2004ー3
「果てなく続くストーリー」
1月3日
予定通り船は10時30分に出航。
天気晴れ。
風もなく出航前の船のデッキに出て風景をぼんやりながめる。
目の前にある天狗山が綺麗だ。
夏の北海道の帰りの船は、もうおしまいか、と言う名残惜しさだけれども、冬の場合は達成感に浸りきれる。
しばらくは沿岸を沿って船は進むので、景色見ながら甲板に出ていた。
陸地は遠くになり、青黒い固まりに、冷たい風がきつくなり外に出ていた人も一人一人中へ入っていく。
こちらは寒さ対策に、ポケットにウイスキーを入れてちびちび飲んでいた。
最後までデッキにいたのは僕と、雪で遊んでいるスエーデン人、最後に残るのはどっちだ?!
ウオークマンからミーシャの「果てなく続くストーリー」が鳴っていた。
スエーデン人が雪遊びに飽きて中に入っていった。
甲板には僕一人となった。
船の軌跡が外海に向けて大きく曲がった。
目の前の景色、旅を終えた、安心感と満足感、それらがこの音楽と混じり合って、「じーん」としてしまった。
その後船内に入ると、ライダー5人全員がロビーで酒を飲んでいた。
そこに混じって今回のツーリングをつまみに、酒が進んだ。
驚いたことに、全員がパソコンを使い、ヤフーオークションを利用していることだった。恐るべし、、、。
1月4日
天気が夏並に良く、ほとんど揺れない。
昼頃からは暖かく感じ、甲板に出て時々見える陸地を見ていた。
夕方定刻に舞鶴港に入った。
デッキに人がたくさん出てきて、景色を見ている。
行くときは雪だったけれど、今は何もない。春のようだ。
まとめ
2004年はすごく楽しかった。
理由を考えるに、
やっぱり最近トランポを従え、大名ツーリングしていたために忘れていた、ソロツーリングと、助け合い、ライダーとしての実感を改めて強く感じた。
今回は日程に余裕もなく、全て宿に泊まることにしていたので、テントシュラフなどかさばるモノを持って行かなくても良く、荷物全部リヤの箱の中に収めることが出来、とても身軽に走れたことも、快適でした。
今年の天候はとてもよく、後で思えばバイクの不調も結果的にツーリングの盛り上がりの一こまとして、なくてはならないものとなった。
しかし腑に落ちないのは、カーボンの詰まりは短時間で全く吹けないようになるものか?考えるに、一日目という事の気温の差でマフラー内の水分がどうにかなって、こびりついたカーボンに影響が出たか、出る前にパワーアップ添加剤(水抜き兼カーボン対策)を入れたのだけれど、それがなんらかの急な変化をもらたしたか、、、。
やっぱり直前に変わったことするのは、ほんとやめた方がいいと思った。
帰って早速マフラーを切って中身を確認した。
マフラーの中はコップ一杯ぐらいのカーボンがこびりついていた、普通こんな物なのか、どうかはよくわからないけれど、その中の小さなかけらが、最後のパイプの中に、詰まっていた。これなら外側から、棒でつつけば簡単に取れたと思う。
けれど、こんな事は後になってから言えること、現場ではなかなかわからないわな。
ジャイロスパイクタイヤでの雪中走行の走り安さに関して、、
こちらでの湿気のある重い雪ではハンドル取られたりしたが、深い雪の中に入っていくと、パワー不足でスタックする。
北海道の乾燥した雪ではとても快適、アイスバーン上ではハンドル傾けスロットル開けると簡単にアクセルターンできておもしろい。
3輪でこけるという状況はおきにくいけれど、起こるとすれば前輪がどうにかなったときで、今回一度あったがすぐに足が出て、なんとか持ちこたえた。
当然というか、今回の転倒回数はゼロでした。
今の時点で来年は、、、、と言うことは考えられないけれど、またおもしろいネタがあれば、やってみたい。
そして今回の番外人、、、、。
帰りの小樽のフェリーターミナルで対面した。
林さん、バイクは錆たダックス90 タイヤはノーマル、おまけに山は2分山。
その時の所持金数百円、堂々の30歳代。こんな日本人離れした彼に、乗船後他のライダーから食料、たばこ、などカンパしてもらっていた。
彼はまさか自分以外に冬に北海道をバイクで走っているやつはいないだろうと、情報収集にインターネット検索では、「冬山、登山」などのキーワード探していたらしい。帰りの船にライダーが乗っていることに、驚きと、喜びでいっぱいだったそう。
北海道上陸初日でタイヤがスリップ、転倒するたびにチェーンが外れ断念したという、よく見てみるとチェーンがタルンタルン、「おいおい、タイヤもすごいけれど、チェーンくらいは張ってもよかったんとちゃうの?」皆で爆笑。
今年の最北端はバイクが40台ほど集まっていた、ネットなどで情報収集しやすくなったためか、けっこう装備やタイヤなど、きっちり煮詰めてる中、林さんは、ノスタルジーすら感じさせる存在だ。
いつまでもこのままでいてくださいね!!(無責任発言)
おわり