大バカ 2人組

続・平成最初の初日の出の旅




●旅立ちにあたって●
 フェリーで出発する日、準備に追われていた時、M・Bから小包みが届いた。中には、Tシャツとツーリングネットが。もしかしたら前回のレポートが採用されたのかも…。GOODタイミング! ネットは早速使用させてもらう。  今回は同行の大塚君と、日記を分担して書いて、レポートに使う事にした。なお、文中に出てくる『バロン』とは、僕・広野の事です。

■12月24日(広野記)
 今、フェリーは舞鶴を出港して約1時間。船内は、丁度いいぐらいの人数。去年より一便早めた為、人が少なく、バイクもいなくて、ゆっくりできた。  …と、ここまで書いたら消灯。

■12月25日(広野記)
 今日は天気がいい。どこを見ても海。退屈。  昼、カレー、500円。  卓球の勝負、0勝18敗。  僕が風呂に入ってる間に、大塚君はヘッドホンをつけたまま眠ってしまった。  船内の風呂はよく揺れ、湯船につかるとおもしろい。自分は何を基準に揺れているのか、止まっているのか?―などと、暇にまかせて考える。

■12月26日
 上陸。日記つけず。

 本日の走行→約200km

■12月27日(大塚記)
 PM8時40分。昨日は良い天気で、かなり距離をかせいだ。なんと、すでに目的の2分の1を、1日で達成した。
 小平という所でYHを見つけて、落ち着いたところだ。中はロッジ風で気に入っている。  今日は朝から霙が降っている。バロンが昨日「雪が降ったらもう一日いよう」と言っていた。
「スキーをしたい」とも言っていたが、僕は彼が根性なしだから走る気がおこらないのだという事を見抜いていた。仕方がないので、バロンの望みどうり今日は連泊する事にした。
 夕方から雪にかわり、バイクで遊んだがおもしろかった。ターンをするのが一苦労だ。
 卓球は一敗してしまった。僕とした事が…。失敗。

 本日の走行→0km


■12月28日(大塚記)
 今日はVFの調子が悪く、出発が遅れてしまった。チョークをひいてエンジンをかけた所、戻らなくなってしまって、結局4000rpmのまま出発した。エンジンプレーキがかからず怖かった。途中吹雪に逢い、身動き出来ず、暫く休んだ。
 再び出発。…今度はモンキーのエンジンが調子を崩し、かなり手こずった。



 吹雪中はすごい風で、バイクが横に流されたり、休憩中にバロンが反対車線に流されたりもした。道も完全なアイスバーンになり、進むのも戻るのも無理という状況で「今年も断念か!?」という言葉が頭に浮かんできた。
 しかし、無理矢理進んだ。
 こういう状況の下、やむなくVFは初の転倒。続けて5〜6回転倒。ウインカーがとれて、カウルが割れた。
 日が暮れても目的地まではまだ遠く、アイスバーンの為、VFのペースが落ち、25km/h前後の走行を強いられた。
 バロンがVFの200m先を走っていた時、再び転倒。暗闇に一人取り残された。  すでに腰を痛めた僕が、一人でVFを起こすのは不可能だった。
 数分後戻ってきてくれたバロンの助けを得て、再出発。「宿泊所の看板があった」というのを聞き、少し気力を取り戻した。

 が、風はやまず、いつ転倒してもおかしくない状況だ。そして、その看板の所まで来たら『国道をそれて山の方へ6km』と書いてあった。…
僕はここまてでほとんど力を使い果たしていたが、やはり、行くしかないのは言うまでもなく、進むほかなかった。道は真っ白。吹雪で3m先もわからない。
 あと、4km、3km、2km、1km…ついに旭日温泉が見えた。
 すでに、センスタさえ立てられなかった。
その温泉はきれいで安くて、走行時とは天国と地獄。
 さっきのつらさを癒すに充分な場所だ。
 あとはBOOWYを間くだけだ。


 本日の走行→約150km


つづく





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