音楽を用いた dictation

 

  音楽(英語の歌)を利用して単語のディクテーションをすることがある。そのねらいは次の通りである。

ねらい

1 既習の単語を聞き取る力をつける。
2 授業のウォーミングアップとして。

 1のために、当然自分の聞き取らせようとねらう単語の入った曲を選ぶ。ただし、あまり欲張ってたくさん書かせるようなことはせず、単語の数は1曲につき、せいぜい10語程度にとどめておく。

 2をすることによって、ざわついた休憩時間から、スムーズに集中させる効果がある。

 曲の選び方は次のような観点で行う。

観 点

1 生徒にとってどこかで耳にしたことのある曲。
2 聞き取らせたい単語を含んだ曲。
3 発音が明瞭、スピードが適切な曲。
4 繰り返しのフレーズが多い曲。(この中に聞き取らせる単語を必ず入れる。)
5 歌詞の内容が教育的観点から問題のない曲。

 生徒にとってある程度耳になじんでいる曲の方が、「あの曲か!」という、集中力を喚起する効果がある。

 繰り返しのフレーズが多い曲の方が、何度もその部分を聞く機会があるのでよい。また、そのことにとどまらず、そのフレーズが記憶に定着することがある。休憩時間など、時々その部分を英語で口ずさんでいる生徒を目にすることがある。

 特に歌詞の内容を理解することに焦点を置くのではないが、やはり問題のある歌詞を含む歌を指導するべきではない。(常識!)

やり方 

 曲の歌詞のワークシートを作る。自分の聞き取らせたい単語のか所を空白にする。英語の歌詞の横に日本語訳をつけてもよい。適宜それを参考にする生徒もいる。


指 示

 Now let's listen to music. (音楽を流す)

 Have you ever heard this song? Raise your hand.

 O.K. The title of this song is "This land is your land".

 (ボリュームを絞り、ワークシートを配る)

 Let's listen from the beginning. Fill in the blanks. (最初から曲を流す。)


 ディクテーションの最中に机間巡視をし、どの程度できているのかチェックする。あまりにもできがよくなければもう一度ディクテーションの機会を与える。また、生徒たちからは "One more time!" などの声がかかることもあるが、あまりやりすぎると時間がなくなる。

 解答は挙手をさせてする。結構得意になって言う生徒もいる。終わったら、10個中何個正解したか挙手をして確認する。時間があれば、正解を見ながら再度聴かせることもある。また、「先生、歌おう!」という声がかかることもある。時間があるなら、曲のさびのフレーズだけでもいっしょに歌うとよい。

工 夫

 場合によっては、空白で書き取らせるのではなく、単語を選択させ、その語を○で囲むこともできる。例えば、一般動詞の過去形を指導したあと、"play"と "played" を聞き分けるために、選択肢にすることもできる。

これまでやった曲: "Puff", "Yesterday", "This Land Is Your Land", etc.

「音楽を用いた dictation 2」も参照されたい。


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