炭焼き体験 Part2

庭先で簡単に焼ける「伏せ焼き法」

 2000 1/ 1

炭焼きについての詳しい説明はPart1でしていますので、そちらをご覧下さい。
炭焼きコーナーPart1はこちらへ

 今回は2窯、穴を掘るところから始めました。
 基本型の伏せ焼き窯にしたのと、翌日には掘り出さないといけないということで、収炭率は良くなかったですが、一通りの流れを記録しましたのでご覧下さい。


少し時間がかかるかもしれません。ごめんなさい
穴掘り(窯造り)

 長さ2m 幅50cm 深さ30cmの穴を掘ります。 寸法は多少融通性がありますが、あまり小さいと窯内の温度が上がりません のである程度の大きさは必要のようですが、燃焼時間とトタン板1枚(幅60cm)サイズにすると小さめになります。
 風上を焚き口にし、反対側に煙突口を作ります。
 そこに焚き口から煙突口にかけて太さ10cm弱の枕木を2本平行に置いておきます(通気道)。
 但し、今回は少し小さめサイズにしてしまいました。

炭材の詰め込み

 炭焼きの窯には炭材を立てて入れるのですが、これは横にして伏せた状態なので伏せ焼きと言います。
 長さは、窯の幅より10cm短くする。すなわち両側横に5cmの隙間ができるようにするわけです。
 詰め込みにはできるだけ隙間ができないようにすることが重要です。

隙間を詰める

 炭材の上、横の隙間に枯れ草などを充填します。
 これは、窯の中に偏った空気の通り道ができないようにすることと、窯内の温度が保温されると共に、全体に分散されるようにするためです。
 今回は少し濡れた枯れ草だったため空気の通りが悪く、湿度が高く温度上昇がうまくいかなかったようです。

焚き口の構造

 焚き口には大きな木を使って窯口を作ります。
 しかし、今回は結果的にはブロックで組んで作りました。
 ここの構造をうまく作り、効率よく熱が窯の中に流れるようにすることがポイントです。
 また、炭材と燃焼室との間にブロックなどで壁を作っておく方が炭材が燃焼材になる率が低くなり収炭率が高くなります。

窯の仕上げ

 充填材を詰めたら、上からトタン板をかけ、土をかけて仕上げます。
 土が粘土質でない場合は、トタンが落ちないように鉄筋などを渡しておく方がよいでしょう。
 土かけと同じ頃には焚き口で火を付け始めましょう。煙の漏れがないようにすき間を埋めて、空気漏れをしないように注意しましょう。

火付け状況

 焚き口で大きな火を作り、窯の中へ団扇などで扇いで熱を送り込みます。
 扇がないと、空気は逆流してきます。煙突から煙がでるように扇ぎ、約3時間ぐらい続けます。扇がなくても煙突から煙が勢い良く出るようになれば、 煙突口の温度が80度以上になるまで火を焚き続けます。

焚き口の様子

 自然と煙突から煙が出るようになり、火は自然と窯の方へ吸い込まれるようになります。
 この時は、はじめから木酢液採取用の竹筒を設置していたため、燃焼効率が悪くなったようです。
 このことも今回の反省点です。勢い良く煙が出るようになってから木酢液採取用の竹筒を設置しましょう。

煙の変化 1

初期の煙は温度も低く、水蒸気をいっぱい含んでいます。触っても熱くありません。
 この煙が焚き口を扇がなくても自然に出だし、煙突口の温度が80度以上になってきたら窯の中で炭化反応が始まったことを示します。
 初期の煙は綿のように白くモクモクとした出方です。それが長くたなびくムラサキがかった煙に変化し、辛く、けむたい煙に変化してきます。

煙の変化 2

 煙の色が青みがかった状態です。窯の中で炭化現象が進んでいる状態です。
 煙突口の温度も180度ぐらいになっています。煙突口に付くタールの状態も水気のあるものから粘りのあるものになってきます。
 この場合は、だいたい9割方炭化が進んでいますが、煙のにおいが、まだきな臭いようですと未炭化材が残っています。
 この辺りの見極めが難しいところです。放っておくと灰になるし、 早いと未炭化材が多くできるし・・・ということで、何度も経験を積むことが必要だと思います。

煙の変化 3

 最終の煙の状況です。煙の色が消えて、かげろう状態になっています。煙突口のタールも焼けて灰のようになっています。
この時のんびりしていると灰にしてしまいますから、要注意です。
 これで、煙突も抜き、完全密封をして窯の中を窒息状態にします。
 消火にはいるわけです。

窯出し

消火をして、数時間後温度が下がった頃に炭を掘り出します。
 今回は充填材が濡れていたことや、初窯で土が湿っていること、容積が小さかったことと、 併せて焚き口を改良タイプ(燃焼室を作る・・炭材と燃焼室の間に仕切を入れる) にしなかったことなどで、多くの炭材が灰になったと考えられます。
 それでも、できた竹炭はカンカンと金属的な音を出す炭になっていました。

鑑賞炭

 ただの炭だけを焼くのではなく、せっかく炭焼きをするのだからいろんな炭を焼いてみましょう。
炭素を含んだもの(生きてるものは)何でも炭になります。
 今回は、急遽鑑賞炭をする事になったので、松ボックリしかできませんでした。
まとめとして
 口火焚き3時間(できるだけ大きな火を作り、窯内の温度を上げるのがコツです)
 炭化進行15時間(状況によって多少の違いはあります。この間、窯の状況を常にチェック必要に応じて補修する。)
 煙突の煙が切れたら密封する。(消火)
 窯内の温度が下がったら炭出しです。約6時間
全体に要する時間は24時間です。状況により多少増減する。

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