英語の歌詞の聴き取り−短冊を使って−
兵庫県豊岡市
谷口 裕
英語の歌詞を聴き取る活動である。短冊にあらかじめ歌詞が書かれているものを利用するため、ディクテーションほど負担はなく、グループ(班)で楽しく取り組める。授業のウォームアップによい。
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<準備物>
・CDプレーヤー等
・使用する曲の入ったCD等
・歌詞の短冊(グループの数)
・短冊をならべる台紙(B4サイズがよい、グループの数)
<短冊の作り方>
- 八つ切り画用紙に歌の歌詞をコピーする。(グループの数)
- 1行ずつ短冊に切る。
- スタンザごとに歌詞の短冊を分けて、それぞれ輪ゴムで束ねる。
- 1セットずつ封筒に入れる。
<やり方>
- 各グループに短冊の入った封筒を1セットずつと台紙を配布する。
- それぞれのグループで、配布された短冊の束を1人1束を持つ。
- 台紙をグループの真ん中に置く。
- 各個人が担当する短冊の英語を各自で3回読む。
- 教師が曲をかける。
- 曲を聴きながら、聴き取った歌詞の短冊を台紙の上に順次並べる。
- "Let's check!"などと言って、もう一度曲をかけ、生徒たちは短冊の歌詞が順番通りになっているか確認する。
<短冊の扱いについて>
短冊の扱いについては、過去数年間に何通りかやったことがある。
1 すべての短冊を同じ色で行う
短冊をすべて同じ色で行う。各自がそれぞれ1つのスタンザを担当する。自分の持っている短冊の歌詞が聞こえたら順次台紙の上に出していく。
2 スタンザの番号を付ける
短冊の色はすべて同じであるが、短冊の左端に「@」、「A」、「B」などとスタンザの番号を付けておく。曲に沿ってこちらから"No.1!"、"No.2!"などとキューを出してやる。生徒たちは自分の番であることが明確になる。
3 スタンザごとに色を変える
これはTOSS中学Kサークルの2000年5月の例会で、神戸市の高場政晃先生が紹介されたもの。上記2の番号を言うかわりに、"Blue!"、"Pink!"などとキューを出してやる。視覚にうったえるため、生徒たちにとって楽しいようである。こちらも楽しい気分になる。
4 スタンザを考えない場合
ただ単にグループごとに短冊を1セットずつ配布する。各個人の担当枠をはずし、グループ全員で短冊ををさがす。あるいは、適当に各個人に短冊を同数担当させる。
上記の1から4のどれがベストというものではない。やってみて一番スムーズに活動がすすむのが3であった。4が一番レベルが高い。
<工 夫>
1 台紙
最初は台紙なしで行った。特に問題はなかった。しかし、それはたまたまであった。別のクラスで行ったとき、どこに短冊を並べればよいのか迷っていたグループがいた。そこで、短冊を並べる場所を明確にするため、B4より少し大きめの厚紙を準備した。それだけのことであるが、活動がスムーズになった。ちょっとしたことだが、これも教育技術の一つであろう。
2 英文の読み
曲をかける前、各自で自分の担当する短冊の英文を3回読ますことを取り入れた。それにより英文がある程度頭に入るため、短冊をさがしやすい。(ただ単に「読みなさい」、「目を通しなさい」ではなく、具体的に「3回読みなさい」の方が生徒たちにとって取りかかりやすい。)
3 ルビ
英語の曲は、中学生にとってはむずかしい語彙が多い。そこで、生徒たちにとって読みが困難であると思われる単語にはカタカナでルビをつけた。(曲や学年により必ずしも必要ではない。)
4 選曲
スタンザがはっきりと分かれているものがよい。また、1年生で行うときには、語彙が平易で、同じ単語が繰り返し何度も出てくるものがよい。例えば、ジョン・レノンの"Love"はスタンザが4つ、各スタンザの行は2行から3行と行数が少ない。ルビを必要とする語も各スタンザ2語から3語、同じ単語も繰り返しあらわれる。
5 人数調整
班員の数とスタンザの数は必ずしも一致しない。一致しない場合が普通であろう。その場合は、余ったスタンザの短冊を全員で受け持つ、また、足りない場合は一つのスタンザを2人で分けるなどとした。