「今月の問題」 第27回 (平成13年12月)



 左の図のように、一辺の長さが60cmの正四面体と正八面体のモニュメントがあります。
 この中に、どの面にも接するように地球儀が入っています。
 ここで問題です。

 
正八面体に入っている地球儀の半径は、正四面体の地球儀の半径の何倍になるでしょうか

 

 


答えは2倍です。


<ミミズクはくず耳さんの解答>
 辺の長さが60cmの正4面体の各面毎に、各辺の中点を結んで正三角形をつくると、辺の長さが30cmの正8面体ができます。
 この正8面体の4面は、元の正4面体と同じで、同じ球(地球儀)に内接します。
したがって、辺の長さが60cmの正8面体に内接する球の半径は、辺の長さが30cmの正8面体に内接する球の半径の2倍は明らかなので、辺の長さが60cmの正4面体に内接する球の半径の2倍とわかります。


<有無相生さんの解答>
一辺をaとして、底面の正三角形の面積をS、底面に頂点から
下ろした垂線の長さをhとすると、

体積=1/3*S*h=4*(1/3*r*S)
を用いてrを計算するところを、3倍としてしまいました。
r=a/sqr(24)で、正八面体に内接する球の半径R=a/sqr(6)な
ので、R/r=2
答えは2です。


< 高橋 道広さんの解答>

正四面体の球の半径
 正四面体をひとつの辺と、その辺とねじれの位置にある辺の中点を通る平面で切ったときの断面を考えます。
この断面で、AB=60,AM=BM=30√3とするとBC:CM=2:1となる
BM上の点をC,AD:DM=2:1となるAM上の点をDとするとACとBMが垂直(正4面体の高さ)AMとBDは垂直(正4面体の高さ)となっており、ACとBDの交点をHとすると、立体の対称性からHCが球の半径であることがわかります。
CからAMに垂線を下ろし足をEとすると、
BDとCEが平行なのでME:ED=MC:CB=1:2
これとMD:DA=1:2からAD:DE:EM=6:2:1
HDとCEが平行なので、AH:HC=AD:DE=6:2=3:1
よってHCはACの1/4であることがわかります。
(体積を利用した方法は前に送ったので別な方法で証明
してみました)
BC=30√3×2/3=20√3
AC^2=AB^2-BC^2=3600-1200=2400 AC=20√6
HC=1/4AC=1/4×20√6=5√6

正8面体の球
こちらも体積でださないでやります。
向かい合う2つの頂点と、2つの辺の中点を通る平面で、この立体を
2つに切ります。(左右対称になるように)
その断面をさらに対角線で4等分すると、斜辺が30√3,
ひとつの辺が30の直角三角形ができ、球の半径は、この直角三角形の
斜辺を底辺としたときの高さであることがわかります。
直角三角形のもうひとつの辺の長さは、60cmの正方形の対角線の
1/2から30√2(三平方からでもでますが...)
面積の式 1/2×30×30√2=1/2×30√3×h から
h=10√6

よって1:2となります。


<tekiさんの解答>

@ 正四面体の内接球の半径
  斜辺30√3、底辺10√3の直角三角形の高さは、
 三平方の定理より、20√6 となります。
  この三角形において、斜辺と底辺から等距離にある
 辺上の点からの距離は、三角形の面積から5√6と
 なります。(詳しい説明は、図を描かないと難しいですが)

A 正八面体の内接球の半径
  内接球の中心が正八面体を水平に切断した正方形の
 面上の対角線の交点にあるのは明らかです。
  よって、その半径は、斜辺30√3、底辺30の直角三
 角形の面積を斜辺の長さで割ったものとなります。
  従って、内接球の半径は、10√6となります。


<巷の夢さんの解答>
 正四面体は半径から、正八面体は平面図にして面積から
各々の半径を計算しました。


<CRYING DOLPHINさんの解答>

問題図にある正四面体を4個、正八面体を1個をうまく積み重ねると、1辺が120cmの正四面体が完成します。
このとき、もとの正八面体の各面に接する球は、1辺が120cmの正四面体の各面にも接しています。
よって、1辺が120cmの正四面体と1辺が60cmの正四面体の各面に接する球の半径を比べれば……正四面体の相似比がそのまま球の半径比になります。