2005ー1

宇宙船ストリーム号 発進!

ストリーム編

今年度は夏頃から行こうと決めていた。
去年のドラマチックな展開にすっかりはまっていたのでした.
去年の思いとしては、ジャイロのスクリーンの効果は絶大でしたが、こびりついた雪が邪魔で、絶えず手で払うのが手間だった。ストリームのワイパー付きスクリーンがとても有効にみえ、その効果を実践してみたいとも思っていた。
最北の為にストリーム乗ってわけではないけれど、これで行くとなれば、去年の2番煎じの3輪スリーターになる。 
ただ、見た目、最北にはあまり似合わない形と言うところでの面白さ、去年とは違う片輪駆動スリーターの興味、去年トランポで移動してしまった空白の区間の穴埋め、など、今年もう一度トライし、これで3輪スリーターの完成版としておきかたかった。
試しにストリームにジャイロのスノータイヤがはまるかどうか試すとジャイロのハブがぴったりと合った。オフセットも合っているよう。
ストリームにハブごと付け換えカバーも付けて後ろは見た目、ジャイロになった。
ストリームは、元々の程度はレストアベースでしたが、やるほどにきりがなく、とりあえず電装品が動き、普段の走行に支障がないようになったところで、良しとしていました。冬のために改めてしたことはあとはありません。
今回でいとなてぃさんにストリームのスクリーンや、キャリアを調達してもらって助かった。
フロントは捨ててあったスカッシュからスノータイヤを調達、なんとホイールは同じ。リアタイヤに関しては去年も使って安心感のあった、6部山のスパイクタイヤを使うつもりでしたが、「なんでも実験してみましょう」という、涼さんの意見もあり、こちらの冬用として使っているスノー?(スタッドレス)タイヤを使ってみる事にした。
ストリームはジャイロと違い、タウンユース向けの乗り物、キャリアなどの装備が最小限しかないので、去年よりもさらに荷物を減らさなくてはならない、これも去年使った米びつボックスを使う。今年はこれに入らない荷物は持っていけないとなると、かさばる着替えの服はほとんどなく、この中で自分の楽しみとして持っていった娯楽品は、ウオークマンとドリップコーヒーセットだけ。
最近は「何がいるか?」ではなく、「何がいらないか?」ってことでより厳選された荷物の選択をするようになりました。

12月26日 雨

本日夜、出航予定だったがストリームの準備が間に合いそうになく、明日に延期、今日の出発ライダーのバギーのまっちゃん、広島の涼さんの見送りをする。

27日 

自宅出発、いきなり雨。まあ少しの距離だから濡れるのは我慢しよう。
今年から新造船、新ダイヤで正月前後もぎりぎりまで運行しているので、予約なしで乗船できた。
今日のライダーは、つっしーさんセローいーびーさんエイプ、深夜に出航。
揺れは平年並み、少し酔うのか一日寝ていた。
28日夜に上陸。船から見える小樽フェリー埠頭は雪が多い。真っ白だ。
港の灯りが雪に映えて綺麗に見える。自然に気持ちが上がってくる瞬間。
今年から夜に小樽に着く。夜は走らないけれど、このまま寝るのはもったいないので、寿司屋で特々上を食べて、1500円、小樽の健康ランド泊。
最初にご褒美食べてしまった。
しょっぱな入れたガソリンスタンドで、店員が「こんなバイクじゃナマラすべるっしょー」なまら=ものすごい って訳した。

29日 気温 マイナス4度

渋滞時間までに市街地は抜けておきたいので、朝7時に健康ランドを出発。
市街地はは凸凹の圧雪アイスバーン、積み荷もがたごとうるさく、非力なエンジンで、この氷道はとても走りにくい。
国道5号線からは、道の除雪状態もとてもよく、渋滞もなく石狩の海沿いに抜けていく。少し手足が寒くなってきたので、いつもと同じコンビニでパンとコーヒーの朝食。そこからは海沿いに入り、日本海沿いの天気で横風プラス雪。
トンネルの待避所は風がないので休憩場所、去年エンジン不調で困った場所など思い出しながら、留萌まで順調に進んだ。小さなラーメン屋さんでお昼のテレビ番組を見ながら醤油ラーメンを食べる。
「外が寒いほどラーメンはうまい」私の持論。
留萌からは真っ直ぐの海岸縁の道が続くので、ウオークマンでレゲエをBGMに走ってみる。雪の花が飛び散り、波しぶきの合間にカモメが休んでいたり飛んでいたり、寒そう。
小さな鴨も波間に浮いて餌を待っているよう。
真っ白の冬景色でも海はやっぱりレゲエですなー。意外と合います。
ここらあたりから、風力発電の施設があり、風を受けてプロペラがゆっくり回っています。
面白いことに、なぜか強い風の中でも動いていないものが一台ぐらいあるのです。人間の世界でもあるようで、少しほっとしたりして。
少し日が傾いてきた15時頃、今夜の宿「吉里吉里」に到着。
約200キロ、ガソリン3回 7時間 のペースでした。
熱いコーヒーを飲んだ後、宿泊者全員で、近くの温泉へ、、、。
しびれていた手足が、ゆっくりと解凍されていくよう。
ここでの夕食は、準備期間中からあまりまともに食べてなかったので、久々のおいしい晩ご飯で満足した。
30日

