指導者 吉 岡 久 幸(T1)
藤 川 克 彦(T2)
1.日時 平成10年2月18日(水) 第4校時
2.場所 コンピュータ教室
3.学級 3年1組(男17人女19人 計36人)
4.単元 課題学習(資料の整理)
5.目標
いろいろな事象について、目的に応じて資料を整理し、その傾向をとらえることを通して、統計的な見方・考え方ができるようにするとともに、数の表現に関する理解を深める。
6.主旨
・教材観
小学校では、様々な資料を目的に応じて分類整理し、表やグラフに表し、その特徴をとらえてきた。本単元では、それを基礎として資料を収集し、分類・整理するときの仕方や処理の仕方の重要性を理解できるようにする。そして、度数分布表や相関図・相関表の見方などを理解し活用できるようにする。
ある資料を統計的に整理したり、読みとったりすることは、その資料から集団の傾向や特徴をとらえる上で重要であると考える。
・生徒観
TT指導では、個別に支援することによって、生徒の学習の状態をしっかりと把握することができた。また、式の計算においては一定の基礎的な学力が定着してきた。しかし、多くの生徒は、身近な事象を関数的にとらえることを苦手にしており、作表をしたりグラフを正確に書いたりすることを苦手にしている。そして、表やグラフを読みとり数量関係を式に表し、一般化することを難しく感じている。
・指導観
生徒に意欲をもって取り組ませるために、データはそれぞれの生徒が興味をもった題材を調べさせようと考えた。そして、統計的に整理した資料を、全体に発表させることによって、この単元の重要さ・便利さ・面白さを感得させたい。
また、集団の傾向や特徴を正確に把握するために、コンピュータを利用することにした。パソコンの操作については、生徒によって活用能力の差が大きいので、2人の教師が援助しながら授業を進めていきたい。
7.計画(2時間)
第1次 度数分布 ・・・・・・・・・2時間
第2次 平均と散らばり ・・・・・・2時間
第3次 相関図と相関表 ・・・・・・2時間
第4次 課題学習 ・・・・・・2時間
8.本時の学習 (本時 第4次 2/2 )
・目標
相関図・相関表の意味を理解させ、資料の傾向をとらえる能力を身につけさせる。
・準備物
平成10年2月作成自作ソフト(相関図と相関表)
9.指導過程
学 習 活 動 | 指導上の留意点(教師の支援) | ・相関図、相関表の意味を復習する。 ・相関関係の強弱については、相関係数を見て判断する。(相関係数が1に近づくほど相関関係が強い。) ・ディスプレイを見て、プログラムの操作の仕方を知る。 |
・T1 が コンピュータを利用して説明する。 ・資料は、都府県の面積と人口の関係を扱う。 ・T2 は、生徒コンピュータとプリンタが正しく作動しているか確認する。 |
1.自分で調べてきた2つの変量を入力する。 @データを一覧表に入力する。 A相関図を選択して画面表示する。 B相関表を選択して画面表示する。 Cr検定の方法を使って、相関関係の強弱を考える。 D入力したデータは、個々のコンピュータのB:\数学\のホルダの中に保存する。
2.相関図と相関表と相関係数より、入力した2つの変量はどんな関係があるのか考えたことをプリントにまとめる。 3.この授業で分かったことを発表する。 |
・T1 はPC_SEMIを使って、T2 は個々のコンピュータをまわり作業が遅れている生徒を援助する。
・xとyのデータによって、各自最大値と最小値を入力させる。
・時間的余裕があれば、グラフと表を印刷させノートに貼らせる。
・相関係数が1に近いほど、相関関係が強いことを再度確認する。
・大きな声ではっきりと発表させる。説明は、pc-semiを利用する。 |
ま と め |
・本時のまとめをする。 ・学習の評価表を記入する。 |
・T1は、相関表や相関図を利用することの便利さ再度示す。 ・T2 は評価プリントを配布する。 |
<生徒が見つけたデータ>
生徒が調べてきたデータの中には次のような興味をひくデータがあった。
(1)火事の件数と被害のあった面積
(2)国別の貿易輸出額と貿易輸入額
(3)クラスの身長と足の大きさ
(4)年度ごとの男の平均寿命と女の平均寿命
(5)年毎の婚姻率と離婚率
