帰ってきた
初日の出最北端
バカシリーズ第3弾


初日の出歴


●昭和64年 自分はXL250で、相棒の塚ちゃんVF400と宗谷岬初挑戦、大失敗。無人駅で正月を迎える。
●平成2年 自分はモンキーで、相棒の塚ちゃんは、やはりVFで、宗谷岬に再挑戦。前回の失敗で学習効果があり、大成功。
●平成4年 DR400でオーストラリア大陸一周。エアーズロックで初日の出を拝む。
●平成五年 2stジムニーで宗谷岬へ、塚ちゃんVFは失敗。エアーズロック組のモンキーのカーペン、リードのミヤチと岬で合流。そのとき「来年は、みんなの手持ちの4発で宗谷に集まれば、さぞかし面白いやろなあ」という話で盛り上がり、来年の正月の合い言葉は「4発でGO!」に決まる。

●そして今年、俺は走行80000kmのZ650で、塚ちゃんはいつものVFで12月26日新日本海フェリー上の人となる。いったいどうなることやら…。 今回の作戦は、最終兵器の「スパイクタイヤ」を使用する。前回までは〃ド抜性〃というソフト面をひたすら信じてきた訳ですか、今回の作戦に関しては、ガマンにも限度があるという理由からでアル。
自作チェーンの耐久性は…!?



12月28日AM7時

2時間遅れで小樽港上陸。なんと雨模様。日本海は大シケで、フラフラになりながら下船。船からスロープでガタガタと岸に降りるこの感じが、サンダーバードの隊員にでもなった様で、なんともいえずウレシイ瞬間である。
ここで下船。
メンバーは、元祖VFにこだわる男、塚ちャんと、今回自転車で初挑戦の東次郎、オレの3人。
あとは、最北端の現地集合で前回約束したやつなどは、はっきりと誰が来るのか、未だ分からない。とりあえず、朝市のイクラ丼を腹におさめて出発。東次郎は自転車なのでペ−スが違う為、最北端での再会を約束し、ここで別れる。
塚ちャんVFと小構市内を抜けるが、幸か不幸が雪らしい雪がナイ!
それこそ鬼の居ぬ間に、そそくさと札幌市内も抜け、北上する。約10km進んだ所で、VFのタイヤから異音がする。
前輪の自作ワイヤーチェーンが、切断寸前になっている。塚ちゃんは、資金と情報不足でスバイクタイヤの代用にしているもので、これは3mmのワイヤにコンクリートに打ち込むアンカナットの様な物をスパイクのピン代わりに使いそれをワイヤに通し、ワイヤをタイヤに巻き付けていたが、仕方なく、ここで外す。
しかし、相変わらず雪はナシ。順調に進み、今年もお世話になる小平YHに到着。
本日の走行拒離→180km

12月29日

朝起きたら、雪が3cm程積もっていた。
昨日外したVFの自作ワイヤを再び装着し、出発。朝の雪は、道からどんどん溶けていく。溶けるどころか、道も乾きつつある。
このままいけぱ、また、スペアの自作ワイヤが痛み、使用できなくなりそうなので外す。そして、しばらく進み、後輪の4輪用のプラチェーンを使用した自作チェーンも、アスファルトの上をかなり走った為具合が悪くなってきたので、これも外してしまう。
そんなこんなで、昼になってしまう。この時点でVFは、完全な夏クイヤ状態。
そして辺りの風景も、雪があまりなくて、夏の、あの景色の様な…「うーん、うれしいような、悲しいような…オレのザッパーのスパイクタイヤが、虚しくアスファルトの上を「ゴワーン」と唸るぱかり。
ここでVFは、椎内までの160kmを2時間半でクリアし、オレはVFに遅れることl時間で到着。その間に椎内市内は、いつもの冬景色になってしまった。セーフ。
稚内YHで荷物を降ろしていると「ブォー」とバイクの音がする。浜ナンバーの黒のニンジャが雪景色の中に突っ立っている。「ラリホー」。
ミヤちゃんが約束どうり来たぞー!聞くと、今朝フェリーで上陸したのだと言う。ほどんど、オレの後ろを走ってきていたのだ。
もちろん、タイヤは前後ともスパイクだ。
この男は、過去に24時間内で2千kmを走った記録を持つ男だ。こんな事は朝メシ前か。
とりあえず最北端まであと30kmを残し、2日という日数の貯金もでき3人で市場へ新鮮な食い物を手に入れて宴会。
どれも、安い、旨い、新鮮!あとは、4気筒で最北瑞の約束をした、カーペンという男。
何でもアメリカンで来ると言っていたが、今日も会わなかった。いったい今、どこにいるのだろう。
そして、ほかの連中は今年もまた来ているのだろうか?この稚内の町のどこかに…。

