関係代名詞"which"(目的格)の導入場面
兵庫県豊岡市
谷口 裕
トランプの手品を利用して関係代名詞"which"の目的格を導入した。関係代名詞の目的格"that"と接触節は既習の文型である。
<準備物>
トランプカード(145o×100o)15枚
<手品のやり方>
- 生徒1人を選ぶ。
- 生徒に15枚のカードの中から1枚を選ばせ、それをクラス全員に見えるようにさせる。
- そのカードを元に戻させる。
- カードをシャッフルする。
- カードを裏に向けて、右から左に1枚ずつ置いていき、3つのグループにする。左まできたらまた右にもどり左に向かって置いていく。5回繰り返すと終わる。
- 右のカードのグループから生徒に順次見せる。その中に該当のカードがあれば、それを3つのグループの真ん中に置いて重ねる。
- 5と6を行う。
- 3回目が終わると、該当のカードを含んだグループのカードを自分の方に向ける。右から3番目のカードが該当のカードである。
<導入の流れ>
T: A-kun, come here.
トランプカード15枚をA君に見せながら。
T: Choose one card and show it to the class.
A君がカードを1枚選び、クラスのみんなに見せる。そして元に戻す。
カードを3つのグループに分け、右のグループのカードから順次見せながら。
T: Can you see the card that you chose? ←関係代名詞"that"を含む文
A-kun: No, I can't.
T: Can you see the card you chose? ←接触節を含む文
A-kun: Yes, I can.
このように質問と答えを繰り返す。
A君の選んだカードがわかったところで、A君とクラスの全員にそのカードを見せながら。
T: This is the card which you chose. ←関係代名詞"which"を含む文
<板 書>
This is the card. You chose it.
This is the card which you chose.
<留意点>
この手品は私が子どもの頃知ったものである。当時は21枚のカードで行っていた。21枚で行うと、時間が長くかかる。時間短縮のため15枚で行った。(21枚の場合は右から4枚目に該当カードがあらわれる。)
時間は計らなかったが、15枚でも時間がかかってしまい、少々間延びした導入となってしまった。また、普段トランプカードで遊ぶことなどが少ないため、ぎこちない手品になってしまった。練習不足である。リズムとテンポが今ひとつであった。
生徒たちの好奇心をそそりながら導入することをねらいとし、この手品を利用した。今回は私の力不足であったが、少々時間がかかろうとも、生徒たちの好奇心をうまく利用すれば、文型導入に有効な手品等も多いのではないかと思う。