2004ー2

ジャイロ復活か?!

宗谷にはかなりの数のバイクが集まっていて、バス小屋で宴会を始めている。
涼さんはすでにバス停で堂々と酒を飲んでいる、こりゃ成功者の余裕だな。
ここで、今回のプロジェクトの任務、タイムカプセルを埋める為に、穴を掘る。
半年後、ここでシティのミーティングがあるとの事、その時の余興にこの元旦に、 乗り物仲間の滝井さんのメッセージや僕の小物など入れておく。
しかし思った以上に凍った地面は固く、スコップの柄が折れてしまい、深く埋めることが出来なっかたのが、気になる。
再び稚内へ帰り、今度は自分のバイクでカウントダウンの宗谷に行くために、「樹」で用意しながら紅白歌合戦を見る。美川健一と、小林幸子の衣装対決を見てから、出発。
「ビィーーーン」結構町中ではひんしゅくな音を立てつつ、いよいよ40キロ先の目的地宗谷へ。

ほとんど車のない国道を一直線に、走り抜ける。
気温はマイナス2度ほど、風はここでは珍く、ない。とても快適。
岬まで数キロの看板のあと、暗闇から明るい岬の駐車場が見えた。
11時50分頃、宗谷に到達。原付なので意外と時間がかかった。
ぎりぎり間に合った。自分のバイクでここに来るってのはやっぱり格別だね。
今回同じ移動のつっしーさん、涼さんと握手!
でもここで道半ばだけれどね。 「5−4−3−2−1−ばんざーい!!」
モニュメントの上でライダー達の記念写真を撮っているときに、日付が変わった。
やった!とやれやれ半分ずつって感じ。
今年から岬近くに移転した新しい神社で初詣してから、宿の「樹」へ。
稚内市内まで戻ってジャイロのリヤに積んでる箱の蓋がないことに気が付く。
もうほとんどガソリンがない!
風で飛んだみたい、そんなことしながらまた岬まで探しに戻り、見つけたときはAM3時過ぎ、 そこからDEEさんのやってる稚内のその名も「DEE」という飲み屋さんに顔を出す。
テーマは「昭和歌謡」稚内にまた一つ行きたいお店が増えた。

1月1日。

初日の出タイムに間に合わす為には、遅くとも5時半に起きなくては。
1−2時間しか寝られなかった。
でもテントでなく暖かい部屋で薄着で寝られるってのは、ありがたい。
少し明るくなった空に、ジャイロ出動!!
道路は市内はアイスバーン、3輪ドリフトしつつ、目指せ初日の出!
岬に向かう乗用車がドンドン追い抜いていく、対向車はいない。
今走っている車同じゴールを目指している、競争のようだ。
岬に着くと、すでに記念品をもらうための人の長蛇の列が、、、。
この為に観光バスも何台か来ていて、観光客約1000人ほどは、いるだろうか。
やっぱり今回も初日の出は拝めなかった、天気はそんなに悪くなかったが、水平線には動きそうにない雲が居座っている。
今年の催しは、記念キーホルダーと到達証明書。
最北に集まった、ライダー達といつまでもお話ししていたいが、まここで半分となると、 そう気持ちも緩められない。
今日明日で、小樽まで行かなくてはならない。そう時間に余裕はない。
「樹」によって荷物をまとめ、お世話になったDEEさんにお別れをし、 再びサロベツ経由で小樽方面に。
ジャイロではまだこのサロベツをまだ走っていないので、北海道で一番好きなこの道を選びたい。
天気も良く、風もないサロベツの道を、順調に進んでいく。
何度もこの道を走っていると、まっすぐの変化のない海沿いのこの道だけれど、 微妙な勾配やカーブの組み合わせで、写真撮りたい!と思うポイントはいつも決まっていて、 いつも同じ場所で写真を撮っている、自分でもあきれてしまう。
風力発電の風車が来るたび増えていると思う。
根本まで行ってみてみると、「グオングオン」と音をたてている。
なんにもないこの景色に大きな風車が回ってる風景は、何か大きな生き物のよう。
サロベツ原野が終わる手塩の先は灰色。
手塩のコンビニでラーメンを食っていたらやっぱりそこからは雪と風が来た。
コンビニのラーメンはありがたい。着込んだライダーの姿では脱ぐのもめんどくさく、 そのままお湯を入れて、ライダーの姿のまま外で食べられる、とても便利。
カップヌードルの大盛りカレー味は、寒い体に染み渡り、ほんと格別の味だ。
元旦なのに手塩のスタンドは開いていた。予備の燃料持っていたが、保険のために入れておく。
このジャイロは満タンで4リッターしか入らない、航続100キロ少しが限界だ。
一応今晩は吉里吉里に行くつもり。前回キャンセルしてしまったし、今回はなんとしても そこまで行っておかなくては、明日の小樽には間に合わない。
途中暖かいコーヒーが飲みたくなったが、吉里吉里までドリップコーヒー我慢する。
淡々と、小さな町を通り抜け、目的の吉里吉里には夕方に着いた。
道はそんなに悪くなかったが、原付スクーターの速度は、やっぱり遅い。
とりあえず、店に入り服を脱いで耐熱グラスに入っているコーヒーをカップに入れ飲んだ。
「あーー」とそれ以上声にならなかった。
トラ乗りの3人、涼さんつっしーさん あとは毎年の常連さん。
ライダー6人はメシ前に近くの温泉に。
湯船につかり再び「あーー」とそれ以上声にならない。
寒さ、暖かさ、のこの落差がたまらなく贅沢な気分。
晩ご飯もおもちや、ワインなど豪勢な料理。
そうだ、今日は元旦なのだと、実感した。