12月30日

うまいラーメン屋に行ったり、温泉に行ったりして、体調を整える。やっぱり、ええとこですわ北海道。

アイスバーンの中最北端ヘ…
12月31日

Z、VF、ニンジャの3台で、出発。
道はすぐにアイスバーン。
VFには厳しく、20km/h走行。PM3時頃、遂に、去年の約束どおり、4発のバイクが、日本最北端に到達!やれぱ、バカでもできる、バカだからできる!!
すでに宗谷には、今回千葉から車で参加のエアーズロック組、KC夫妻が到着。別名ナペ部隊、食料と七輪を持ってきてくれた。
全く新婚の2人がこんな事していてええんかいな、ほんまに。
KC夫妻によると、カーペンは人の項かり物のガンマでタイヤにロープを巻いてフェリー乗り場で待っていたものの、強風で船が欠航になり諦めたそうだ。
全く、バカなヤツ。東次郎も自転車で到着。
開口一番「面自かったー!」。自転車も奥が深そうだ。
ちなみに彼のはスパイクではない。テントを風のこなさそうな所に張りペグを靴で雪の中へ蹴り込み、日が暮れるのを侍つ。
今年の宗谷組ライダーば20人ぐらい。最終バスを見送ってからバス停に七輪を持ち込み、火をおこす。
すると、それぞれに酒と食い物の匂いをかぎつけて、ぞろぞろとバス停に集まってくる。
馴染みの顔、今年始めての顔が、狭いバス停の中で、闇鍋忘年新年大会。大鍋は5〜6回カラになり、絶対あまると思っていた酒類は底をつき、それでもまた酒はどこからが現われ、また消えていき、日本広しといえど、誰も頼まないのに、わざわざこんな所にバイクで集まり、それぞれ自己主張している。
これをバカ騒ぎといわず、何と言えよう。
鍋も遂になくなった頃、カウントダウンで新年を迎えた。と同時に、今回も、オレの定点になんとかこれたんやなあとしみじみ思った。
今年も、ここにいるみんなにとって、いい年でありますように。そしてオレにとっても…。

元旦


「ドドーン!バチバチ」花火の音で目覚める。
くもりマイナス5c。
年々、岬でのイベントが派手になってきている。
太鼓あり、セリ市あり。ちなみに、ミヤちゃんは数の子を30円で落札した。
バス停を清掃し、10時頃、ここでの仲間と別れる。
ここからVF、ニンジャ、Zの3台はオホーツク回りで帰るわけだが目的を果たした今、できる事ならバイク以外の乗り物で行きたい気持ちだ。
ここからの道は、今回の旅で一番雪が多く、VFはあまりうまく進めない。
気温がどんどん下がっていこの浜頓別までの国道238号は、地図で見ると除雪区分が1ランク下で雪をどけていない。
ゆるい上り坂でも、ニンジャがスリップして真直ぐ進めない。Zはクラッチを動かしていないと、固くなり凍ってしまう。
10分程エンジンを空吹かししてやると少し動いたが、今度はそのままつながらない。
こりゃまいった。一時休息。
朝から何も食べていなくて、食欲もなくなっていたので、仕方なく雪を溶かし、醤油を入れて飲むが、マズイ! で、胡椒を少々ふりかけるとアラ不思議,うまくなったので、3人で回し飲み。胡撤はエライ!結局、枝幸に着いたのはPM6時過ぎで、前回に引き続き、今回もライダーハウスえさしY○Uにお世話になる。
本日の走行時問→8時間 本日の走行距離95km

つづく



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