。電離放射線やベンゼン(無鉛ガソリンにも含まれている商業用の液体)を過度に浴びることとも関連があります。ある種の白血病とリンパ腫はレトロウィルスであるHTLV-1によって引き起こされます。


日本語版に対するご意見・ご質問はKoichiro Tanaka まで


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