2007

「借り物競走、マイティ」

2007年はどうしようか、行くかどうかも含めぎりぎりまで困った年末でした。
最終的に知人のマイティダックス、ST90という、希少なバイクをセミレストアするために預かる事になり、タイヤがキャラメルパターン?の新品が前後とも入っていた事が、最終決定の理由となりました。。
幸い、暖冬気味の北海道と言う事で、多少無理してでも到達できるのでは?と言う若干の甘い読みもあり、片道4日間かけてなら、到達確率70%ぐらいは期待できると踏み、最北の準備しました。


12月26日 

大雨、日付が変わってから、定刻舞鶴港を出発、海上でも揺れは夏並みに安定した天気でした。
しかしこの2日後つっしーさんの船は10時間遅れという海の荒れだったようで、この日はかなりラッキーでした。
小樽港定刻27日20時に入港。一昨年も行った小樽の寿司屋でとりあえずの晩餐、つき出しがタラバガニ!初日からちょっと贅沢。夜は健康ランドに一泊。


26日、

気温0度、道の脇に雪が残っているぐらいで、曇天の小樽を出発しました。地元のニュースではこの雪の降らない天気に札幌のゴルフ場が再開したという。テレビではスキー帽をかぶったゴルフ客が、「温かいから、気持ちいいです」なんてコメントしていました。
天気は日本海沿いに出た辺りから快晴、気分はとてもよろしく。道の状況は全くのドライ。気持ちよく走っている時、「ざぶーーん!」波が国道に大きく打ち上げ、まともに海水を被ってしまった。服が濡れるのはいいが、古いバイクの電装系に塩水は毒だわー。エンジンから湯気を出しながらそれでも、調子崩す事なく、走り続けた。
今回の心配事は、タイヤの選択よりも、この年式の弱い電装系が、どこまで信頼できるかと言う事でした。
同年型のモンキーやダックともまた違い、マイティはバッテリ−点火式で、バッテリーの電圧がないとどんなにキックしてもエンジンはかかりません。
発電系にトラブルが発生すると、どうにもならない弱点があるのです。今回バッテリーは新品にしましたが、6ボルトなのに、7000円もした。
出発3日前にバッテリーが届いた状況で、走行テストも数回通勤に使うだけしかできずに、腐ったガソリンの匂いが残ったまま、多少の不安を残したままの出発となりました。
今回不動の状態から引き上げてきたマイティは、錆び落とし、キャブのOH、各オイル交換、ケーブル類のオイル潤滑など、軽い整備だけでの復活となりました。
マイティの生まれは1972年、設計のポイントは、「低、中速でねばり強い90cc OHCエンジン 悪路にも強いすぐれた走破性とタフな装備 」ということで、最北アタックにはもってこいの謳い文句、この70年代のレジャーバイクがどれほど通用するのかという検証も兼ねたいと思います。
ガレージに持ち込んだときは、寿命の切れたバッテリーで試走していた為に、マイティの電圧は30V程あり、すぐに全部の電球が切れました。
応急の対策として,12Vでワット数の高いバルブと交換したりして、試行錯誤していました。結局バッテリーを交換すると電圧の問題は解決しましたが、この年代の小排気量のバイクは電装に弱いと言う現実を実感しただけに、この辺りのトラブルと、この暖かさで、水の浸入でケーブル類のトラブルの対策をとりました。
気温が低いと、水のトラブルは発生しませんが、気温が高いとこのあたりのトラブルの発生率が高くなります。
現行のバイクだと、ブレーキレバーの付け根に小さなゴムカバーがついているのですが、マイティはむき出しなので、適当なカバーを付けました。
それと共に道路の水しぶきをフロントタイヤがエンジンや足元に巻上げないようにトラックのゴムチューブを切り、大きな泥よけを付けました。
プラグケーブルからのリークも耐熱テープで対策しました。昼までトラブルもなく、無事増毛まで走り、国鉄の駅のあった待合室でコーヒータイム。
やっぱドリップコーヒーは美味い。休む場所も時間も、コメントも同じだわ。
まだまだ走れたのですが、14時に小平につき、今年はゆったり館で宿をとりました。
元々小平のユースに泊まるのが、恒例でしたが、閉鎖され代わりに同じ場所にこの施設が建ちました。ここは施設が立派の割に安いのです。
本日2回の給油。予備タンクになった時点で、満タン入れても2リットルも入らない。航続距離は100キロあるかどうかだな。航続距離は原付スクーターなみです。
27日

小平出発気温はプラス気味、
昨日の石狩から留萌までは緩やかなアップダウンがあり、大きな排気量だとそれほど感じないのですが、前回のスクーターだとかなりスピードダウンする、このマイティはトルクもあるので長い坂道は一速シフトダウンするぐらいで乗り切れた。
しかし平地でもトップスピードは70キロは無理、実際は50−60キロのペースで、車にはどんどん抜かれる状況でした。
あまり早いと、体のすきま風が寒いしな。ちょうどぐらいか。
小平からは町の間隔も長くなり、商店が道路に投げた雪が道を濡らし、ヘルメットやバイクがしぶきを浴びて、走りにくいが、 それ以外の海沿いの道はアップダウンもなく快適走行。ただ雰囲気として北海道に来ているのに雪がないと言う状況は、どうなのだろう。複雑な大人心。
昼過ぎにはサロベツ手前の手塩に着いた。後2時間程で稚内に入れるが、天気も当分良さそうだし、サロベツロードを今一度堪能したい為、明日に延期、豊富温泉でのんびりする事に、、。
豊富温泉には7−8件ホテル旅館があるのだが、今年営業いるのは一件ぐらいか、、。
やっぱり中規模の宿はかなり経営厳しそう。燃料代も高騰しているしね。
ここの町営温泉のお湯はかなり異色。元々は油を掘削する時に温泉が出たそうで、匂いなど独特。湯船も水面に薄い油膜があり、お湯の出口にはオイルフェンスが張ってある。
この日から風呂タオルがこの匂いにずっと占領された。身体にも効きそうだけれど、その日のおかずは天ぷらや唐揚げ類は敬遠したい気分。
夕方から閉店まで大きな休憩室で、テレビを見ていた
。食堂の特製ジンギスカン美味かった。なんだかまったり気分。この後はサロベツに戻りサロンの様なトイレで仮眠。


つづく