「今月の問題」 第31回 (平成14年4月)


右式の例を見てください。

既約分数{b/a}と既約分数{d/c}の引き算とかけ積の計算をすると、全く同じ値になります。
 
ここで問題です。

 このようなa,b,c,dの組み合わせは何通りあるでしょうか。

※ただし、分子のb,dの値は、1〜9のどれかの数であり、分母のaとcは2〜9のどれかの数です。

 



答は19通りです。

<teki さんの解答>
分母の大きい方を決定すると、それに伴って小さい方が決定される。
また、2つの分母が決まれば、分子は自動的に決まる。(分母の数の差)
これと既約分数という条件を勘案すると、分母の組合せは以下の通り。
(9,8)(9,7)(9,5)(9,4)(9,2)
(8,7)(8,5)(8,3)
(7,6)(7,5)(7,4)(7,3)(7,2)
(6,5)
(5,4)(5,3)(5,2)
(4,3)
(3,2)

<モルモット大臣 さんの解答>
b/a-d/c=b/a×d/cからbc-ad=bdよってbc=ad+bd=(a+b)dと変形
ここでa,b,c,dは自然数でcとdは互いに素であるからb=d, c=a+bで
ある。ここでc=3~9で場合分けすると1/2-1/3,1/3-1/4が2回、3回
出現しますが、それぞれ確実に数えて19通りとなりました。

<miya さんの解答>
ad=b(c−d)と変形して数え上げました
(a、b、c、d)の組は
(2,7,9,7)(4,5,9,5)(3,5,8,5)(2,5,7,5)
(5,4,9,4)(3,4,7,4)(5,3,8,3)(4,3,7,3)(2,3,5,3)(7,2,9,2)(5,2,7,2)(3,2,5,2)
(8,1,9,1)(7,1,8,1)(6,1,7,1)(5,1,6,1)
(4,1,5,1)(3,1,4,1)(2,1,3,1)

<有無相生 さんの解答>
b*c=(a+b)*d
a+b=b*c/d
c,dは互いに素だから、bはdで割り切れる。
b=n*d (n=1,2,...)
a=n*(c-d)
nが1でないと、a,bは公約数nをもち、互いに素に反する。
故に、n=1
a=c-d
b=d
b=d=k(k=1,2,....)のときの、a,bが互いに素、かつc,dが互いに素
を満たす、(a,b,c,d)の組の個数をn(k)とする。
n(1)=7   (a,c)=(2,3),(3,4),(4,5),(5,6),(6,7),(7,8),(8,9)
n(2)=3   (a,c)=(3,5),(5,7),(7,9)
n(3)=3   (a,c)=(2,5),(4,7),(5,8)
n(4)=2   (a,c)=(3,7),(5,9)
n(5)=3   (a,c)=(2,7),(3,8),(4,9)
n(6)=0
n(7)=1   (a,c)=(2,9)
n(8)=0
n(9)=0

<ふじさきたつみ さんの解答>
b/a=A,d/c=Bとおくと、分数の式は、A−B=ABとなる。こ れを変形すると、B=A/(A+1)、A,は分母が2から、9までの 既約分数で、Bも分母が2から、9までの規約分数なので、その条件を 満たす、A、Bをもとめればよい。  A   1/2 3/2 5/2 7/2 1/3 2/3 4/3 5/3 1/4 3/4 5/4 1/5 2/5 3/5 4/5 1/6 1/7 2/7 1/8  B   1/3 3/5 5/7 7/9 1/4 2/5 4/7 5/8 1/5 3/7 5/9 1/6 5/7 3/8 4/9 1/7 1/8 2/9 1/9  以上 19個です。

<あつしぃ さんの解答>
b/a , d/c : 既約分数
a,c:2〜9の整数
b,d:1〜9の整数
b/a-d/c=b/a*d/c となる、 ---- (A)
(a,b,c,d)の整数の組み合わせが何通りあるか。
(A)より、 (bc-ad)/ac = bd/ac bc-ad = bd

a = bc/d - b ---- @
b = ad/(c-d) ---- A
c = ad/b - d ---- B
d = bc/(a+b) ---- C
@より、bc/dは整数、d/cが既約分数のため、bは、dの倍数
b = n・d ---- D
Bより、ad/bは整数、b/aが既約分数のため、dは、bの倍数
d = m・b ---- E
DEより、m = n = 1
∴ b = d 
条件(A)に代入し、
d = c - a
b = d = 1 の時、
(a,c) = {(2,3),(3,4),(4,5),(5,6),(6,7),(7,8),(8,9)}
b = d = 2 の時、
(a,c) = {(2,4),(3,5),(4,6),(5,7),(6,8),(7,9)}
b = d = 3 の時、
(a,c) = {(2,5),(3,6),(4,7),(5,8),(6,9)}
b = d = 4 の時、
(a,c) = {(2,6),(3,7),(4,8),(5,9)}
b = d = 5 の時、
(a,c) = {(2,7),(3,8),(4,9)}
b = d = 6 の時、
(a,c) = {(2,8),(3,9)}
b = d = 7 の時、
(a,c) = {(2,9)}
b/a、d/c は既約分数のため、
(a,b,c,d) = {
(2,1,3,1),(3,1,4,1),(4,1,5,1),(5,1,6,1),(6,1,7,1),
(7,1,8,1),(8,1,9,1),
(3,2,5,2),(5,2,7,2),(7,2,9,2),
(2,3,5,3),(4,3,7,3),(5,3,8,3),
(3,4,7,4),(5,4,9,4),
(2,5,7,5),(3,5,8,5),(4,5,9,5),
(2,7,9,7)
}

<高橋 道広 さんの解答>
b/a-d/c=b/a×d/cからbc-ad=bd  ad=b(c-d) b/a=d/(c-d)
ここでb/aは既約分数ですからb<>dとすると、dとc-dは同じ数kで
わりきれることになり、このときc=(c-d)+dは(c-d)もdもkで割り
切れるからkでわりきれます。するとd/cはkで約分できるので
仮定に矛盾します。よって b=d a=c-dであることがわかりま
す。この条件を満たす数を決定するとよいのですが、
c、dをc-d>1かつc、dが互いに素であるように決定すれば、上と
同様にa、bは互いに素になるので、十分であることがわかりま
す。
c=3のとき 2>dより d=1          1通り
c=4のとき 3>dより d=1          1通り
c=5のとき 4>dより d=1,2,3        3通り
c=6のとき 5>dより d=1          1通り
c=7のとき 6>dより d=1,2,3,4,5      5通り
c=8のとき 7>dより d=1,3,5        3通り
c=9のとき 8>dより d=1,2,4,5,7      5通り
合計19 通りです

<ミミズクはくず耳 さんの解答>
a/b, a/(b+a) の分子が共通になるもので、
既約分数になるものを数えました。
a = 1の時、b = 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 の 7個、
a = 2の時、b = 3, 5, 7 の 3個、
a = 3の時、b = 2, 4, 5 の 3個、
a = 4の時、b = 3, 5 の 2個
a = 5の時、b = 2, 3, 4 の 3個
a = 7の時、b = 2 の 1個
で、全部で 19 個です。