「今月の問題」 第76回 (平成18年1月)

 整数を1個または2個以上の整数の和の形にします。
そして、その分けた整数の積を最大にすることを考えました。

例えば、5について示します。
5=1+1+1+1+1とすると、積は1です。
5=2+1+1+1とすると、積は2です。
5=2+2+1とすると、積は4です。
5=3+1+1とすると、積は3です。
5=3+2とすると、積は6です。
5=4+1とすると、積は4になり、

最大値は6になります。


ここで問題です。
 ある整数を2個以上の整数の和に分けて、得られた整数の積の最大値を求めたところ、729になりました。
ある整数とは、いくらでしょうか。

<正解者一覧表>       
正解者順位     name      メール到着日時     備 考  
 1teki さん2006/1/1 0:01大阪府 
 2 呑ちゃん さん2006/1/1 0:06 
 3ふじも さん2006/1/1 0:12大阪府池田市 
 4 mhayashi さん2006/1/1 0:12天下の台所 
 5ゴンとも さん2006/1/1 0:35豊川市 
 6y.okada さん2006/1/1 0:38 
 7Michael さん2006/1/1 1:12 
 8まゆみ さん2006/1/1 1:17 
 9信三 さん2006/1/1 3:58シリコンバレーの住人 
10経友会の進作 さん2006/1/1 9:00京都府木津町・67歳 
11いちもく さん2006/1/1 10:58 
12fisherman さん2006/1/1 15:55豊岡市 
13なにわ さん2006/1/1 18:39西宮市 
14テ さん2006/1/1 20:10三重県 
15京都市の走る同業者 さん2006/1/1 20:35 
16oguchan1 さん2006/1/1 23:02岡山県
17スモークマン さん2006/1/2 15:05今年も目指せ囲碁5段! 
18巷の夢 さん2006/1/2 17:40宮城県出身 
19lapin さん2006/1/2 19:59大阪府交野市 
20akira さん2006/1/3 2:57東京都 
21カエ さん2006/1/3 5:16 
22翔鶴 さん2006/1/3 10:26福岡 
23 ほげ さん2006/1/4 11:25北の隠れ家 
24川上智弘 さん2006/1/4 14:43兵庫県出身 
25N.Nishi さん2006/1/4 15:29大阪府:中学教諭 
26y.kobayashi さん2006/1/5 1:33 
27日本酒only さん2006/1/5 15:10 
28ほしの さん2006/1/5 17:20 
29tetsu さん2006/1/6 9:59 
30浜田明巳 さん2006/1/6 16:27 
31kuroneko さん2006/1/6 23:41静岡県 
32 ウラル さん2006/1/9 11:32 
33たまな さん2006/1/9 13:06富山県 
34una さん2006/1/10 18:15東京都 高1
35岡本ボンバーズ さん2006/1/12 4:37秋田県 
36勇水 さん2006/1/12 22:17高知県土佐山田 
37kasama さん2006/1/13 11:08和歌山県プログラマ 
38Hide さん2006/1/13 17:16 
392709 さん2006/1/13 22:30兵庫県西宮市 
40翔 さん2006/1/14 22:57香川県 
41 浮浪 さん2006/1/15 15:25 
42nity さん2006/1/17 14:55石川県 
43橋本 雄一 さん2006/1/18 18:50頭髪が気になりなじめた27歳
44imopy さん2006/1/20 22:30東京都
45おとおさん さん2006/1/22 16:53三重県亀山市
46nobu さん2006/1/25 11:25石川県
47mana さん2006/1/31 0:20広島県
48安楽 さん2006/1/31 15:20宮崎県

答えは、18 でした。

またまた、コンピュータが壊れてしまいました。皆さんからいただいた貴重なメールは全て消えてしまいました。
せっかくの素晴らしい解答を掲載できなくで本当に申し訳ありません。

 

今回の問題は、できるだけ3を組みあらせることによって、積が一番大きくなるのですが、その説明を正解者掲示板で解析していただきました。

 

[143] 正確に説明するには 投稿者:teki 投稿日:2006/01/05(Thu) 09:33

数学の範囲が必要です。(相加平均と相乗平均の大小関係を用います。)
ここでは、面倒なので、小学生にもなんとなく分かる説明で逃げておきます。(私も小学生並みなので・・・)

一定の長さのひもを使って、長方形を作ることを考えた場合、その長方形の面積が最大となるのは、正方形の場合です。
言い換えれば、できるだけ正方形に近い(縦横の比が1に近い)長方形の方が面積が大きくなるということです。
ですから、ある数を自然数の和に分解し、それをかけ合わせて最大となるのは、できるだけ同一(あるいはそれに近い)数字に分解してかけ合わせることで、積の最大値が得られることとなります。
まぁ、小学生に説明するとすれば、こんなところでしょうか?


[145] Re:[143] 正確に説明するには 投稿者:teki 投稿日:2006/01/05(Thu) 12:50

> 数学の範囲が必要です。(相加平均と相乗平均の大小関係を用います。)
> ここでは、面倒なので、小学生にもなんとなく分かる説明で逃げておきます。(私も小学生並みなので・・・)
>
> 一定の長さのひもを使って、長方形を作ることを考えた場合、その長方形の面積が最大となるのは、正方形の場合です。
> 言い換えれば、できるだけ正方形に近い(縦横の比が1に近い)長方形の方が面積が大きくなるということです。
> ですから、ある数を自然数の和に分解し、それをかけ合わせて最大となるのは、できるだけ同一(あるいはそれに近い)数字に分解してかけ合わせることで、積の最大値が得られることとなります。
> まぁ、小学生に説明するとすれば、こんなところでしょうか?

