慎司はどうか? 最後に残った慎司

 綾もどうやら抜け出せた。残ったのは慎司だけになった。
 遠くのほうから
「しんちゃん、早く来い。待っているぞ」
と、健二や綾の声が聞こえる。
「ぼくは、秒速8mで走れる。あのトンネルをぬけるのには、ほぼ8秒もあれば通り ぬけていける。」
慎司は前方のトンネルをみすえた。
「あれ!目の錯覚?少しずつ縮んだり、のびたりしているのではないかな。おかしい ぞ」
 慎司は、じっとトンネルを見つめた。
 確かに、そのトンネルは動いているのだ。ギシギシギシと音をたて、だんだん小さ くなっていく。そして、その穴の入り口が点みたいになった時、「バ−ン」という音 をたてて、赤い光とともに大きくなっていくのだ。
 「なんていうことだ。こんなことがあるのか。」
 「もう一回じっくりみてみよう。何かわかることがあるかもしれない。」
 何回も何回も繰り返されることを慎司はみていた。
 穴が開いたときに、遠くから綾や健二の
「しんちゃん、早く来いよ。どうしたんだ」
と、少しイライラした声が聞こえる。
 「そんなこと言ったって、こんなの通れる筈がないよ。」
 「途中でするめどころか。うえから下から横から挟まれて、鹿のふんにされてしま うよ。どうしたらいいんだろう。」

   問題  今までの整理をしてみよう。比例の表、グラフ、式がかけるように。



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