関係代名詞"who、which"(主格)の導入場面
兵庫県豊岡市
谷口 裕
オーストラリアへの新婚旅行から帰ってきた友人とその土産にくれた"Upside Down World Map"の話題を用いて、関係代名詞の"who"と"which"を導入した。"Upside Down World Map"については、その前の週に行った2学期中間考査の会話文読解問題の中に取り入れていたため、生徒たちにはピンとくるようであった。
<導入の流れ>
次のように前置きをし、リスニングポイントとした。
これからある話題について英語でいいます。次のことを聞き取ってください。
私の友人はどこを訪れたのでしょうか?
私の友人がくれたものはどこで使われている何でしょうか?
I have a friend who visited Australia a few weeks ago.
He went back to Japan last week.
He came to my house last night.
折りたたまれた地図を手に取りながら。
He gave me this map as a present.
地図を広げて生徒たちに見せながら。
This is a map which is used in Australia.
It's the upside down world map!
<板 書>
I have a friend who visited Australia.
This is a map which is used in Australia.
<備 考>
地図には次の説明書きがあった。
Traditional World Maps are drawn from the perspective of the first European explores and cartographers - with the Northern Hemisphere at the top.
We think it's time to break with tradition and show the world from the perspective of all those people living in the Southern Hemisphere.
After all, there is no ancient geographical feature saying "This way up".
そこで、次のような付け加えをした。
私たちが普段目にしている地図は、ヨーロッパの人たちがつくったものです。だからヨーロッパの人たちの視点で作られています。
ヨーロッパは北半球なので、北を上にしています。でも、オーストラリアは南半球ですね。オーストラリアの人たちや南半球の人たちの視点に立ってつくられたこの地図は、南が上になっています。
視点を変えると見え方が違いますね。
この導入は、先週行ったテスト問題の話題を扱ったため、教材の連続性がある。また、この文型の導入をどのようにするか考えていた授業前日の夜、たまたま友人が私の家に来てこの地図の土産をくれた。偶然である。
私自身もオーストラリアへ行ったことがある。あまり意識はしてなかったが、現地では北が上になっている地図を目にするのがほとんどであったと思う。「オーストラリアでは上が北の地図も普通に使われています。」ということも付け加えておいた。
いずれにせよ、"Upside Down World Map" は南半球の人々の視点という観点から、教育的に意味のあるものであると思う。