ついでに書いておきますと、今回の問題のように3つ以上の積を考える場合には、対数と微分が必要になってきます。
つまり、対数関数 log(x) が x>1 の範囲でその微分が1より小さくなること(つまり傾きが1より小さいということです。)を利用して証明できます。
ただし、完全に高校数学の範囲ですので、ここでの説明はこのくらいにしておきます。

[147] 自然数であるとしての証明 投稿者:ほげ 投稿日:2006/01/07(Sat) 20:20 [返信]

今 与えられた数の和をkとします。
このときkを適当な数の和として書く方法は高々k^k通りですから(要するに有限個ですから)
あるnとn個の数があって a(1)+a(2)+a(3)+...a(n)=k かつa(1)×a(2)×a(3)×...×a(n)が最大となるものが存在します。
その1つを (n,a(1),a(2),a(3),...a(n))と書くことにします。
このとき a(1)≦a(2)≦a(3),...≦a(n) であるとします。

(1) a(1)は1ではない
a(1)=1のとき (n-1,a(2)+1,a(3),...a(n))を考えると
 a(1)×a(2)=a(2)<a(2)+1 であるから 
(n,a(1),a(2),a(3),...a(n))より(n-1,a(2)+1,a(3),...a(n))のほうが大きくなり最大性に矛盾します

(2) a(n)は4より大きくない
a(n)>4のときは (n+1,a(1),a(2)+1,a(3),...a(n)-2,2)を考えると
(a(n)-2)×2-a(n)=a(n)-4>0より (a(n)-2)×2>a(n)
(n,a(1),a(2),a(3),...a(n))より(n+1,a(1),a(2)+1,a(3),...a(n)-2,2)のほうが大きくなり最大性に矛盾します

(3) もし a(n)のなかに 4があるとしたら 2,2に分割しても和および積は変わらないから
a(1)からa(n)までの数は 2と3だけしかない

(4) 2は3つ以上入らない
これはほとんど明らかです。
(n,2,2,2,a(4),a(5),…a(n))より (n-1,3,3,a(4),a(5)...a(n))のほうが大きいおからです。

以上より 2は0個または1個または2個 残りは3であることがわかります。

   2が0個のとき その数は3で割り切れる
   2が1個のとき その数は3で割ると2あまる
   2が2個のとき その数は3で割ると1あまる
逆に言うと 2および3の和で書く方法は 1通りしかありません。

もし 正の数というだけの条件でしたら 相加平均を使うと
出来そうです。
 そうすると 確かに 対数の微分によって出さないといけないでしょうね。

[148] ほげさん 投稿者:teki 投稿日:2006/01/07(Sat) 21:01 [返信]

補足、ありがとうございます。
要するに、自然数の場合は、2を0〜2個と残りを3に分解した時の積が最大ということですね。
自然数に限らない場合(もちろん正の数の範囲ですが)は、相加・相乗平均または対数の微分を用いて証明が可能ということでしょうか。

[149] 自然数に限らない場合 投稿者:ほげ 投稿日:2006/01/08(Sun) 13:44 [返信]

かなり難しい話になりそうですが…

与えられた数の和をkとします
これをn個の和に分割したとします。
(n,a(1),a(2),a(3),...a(n))について 相加平均 相乗平均から
(a(1)+a(2)+...+a(n))/n≧(a(1)×a(2)×...×a(n))^(1/n)
ですから a(1)×a(2)×...×a(n)の最大値は 
a(1)=a(2)=...=a(n)の時に(a(1)+a(2)+...+a(n))/nのn乗であることがわかります。
つまり n個に分割した時の最大値は (k/n)^n となります。
nを1,2,3,4...と変化させた時この最大値を求めます。
そのために y=(k/x)^x のグラフを考えます。
底をeとする自然対数をとり
logy=x・(logk-logx)
両辺をxで微分して y'/y=(logk-logx)+x・(-1/x)=logk-1-logx
y'=0を解くとx=k/e
 x 0 … k/e …    
 y'  +  0 -
 y  ↑ max 下
よって x=k/e のとき 最大値 をとります

実際は xは整数ですから k/eの計算をして それをはさむ
2つの整数のどちらかが最大値になります。

ちょっと難しい話でした…   
[150] Re:[149] 自然数に限らない場合 投稿者:teki 投稿日:2006/01/08(Sun) 14:57 [返信]

要は、e≒2.71828・・・ですので、3をできるだけ多く使った和に分割する時が最大ということですね。
整数に限らないという条件の下では、自然対数の底eに分割するのが最大ということでしょう。  

 
 
[151] 正の数のとき 投稿者:ほげ 投稿日:2006/01/08(Sun) 15:27 [返信]

>3をできるだけ多く使った和に分割する時が最大
たとえば k=27なら n=10として 2.7 の10個の和にするといいだろう
ということです。自然数に制限していないので 3にする必要はありません(3に近い数になるけど むしろeに近い数になる)

>自然対数の底eに分割するのが最大
正確に言うと 1つ1つの数がeに近い数になるように分割
するということですね