朝から雪が降っている、コーヒー飲んだあと9時頃出発。マイナス5度
しかし出てすぐから、10メートル先が見えない、猛吹雪。
車はハザード点けてのろのろ運転。止まるのも危なく、路肩の雪につっこんでしまい、吹き溜まりの山にタイヤを取られ、しまいにはストリームのエンジンも止まってしまった。吹雪かれながらもエンジン再始動させるが、かからず、嫌な予感。
このままの天気では進むの難しいなーと、まだ午前中なのに、弱気モード。
今日は一日こんな天気なのかなあ、、どちらにしてもエンジンかけなくては、、
広い道まで押し歩き、道ばたで工具を出すが、吹雪で作業がはかどらない。
向かいの大きな工場は空いているようだったので、場所だけ借りようかと思ったが、動かないバイクを押して中に入れることができなく諦めた。

しかし空の色が少し明るく、しばらくすると青空が見え隠れしてきた。 そう言えば出発前にネットでこの辺の雪雲は、すぐなくなりそうな気配だったことを思い出した。
ぼんやり空の様子を見ていたら、2−30分ほどで、風はやみ空は嘘のように晴れ渡った。気分も、持ち直して工具を広げ、点検してみるが、やっぱりキャブレターのようで、外側が氷の塊になっていたのをドライバーでつついて掘りだす。
ばらしてみるとニードルの根本に米粒大の氷の塊が、数個付いていた。
「これかー!」って取り除いてエンジン再始動するも、やっぱりかからない、
もっと溶かさないとダメなようだが、路上での作業では限界があるなあ、試しに予備のガソリン振りかけてみる、ほんの少し溶けただけで、やはり温度が同じもの同士ではあまり意味がないみたい、
ガスを出して、なにかしようにもトランクのキーが凍ってしまって出せない、、、昨日、解氷剤買っておけばよかった。
途中、何人ものライダーに声をかけてもらった、「大丈夫!」とは言ったもののなあ、、キャブの穴に指突っ込んで、情けないけれど体温で暖めるしかない。deeさんの「トランポ」や、今年の言い訳など、様々な言葉が頭の中が交錯する。
天気は快晴になり、まぶしいぐらい。
まあ状況的には悲惨だけれど、天気がいいので、そんなに慌ててなくて、キャブに指さし込んだまま、タバコを吸って考えた。これがアイシングと言うものだろうなあ。初めての経験。昨日は順調だったのに、なんでこうなった?
気温はそんなに変わらないし、昨日と違うのは今日は吹雪いて雪煙がかなり多く吸い込んだようだ。
やっぱり雪を吸ったのが原因かも。
まだ町はずれなので、押して吉里吉里まで行けなくもないな。などと考え始めていたら、一台のバンがUターンして声をかけてきてくれた。「どうしたの?壊れた?」
「バイクを暖めることができれば、動くと思うのですが」「この反対側が工場だから中に入れればいい」ということで、バイクを押してもらい、最初見ていた工場に入れた。工場は空き屋ではなく、あまりに大きく中にいる人が見えなかっただけなのでした。
工場の中は船が造れるぐらい大きく、その中で廃油ストーブが何台もガンガンに炊いてあった。
鉄工所のようで、機械工具類があり、「助かったー」って感じ。
すぐにバイクをストーブのそばで暖め、キャブをばらした。
この工場は今日仕事納めの昼飯前、工員の人たちが、工場の清掃をしていた。
声をかけてくれた人から、ゆっくりしていきなさいと言って、缶コーヒーをいただいた。気持ちてきには、一刻も早く直したいし、工場の人たちも忙しそうだし、コーヒー飲んでいる気分ではないのだけれど、ありがたく頂き、一服した。
時々、声をかけられ「旅行かい?」などと聞かれ「まあそうです」などど申し訳なく答えた。みんな働いているのに、ええおっさんがこんなところで助けられて、情けない、、、。
一時間ほどして、だいたいの内外の氷が溶け乾いた。念のためにキャブレター全部の穴にコンプレッサーのエアーを吹いて通っているか確認し、バイクを組み立て、お礼をして、再び国道に戻った。
どうなることかと思ったが、あんまり無駄にすごくこともなく、エンジンは調子よくなった。やれやれ。
つづく