手軽に音楽を用いて Warm Up
兵庫県豊岡市
谷口 裕
 授業のウォームアップとして、音楽を用いることがよくある。ただ聞き流すだけでは物足りなく、生徒たちも手持ちぶさたとなり、結果としてその授業に集中できない原因ともなりうる。ディクテーションや歌詞を配って内容を考えたりすることも多いが、手軽なものとして、「単語一語の聞き取り」、「英文一文の聞き取り」などを行うことがある。
<例1>
 曜日の名前を学習した後の復習を兼ねて、The Bay City Rollers の "Saturday Night" を利用する場合。
<発問1>
 毎回の授業開始のあいさつで "What day is today?" という質問をしています。また、前回の授業では曜日の名前をすべて学習しました。では、土曜日は何と言ったでしょうか?
 生徒たちからはためらいなく "Saturday!" と出てくる。
<指示>
 今からかける曲の中には、何度もくり返し "Saturday" が出てきます。何回出てきたか数えてください。
 そして曲をかける。
 生徒たちは指を使って数えはじめる。結構集中する。
<発問2>
 How many times did you hear "Saturday"? Raise your hands.

<例2>
 "want to" の復習として、また同時に、出張へ出かける直前の授業であることを考慮に入れた場合
 The Fun Factory の"I Wanna B With U" を用いて。
<説明>
 今から音楽をかけます。この曲は君たちに対する、今の僕の気持ちなんだ。これから神戸へ出張なんだ。
 このように前置きしておいて、"want to" の表現を簡単に復習する。その中で、"want to" は日常会話の中では "wanna" となる場合もあることを説明しておく。
<指示1>
 今からかける曲の中には、"I wanna be with you." という表現が何度も出てきます。何回出てくるか数えてください。
 この曲は、20数回その表現がくり返しあらわれる。
<指示2>
 How many times did you hear "I wanna be with you"? Raise your hands.
 数の確認をした後、「これが今の僕の気持ちなんだ。でも、向こうで待っている人たちにとっても僕に対して "I wanna be with you." なんだ。」とひとこと付け加えておいた。教師である以上、出張は必要なことであり、否定的であってはならない。

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