過去分詞の後置修飾の導入場面

兵庫県豊岡市
谷口 裕
 受け身の文と関連させ、過去分詞の後置修飾を導入してみた。

<準備物>
本3冊(「源氏物語」、「二十四の瞳」、「坊ちゃん」を使用した。)
<導入の流れ>
「源氏物語」の本を見せながら。(著者名を手で見えないように隠しておく)
T: Look at this book. It's Genjimonogatari .
 Have you ever read this, A-kun?
A-kun: No, I haven't.
T: How about you, B-san? Have you ever read this?
B-san: Yes, I have.
T: Who wrote this story?
B-san: I don't know.
T: How about you, C-san? Who wrote Genjimonogatari?
C-san: Ta-bu-n, Murasakishikibu.
T: Yes, Murasakishikibu wrote this story.
  This story was written by Murasakishikibu.
  Genjimonogatari is the story written by Murasakishikibu.
続けて上記と同様に「二十四の瞳」、「坊ちゃん」で行った。
<板 書>
 Genjimonogatari is the story written by Murasakishikibu.
 名詞 + 過去分詞
 〜された[されている]−
 関係代名詞"which"、"that"でも書き換えられることを確認した。
<留意点>
 日本文化の知識として、次の説明を加えておいた。生徒たちに日本文化を知ってほしいものだ。
 「源氏物語」は平安時代に紫式部によって書かれた、日本で最初の長編小説です。全部で54帖あります。英語訳もあり、世界の国々でも読まれています。
 「源氏物語」という作品のタイトルと作者の名前である「紫式部」は多くの生徒たちが知っていた。しかし、読んだことのある生徒は確認した範囲では、上記のBさんのみであった。古典文学であることと、現代語訳版も中学生にとっては難しいので当然であろう。上記の導入では、読んだことがありそうな生徒であるBさんを指名した。しかし、その生徒は作者の名前が答えられなかったためCさんに振った。意外だった。
 なお、導入で用いた「源氏物語」は勤務校の図書室にあるコミック版である。その紹介もしておいた。興味を持ってくれる生徒が出ればよいが。

Back