1月2日

吉里吉里を9時頃出発。晴、気温0度。
トライアンフ乗り虎吉さん3連隊をほぼ同じくして出発。
羽幌の市内はガチガチの氷、しかしジャイロはものともせずに、ドリフトしながら進んでいく。
いったん国道に出れば、特に変化のない道、アスファルトはだいたい出ていて、走りやすい事は間違いないが、少しもの足らない。
道はやや溶けかてている部分もあり、車からの水飛沫もかかる。
これ以上暖かくなると、あまりうれしくない。
時折強風が舞い込み、非力なジャイロが風に負けそうになる。上り坂では時速30キロを切る場合も。風防が時々風でぐにゃと曲がる。
今回の燃費はリッター20キロほど。いつもの2割ほど悪くなっている。
風よけの板が道に平行して設置してある、そのつなぎ目の隙間から強力な風がかなりきつい。
とちゅう疲れて、休憩すると、僕の前に出た虎吉さん3連隊に抜きつ抜かつをずっと繰り返し、これは夕方石狩まで続く同じペースだった。
この3人は関東でトライアンフに乗っているそうで、最北にはスクーター2台、SL250で初参加、一台のバイクに予備燃料、携帯を充電できるようインバータなど工夫してある。さしずめタンクローリーと電源車があるようなもの。
最北端では、イギリスの国旗、ユニオンジャックがはためいていて、おおっつ!ついにイギリス車も参加かと思いきや、バイクはスクーターでそう言うことだったのです。次回は是非、トラで!
何回目かの休憩をバス停でしたときに、見慣れない水入りのポリタンクがおいてあった。「???」っておもったら、そのうちつなぎの男の人が真っ赤な顔をして入ってきた、波乗りのサーファーであった。「おお!未知との遭遇!」
冬の北海道で遠目には見たことあったが、今は第一次接近遭遇。
かなりびっくり。一般の人が冬の北海道のライダーを見たらこんな気持ちか?! 今までさんざん言われたこの言葉、まさかこの言葉北海道で自分が使うとはね「寒くないですかー?!!」って聞いてみた。「外に出ると寒いですね」水温は2度ほど、外に出たら置いてあるポリタンクのお湯をかぶるそう。ドライスーツでもやはり周りからしみ込むそう。冬季のサーフィンは限界が1時間ぐらいらしい。素人が波にのまれれば、3回で吐くという。
ちょうどかき氷を口いっぱいにほおばり頭痛くなった時の5倍痛いそう。「5倍」と言うところが真実味がある。10倍ではなく5倍。
そんな話をしていたら、真横に観光ハイヤーが止まって全員がこっちを見ている。
ライダーとサーファーが話している光景は、この雪景色にかなりミスマッチ。
奇人変人集合!か。
車には波乗りボードの他にスノーボードも積んでありますよと出して見せてくれた。
このままの格好でスキー場に行ってほしいなと思った。
この方は地元サーファーの佐藤さんと言う方、とても親切な人であった。
分厚いジャンパー着ても「寒い寒い」と言ってる自分が情けなくなってきた。
この3日間とくに昨日今日と甲高い排気管漏れの「アーン」という音が耳に入っていて、これが平地でかなり一定の音のまま日中聞き続けることになる。
人の声にも近いような音、「ダウンタウンのまっちゃん」が耳元でずっと「アーン」て叫ばれてるよう。
それともこの音は「ギターのチューニングの音かも」 「A」の音に、、、下りでは少し高く「A♯」
日が暮れるあたりに石狩を越え道の雪も消えてアスファルトになった。
とりあえず小樽港を目指し、着いた頃夜になった。
健康ランドに泊まるために薄着に着替え、ガリガリのアイスバーンの市内をドリフトしながら走り回る、信号待ちで一番先頭に出て、市街地怖いものなし。市内最速かも。なんでもいいから配達したくなってきたぞ。それともぎこちなく雪道歩く観光客にこのジャイロ貸し出そうか?
夜になって、温泉で大阪のオフ車のライダーとつっしーさんと合流、 温泉に入りながら、物まね歌番組を見る。
これで一応今回のツーリングは終了だな。

つづく