(6)年毎の沿岸漁業高と沖合漁業高
(7)川の長さと流域面積
(8)オリンピックの参加国数と参加人数
(9)冬日(最低気温0°c未満)日数と真冬日(最高気温0°c未満)(最低気温0°c未満)
(10)県別の男性胃ガン死亡率と女性胃ガン死亡率
(11)年毎の覚醒剤押収量と大麻樹脂押収量
(12)湖の面積と最も深い深さ
(13)年毎の火事による死者とけが人の数
(14)年毎の石油輸入量とガス消費量
(15)年毎の創刊された月刊誌数と週刊誌数
(16)地震時の死者と倒壊家屋
(17)ゴルフ場の数とゴルフ場の面積
(18)県別の働く人の総人口と一次産業従事者数
(19)いじめの数と登校拒否数
(20)交通事故数と死者数
(21)工場数と働く人の数
@よく分かった | Aまあまあ分かった | B やや難しい | C 理解できない | 17 人 | 47 人 | 2 人 | 1 人 |
【問2】授業内容に興味は持てたか。
@興味が持てた | Aまあまあ持てた | Bあまり持てない | C 持てなかった | 25 人 | 35 人 | 6 人 | 1 人 |
【問3】楽しく取り組めたか。
@楽しかった | Aまあまあ楽しい | B あまり・・・ | C 面白くない | 36 人 | 28 人 | 2 人 | 1 人 |
【問4】コンピュータの操作性について。
@簡単だった | Aまあまあ簡単 | B やや難しい | C 難しい | 19 人 | 45 人 | 2 人 | 1 人 |
・自分で調べた資料を、コンピュータを使いグラフなどを書いたので楽しくできた。データを図や表に変えると、とても分かりやすかった。(R.T)
・プリントで相関図や相関表を書くのは結構苦労したが、パソコンを使うことでとても早くできたし、相関関係があるかないかすぐに分かって良かった。(H.S)
・コンピュータの授業が楽しかった。数学が苦手だけど、今日の授業はよく分かった気がした。相関関係がだいたい分かった。(N.A)
・いっぱいデータを入れたけど、なんか出来なくなってショックだった。コンピュータを使うと、面倒くさいことも簡単にできていいなあと思った。(N.K)
・いつもより楽しかったです。今度はまた違った感じのやつがやりたいと思いました。(M.Y)
・コンピュータを使った授業はとても分かりやすくていいと思う。これからもコンピュータを使った授業をやってほしいと思います。(Y.T)
・コンピュータの授業はもう慣れたけど、今日のは結構分かった気がした。コンピュータの授業は楽しい。(M.A)
・いろいろな人たちのデータを見るのが楽しかった。自分のデータに相関関係がなくて少し寂しかったです。相関関係はありそうでないし、なさそうであるのでやってみなければ分からないんだなーと思った。(Y.T)
・プリントでやっているときは難しかったし、相関関係がどのくらいあるのか分からなかったけど、コンピュータでやってみると何%の危険率で相関関係があるのかが分かって良かった。(A.M)
・結構面白かった。もっといろんな人のデータを見てみたい気がした。みんなちゃんと調べていた。(S.M)
・最初は一体何をやっているのか分からなかったけど、今日自分でコンピュータを使って相関関係を調べてみるとよく分かった。(H.O)
・とても分かりやすくて良かった。また時間があれば、こんな授業をしてほしい。とてもすごいソフトだった。(M.O)
・今日の授業はあまり楽しくなかったから、あまり理解が出来なかった。今度からは、もっと楽しいものにしてほしい。(J.K)
・相関関係はいろいろなもので検定ができて面白いと思った。もっといろんな事を調べて相関検定をしてみたいと思った。危険率何%まで信頼できるのか気になった。(K.M)
・楽しく授業に取り組めたと思う。相関検定のときに出る絵で、どれだけ相関関係があるのかが分かって良かった。このソフトは、使い方が分かりやすかった。(M.Y)
・もっと他のデーターでやってみたいと思った。もっと、こんな授業がしたいです。このソフトはいいと思った。教室でするより理解でいやすいと思う。(S.O)
・自分が決めた、χ、yの変量を決められて相関係数があるのか、ないのか、危険率が何%とかが気になってワクワクした。(M.K)