英文を書く決まり−単語と単語の間をあける−
兵庫県豊岡市
谷口 裕
中学校へ入学してくると、新しく英語が教科として加わる。現在では、小学校でも「英語活動」として英語を学習しているが、ノートに英文を書くのは初めてである。アルファベット、単語を書く練習をし、そしていよいよ英文を書く。まず、英文を書く決まりを教える。しかし、ここで問題が起こる。
<説明1>
これから黒板の英文をノートに書きます。
<板書>
This is my bike.
<説明2>
英文を書くときには、次の3つに気をつけてください。
1 文の最初は大文字で始めます。
2 単語と単語の間は少しあけます。
3 文の終わりには、ピリオドかクエスチョンマークを書きます。生徒たちは黒板を真剣に見ながら、自分のノートに精確に書き写そうとする。しかし、上記2の「単語と単語の間を少しあけます。」ができず、文頭から文末まで詰まった英文を書く生徒が続出する。
それを目にしたカナダ人ALTは黒板に向かって次のようにして指導した。
This 人差し指 is 人差し指 my 人差し指 bike. ペンマンシップなどに「小文字2文字分あける」などとよく書かかれている。しかし、このALTの指導のように、「人差し指を入れる」方が具体的であり、どの生徒もできる。
ALTの話によれば、彼女が小学生の頃そう指導されたとのこと。
なお、この指導法については『英語の「基礎・基本」を楽しく学ぶアイディア35』(柳井智彦・大鐘雅勝編、明治図書、1997年)の「5 人さし指をおきなさい」で、内田和男先生の実践として掲載されているものと同じである。平成5年8月だったと記憶しているが、兵庫県加古川市でセミナーが開かれたとき、内田先生がこの実践を発表された。内田先生は「アイルランド出身のALTから教わった。」と言われていた。それ以来、私もこの指導法を使わせてもらっている。
入門期の少しの期間だけこれを続けると、多くの生徒たちは単語と単語の間をあける習慣が身につく。
カナダ人ALTが自らの経験で生徒たちに指導してくれた。生徒たちは、私が指導するときよりも更に熱心にこの指導に従っていた。